サラリーマンとプロレスラーくらいの違い ~佐久間看護婦~

文字数 2,382文字

(何やっているの、仕事中やで) 
耳元で誰かの声がして慌てて手を抜きます。
整形外科に時代劇の俳優さんが入院していて、サインをもらおうとした看護婦が総婦長に呼び出され厳重注意を受けたという申し送りがありました。こんなことしてて見つかったら、それくらいでは済みません。
「安堂さん、新しい浴衣と下着に着替えましょうね」
意識の有る無しにかかわらず、丁寧な声掛けは大切だと教えられています。
そう声をだして、ナース服のボタンを留めながら、ベッド下の青い収納ボックスから着替えのブリーフとレンタルの浴衣を出します。目に入らないように顔を背け、身体にタオルをかけたまま白いブリーフの下着を膝まで履かせます。浴衣を左の肩口まで半身着せかけると、寝返りをさせるようにむこう向きに背中を四五度ほど押し上げ、その空間に反面の浴衣を入れていきます。あとで反対側から引き出すためです。
男性は結構重いのでここだけはちょっとした力仕事です。

急いでやろう、早く終わろうと、ちょっとと慌ててました。普通のベッドよりも一.五倍くらい幅が広いということもあります。両方のひざをベッドの上に乗せて、ヨッと勢いをつけて肩と腰をもって持ち上げたところ、タオルがベッドの向こうにずり落ちそうになって、「あっ」と思った時には、一緒に突き出た固いものを摑んでいました。
風に飛ばされた洗濯物が、竿先に引っかかったようになっています。
ごくりと唾液を飲む音がします。ゆっくり身体を降ろしてタオルを剥ぐと、太腿の間からそそり立ったペニスが現れてきました。明るい場所で、はじめて男の人のものをまじまじと間近で見ます。握ると指が届かないくらいの太さがあります。鬼頭のところはグリグリしててもっと太いです。睾丸もギュッと引き締まっていてさっきよりももっとずっと硬くなっています。垂直というよりも、身体に平行になるくらいギンギンです。手から突き出た亀頭は矢じりのように見え、穴の開いた先端はこちらを見ています。こんなことを言うと失礼ですが、西條先生と比較すると、サラリーマンとプロレスラーくらいの違いがあります。
(こんな大きいものが、あそこに入るんやろか…)
(大きいほうが、気持ちええっていうけど、ほんまやろか…)
(こんなすごいもので、ズコズコされたら、どうなってしまうんやろう)
自分のあそこに出たり入ったりしている情景が浮かんで、心拍数が上がり顔がほてり、その熱が脊髄を通って下半身に降りていきます。いけないことをしているという背徳感にゾクゾクして、口の中につばが溜まって、床においた右の爪先はガクガク、尿意はないのにお漏らししそうです。

「安堂さん、安堂さん…」
お声がけしますが反応はありません。ベッドにのせた左膝の横には、広がった裾の間から見上げるように左拳がグーの形で上を向いています。膝でにじるようにして陰部を乗せると、一番高いところにある中指MR関節からの圧が伝わります。
「うっ」
(あぁ、気持ちいい…)
擦り付けると反発するように力が強くなり、拳骨の上で腰椎が前後にカクカクと押し込むように動き始めます。ストッキングのザラザラがアクセントになってクリトリスにグリグリが伝わります。
(ダメ。誰かに見られたらどうするのよ…)
その声は小さくなっていきます。
(大丈夫、服を着せかけてるようにしか見えないから…)
(腰を上げたら何の証拠も残らないから…)
そっちの声が勝ちます。
でもさすがに、こんなところでストッキングやショーツを下ろすわけにはいきません。何か方法はないかと見渡すと、清拭セットの中にガーゼを切る小さなハサミがありました。屈みこむような姿勢でパンストに切り込みを入れると、弾けるように伝線して丸く広がります。
これで大丈夫。圧し掛かるように身体を重ねて、浴衣を着せ付けている場面に見えるようにします。手のひらをパーにして上に向くように手首を固定すると、ショーツの真ん中を横にずらして太い中指が入るようににじり寄っていきます。
「あぁっ…」
ひんやり固い指の感覚が脳髄にまで駆け上がっていきます。もう少し強く、強くと手首を押し付けていると、第一関節がぬるりと窪みに到達しました。そのまま腰を前に押し出すと、引きずられるように薬指も一緒になってズズッ、ズズッと奥まで入ってきます。
「あぅ~」
驚いたように指先がピクピク、ビクビクと前後に動きます。強く固定しようとすればするほど、嫌がるように回転しながら膣壁をえぐるように前後左右に暴れまわります。股の間に挟んで逃げられないようにより強く締めつけます。
(こんな状態で目を覚まされたらどうしよう…)
顔を見ますが、大丈夫、覚醒はしていません。手の先にはあれがこっちを向いていて、ぎゅっと掴むとどくどくと力強い拍動がびんびんと腕まで伝わってきます。清拭していたときよりもカチカチに固くなっています。口を大きく開けて唇を寄せますが、体勢がねじれていて矢じりのような亀頭を咥えるまでしかとどきません。それでも、口の中にいれると、顎が外れそうで西條先生のとはケタ違いに大きいのがよくわかります。太くて硬くてすごいです。しめじと松茸くらい、萎びたキュウリとズッキーニくらい違います。
声が震え、制御できない何かが身体の中に溜まっていきます。安堂さんの右腕をギュッとつかむと、スポスポする左手の動きと連動するように、安堂さんの指の動きと私の腰の動きが激しくなっていきます。両方の膝をあげて身体の向きを変えると、ペニスの半分くらいが口の中に入ってきます。
「ウグ、グゥ」
(あっ、ダメ、ダメ…)
二本の指がお腹の中でぐるぐる動いて、頭の中が真っ白になり、何かがはじけた瞬間、あそこがキュッと締まって、安堂さんのベニスから発射された生臭い精液が口の中に充満し、そのまま二度、三度、四度と勢いよく眼鏡に直撃しました。
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