第69話 ユニバーサル・ジェンダー党 の候補者養成:2023年11月

文字数 1,192文字

(ユニバーサル・ジェンダー党が動きだした)

2023年11月。ネット動画。

「これから、ユニバーサル・ジェンダー党の候補者養成プログラムを、説明します」
洋子が口を開いた。
「最初に、国会議員立候補に応募して下さった皆様にお礼申し上げます。党は1か月後の選挙公示に合わせて、予定を立てています。このカリキュラムは、3段階から、出来ています。
第1段階の選挙対策のカリキュラムは2週間の習得後に、適性判定を受けます。第1段階では、国会議員に必要な入門知識を身に着けます。これは、今まで、学校で授業を受けてきたようなカリキュラムではありません。学習モジュールの中で、必要な知識は森のようになっていて、受講者は、森の中を探検するように、ルートを探して、自分で、進みます。モジュールの質問に答えながら、進んでいけば、自然と学習出来ます。2週間で、学校の1学期分の内容が習得出来ます。学習効果は、受講生が、主体的に活動した場合に限られます。これは、魔法ではありません。認知科学のノウハウを活用しているのです。
到達度の低いモジュールは、繰り返し演習できます。2週間後にそこまでの習熟度をもとに、合格の判定を行います。水準に達した合格者は、第2段階に進みます。
第2段階では、基礎コミュニケーション能力を身に着けます。これは、誰かと対話しながら、対立する意見を集約したり、難しい内容を相手の立場で説明出来る能力です。ここでは、対話相手に、コンピュータのAIを使っています。これは、24時間いつでも、相手をしてもらえます。
第3段階は、応用コミュニケーション能力を身に着けます。実際に党員とパートナーを相手に、コミュニケーションをとりながら、政策要求をまとめて公約を作る作業をします。この作業は、ログによって採点され、党員とパートナーからも評価を受けます。評価結果を見て、コースの卒業認定が行われます。意見集約は、AIシステムがサポートします。このシステムも有効に活用してください。
3段階は、アマゾネス・ウーマンズ・パートナーシップの立候補者養成プログラムの延長線にありますが、内容はより高度です。また、代理人の学習、つまり、カンニングをしないという誓約をして頂くと同時に、プログラムの途中でも個人認証があります。プログラムの利用者登録には顔認証を使いますので、カメラとマイク付きのPCまたはタブレットをご用意ください。
候補者養成プログラムを卒業した後、党のWEBで党員との対話を進め、支持者が多ければ、そこで、初めて、党の公認を得られます。
また、落第しても、次のチャレンジは可能です。県議会議員等の枠の設定のない議員への出馬には、候補者養成プログラムで基準点をクリアしていれば党の公認を得ることができます。
なお、以上の選挙対策のカリキュラムは、アマゾネス・ウーマンズ・パートナー社の支援を全面的に受けています。」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み