第6話 家出! (18)

文字数 708文字

 僕ね、ウォン嘲笑いを聞いて、『くやしくて、く・や・し・く・て……』体が震えの。でもね、これだけ侮られても、本当の事だから何も言い返せない……それにさ、二人を憤怒して罵倒する事も出来ない、そうかっといって、武力行使に出る事も出来ない……

 だって先程の二人の会話も走馬灯のように流れてくる……だって僕を殺す? 殺さな? の会話を二人がしていた事を皆も思い出すでしょう。

 と、いう事は、ウォンは僕が反抗してくるのを待ってると思うんだよ。だってさ、そうすれば、誰に文句を言われる事も無く僕を殴り殺せる訳だからね……と、考えると二人に臆している、自分自身が情けないし、嫌気がさしてくるよ。

 僕がそんな事考え泣いていると。
「うるさい! ウォン! あんたは、黙ってて──!」
 目の前の "女" が憤怒して、ウォンを怒鳴りつけて、その後は僕に。
「そ、それよりも、あなた、大丈夫?」
 と、僕の頬に触れながら尋ねてきたよ。
 まあ、"この女" は相変わらず青ざめたままの顔色だけど。『もしかして僕が、心配か?』 女は震えながら、恐る恐ると声をかけてきたけれど。
 僕はね、直ぐに心の中で『冗談だろ? 心配している振りをするな──! それに同情心なら僕に二度と近寄るな──!』と、叫んだよ。

 だってさ、みんなだって思うだろ?

 そんなに僕の事が気になって心配になるぐらいなら、『こんな事はするなよぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおっ! それに僕を殺すと述べたじゃないか、二人でぇ、えええええええええええええええっ!』 僕はもう、お前に対して猜疑心しかないんだ。

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