第5話 更に集落で浮く僕です……(2)

文字数 996文字

まあ、こんな小さな閉鎖的の集落だから、男性の人達皆にはお嫁さんが均等に回る訳ではないよね? どう考えてもさ。実際は僕もアイカさんが婿として召喚をしてくれたから奥さんが出来た訳だし。長の夫だから特別待遇?

 で、お嫁さん新たに貰えた訳だけど……僕自身は全然稼げてないんだけど……

 まあ、家の収入……と、いうか、集落の食の収入減の殆んどは、アイカさん達奥様が稼いでくるんだけれどもね。

 はぁ、あああ……

 まあ、少し話しは飛んだけれども、実際あのまま日本に住んでいても、内気な僕だと現実的に将来君は、結婚出来たかな?

 と、問われると難しいかなぁ……と、僕自身も思うぐらいだからね。

 まあ、家うちのアイカさんの集落は、こんな感じだから、奥さんがいない若い男性達が多々いて、女日照りの状況下にあるのに。

 その中でも若くて綺麗な女性を四人も嫁にして、独占している状態の、他種族の僕だから。自然と嫉妬の的になっているんだよ。

 だから作業から作業への移動の最中などは、男性陣の集まりなどの横を通ると──親切心で? 僕へと声を掛けてくれるの、有り難い事に。

「おぉ~い! 健太! 今から相撲をしないか?」

「あああ、いいな、俺達が健太を鍛えてやるよ」

「おう、特訓だ、特訓──!」

「早く──こっちに来いよ! 遊んでやるから……」

 まあ、こんな感じでオークの男性達──『ニヤニヤ』と、笑いながら述べてくるの彼達は。でもね、僕はとても嫌だから断るのだよ。

「いえいえ、まだ家の洗濯や掃除など、作業が残っているので今日は御遠慮します」

 と、顔には冷や汗をかきながら、引き攣り笑って誤魔化すの彼らに。

 でもね、彼らは、どう見ても嫌がっているようにしか見えない僕を。「いいから、いいから、来いよ、健太……」と、しつこく手を引くんだよ。

 だから僕は、いつものように、彼らの手を振り払いあしらって──そのまま先へと進むのだけど……

 今日はいつもと違うんだよ。ここまで彼らもする事は無かったのに。

 だって嫌がっている僕を無理矢理 担いで、そのまま、男性陣の円陣の群れの中に放り込むんだよ。

 その後は皆さんの考えている通りだよ。

 僕自身、痛くて目を瞑っているから何をされているのか全く解らないけれど。

 彼等の声だけは、しっかりと聞こえてくるんだよ。
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