第53話

文字数 708文字

 今まで、「なぜ戦争は起きるのか」とか
「どうしたら、戦争はなくなるのか」とか
 戦争が起こらない世界にするにはどうしたらいいか?
 といったようなことは、考えてきたつもりだった。
 ところが、

、その戦争が起きているのだった。
「今、戦争を止めるにはどうしたらいいか?」
 そんなこと、考えたこともなかった。

 中国の天安門事件の時、進んでくる戦車に向かって、立ちふさがる、一人の若者がいた。
 湾岸戦争の時かに、戦争に反対する、といって焼身自殺した、タイの僧侶がいた。
 そんなふたりの姿を、思い出したりした、昨夜の寝床。
 しかし、死んでしまっては…
「2000年代 戦争」と検索したら、「戦争一覧」とWikipediaが出てきた。
 戦争一覧!
 ほんとに、ずっと戦争があった。
「どんなに、戦争はダメ、とか言ってたって、起こるんだよ」
 声がする。
「戦争の悲惨を繰り返さぬよう、とか言ったって、どうせ起きるんだよ」
「だからといって、今まで反戦を唱えていた人達の活動が、無駄だったとは思えない」
「どうして? だって、起こってるじゃん」
 
「現実に、夢が壊されることがある。だったら、夢が現実を壊すことがあってもいいじゃないか」
 そう言った、どこかの国を設立した為政者がいたそうだ。
 個人としての夢。
 人類、ヒト族としての夢。
 人間ってもんとして生まれてきた以上、
 何か意味があると思う。
 意味を、考えられるのが、人だと思う。
 「ひと」の世界、
 ひとがこの世にある意味は、
 どこまでも平和な世界をつくること、
 雲の上で戯れる、オリンポスのいい加減な神々みたいに
 そんな世界をこの地上に創造するために
 そのために、人間、生きていると思うのだが。
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