第6話 家出! (7)

文字数 568文字

まあ、そんな事を考えながら、僕は妻のエリエさんに甘えていと、プラウムが話し掛けて来たよ。それも甘えた声を出しながら。

「……あなたぁ~?」

「ん? どうしたの、プラウム?」

「私わたくし甘酸っぱい果物が食べたいの……だから取ってきて、お・ね・が・い・だ・か・ら……」

 こんな感じでね、プラウム、僕を抱擁しながら甘え声で、おねだりをしてきたよ。果物を取ってきてくれとね。

 僕はその淡い、甘え声を聞き、奥さまの為にと果物を取ってくると決意を決める。

『だって仕方がないじゃん?』僕もそうだよ、他所の家の旦那様達といっしょだから。奥さま達には、本当に弱いからね。

 まあ、そうい事だから、僕は奥様の為に慌てて立ち上がり。──プラウムに向けて敬礼を始めたよ。

 その後はプラウムに対して「はい、奥様! 行ってまいります!」と、高らかな声で、更に敬礼しながら述べた。

 僕の冗談交じりの愛嬌が面白く感じたのか?

 プラウムは大変に嬉しそうだったよ。

 僕はね、その笑顔を見て──、再度胸キュンになってしまったようだ。

 まあ、後はね、再度プラウムの笑顔を確認すると、僕達家族の丸太で出来ている屋敷を後にしたよ。そしてそのまま、集落の外へと出て僕は、果物採取へと向かう。

 奥様の為にね……。



 ◇◇◇◇◇


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