第44話 「然り」!「すべてをよしとする」!

文字数 323文字

 そのような情態、一種の境地に行った時、人間はどうなるのだろう?
 それは「至人」である。
 荘子は「万物斉同」、ニーチェは「永劫回帰」、ブッダもその思想の根幹に「受け容れること、認めること── そのままを観じること」があると思えるし、晩年のソクラテスにも「魂、いのちは、巡っているのではないか」という、荘子とニーチェ、ブッダと同じ目線でこの世をみる態度があった。
 生と死は同じであること。すべてを「然り(ヤー)」と是認し、肯定の極致に至ること。つまり、この世を

、そのままにみつめること── そのように、この世の事象のすべてを、自分の身に降りかかるいっさいを、観じられるようになった時、その人はいったい、どんなことに、どんなものになるのだろうか?
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