第20話 不一致、一致
文字数 282文字
どんな言葉も
誠実などと書いたらば、もう不誠実でありそうだ。
いろんな向き方があるだろう、人の目を気にして書く・云いたいことを書く・自分の内面へ向かって書く…いずれにしても、文字というかたちになってしまう。
形にするために書くのだろうが、その形のぜんぶが
不可能なものに向かって行けること。それが、
雨の日に傘をさすように
自然に、パッ、と開けない
パッ、と開けたら
パッ、パッ、と…
そぐわない
と感じられる。そんな時、何も書けなくなる。誠実などと書いたらば、もう不誠実でありそうだ。
いろんな向き方があるだろう、人の目を気にして書く・云いたいことを書く・自分の内面へ向かって書く…いずれにしても、文字というかたちになってしまう。
形にするために書くのだろうが、その形のぜんぶが
そぐわない
と感じられるとき、言語は不可能、無理であるということになる。不可能なものに向かって行けること。それが、
生きる
こと、生きて
いるということの、実情であるにしても。雨の日に傘をさすように
自然に、パッ、と開けない
パッ、と開けたら
パッ、パッ、と…