第43話 先生

文字数 247文字

 むかし、塾の先生と、話をした。
 わたしは、あることが分からなくて、それを先生に聞いたのだ。
 すると先生は、「そんなことも知らないの? 何でも知ってるような顔して!」と言った。
 


 わたしは、物事の本質を見抜く能力に長けていた。
 その本質は、真理のようなものであり── だから

のものだった。
 先生の本質を、わたしは見抜いていた。
 だから先生は

知ってるような顔して! と言えたのだ。
 わたしは、ひとつだけのことを、知っていたのに。
 ひとつだけだったのに。
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