第3話  奥様の優しさ? (12)

文字数 530文字

僕ね、本当に感動したんだ。目の前にある物を見てね。

 だってアイカさん達が、僕の為にわざわざと制作してくれたみたいなんだよ。それもね、僕が前から欲しいと述べていた、お風呂を制作してくれたみたいなんだ。だからね、もう感動だよ。僕は 涙がちょちょぎれそうだし。『嬉しくて嬉しくて……』仕方がない。

 僕はね、この世界に来てから。只ひたすら生きる為だけに働いていきたの。働きアリのように……その上さ、僕の妻だと述べているアイカさん自体も。実際は夫の僕の事をどう思っているか全然分からない状態だから?

 僕はとても不安で仕方がなかったの。実際ね、僕自身は人種でオークではないし……いつもね、集落の中では仲間外れで……単なる丁稚奉公みたいな扱いを受けているからね。

 でもさ、アイカさんと妹様達が僕の為にと。わざわざお風呂を制作して用意迄してくれた事に、正直嬉しい……何度も『死にたい』と、思った僕だけど。この世界──集落には、僕にもちゃんとした家族がいるんだと思うと。明日から又頑張って生きて行こうと思うし、覇気も沸いてきたよ。それにさ、何よりも感動したのは、アイカさんに僕は、一応は愛され大事にされているんだと実感出来たのが。一番良かったと思う。
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