第50話 ジェンダー差別原因究明レポート:2023年7月

文字数 685文字

(ジェンダー差別原因究明レポートが発表された)

2023年7月。クラウド上。ユニバーサル・ジェンダー計画事務局。

ジェンダー差別原因究明レポートの第1巻が、公開された。このレポートは、女性優先枠を設定しても、女性比率が上がらない原因を分析している。次の2つの原因が。取り上げられた。
第1は、女性優先枠を無効にするフィルターがある場合である。この場合には、女性優先枠が埋まらなくなる。具体的には、転勤出来るなどの条件がある。
第2は、代替率が低い場合である。この場合、人の入替が起こらないので、女性比率が上昇しない。この場合には、代替率をチェックする。
問題の発生状況は、女性優先枠の充足率と代替率を評価する方法が、女性比率で評価するより、結果が出る前に判断できる点で優れている。
問題が生じた場合、原因の特定は、重要である。原因の特定には3つのアプローチがある。
第1は、統計的な因果律を追求する。
第2は、問題となる状況を作り出した個人を特定する。刑法における犯人探しに相当する。
第3は、問題となる状況を作り出したシステムを特定する。これは、飛行機の墜落事故で用いられる方法である。誤操作で墜落した場合、問題は、誤操作をしたパイロットにあるのではなく、誤操作を起こしやすい、飛行機の操縦システムに問題があったとする。

ジェンダー差別原因究明レポートの原因は、第3のタイプである。例えば、今まで、非ジョブ型雇用は、女性優先枠の効果を阻害する原因であると説明してきた。この原因も、第3のタイプの非ジョブ型雇用というシステムである。この場合、雇用システムを交換しなければ、問題は解決しない。
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