愛しのアンティ ~伊藤美奈~

文字数 2,066文字

あれほどまでに卑劣でおぞましい性的暴行を受けたにもかかわらず、鏡の前に立つと、あの日のことを思い出し身体が火照ってくる。思い出すたびに怒りに震えていたが、いつの間にか、その熱が妖しくも強烈な性的興奮にかわっていく。姿見に全身が映っている。大きく足を広げた私がいる。
その後ろにはアンティがいて、寂しそうな目で私を見つめている。
ブラを外し、ショーツを下ろして全裸になると、素肌に直接、破れたストッキングと薄汚れた白いⅤネックセーター、濃紺のスカートを身に着ける。仕事着としてヘビーローテだったこのコーデは、ゴミ箱に行く寸前に家着専用になった。いや、あの日の情景、興奮がそのままコーデに乗り移ったというべきだろうか。あの日のことを身体が思い出し、興奮を抑えられなくなる。
鏡のまえで身体を屈めると胸元が開いて胸の谷間がちらりと見える。中年のスケベ教師だけでなく、童貞のチェリーボーイたちが真っ赤になりながら、視線を集中させている。写真部の撮ったブラちら、パンチラ写真が出回っていることも知っている。この私の身体を想像、妄想しながら、今夜も赤剥けた青白いペニスをしごいているのだろう。

毛羽のカシミヤが胸の先を刺激する。セーターの上からギュッと胸を掴むと、チクチク、ザラザラが更に繊細な記憶を呼び起こす。
「うぐぅ」
セーターとスカートをたくし上げると、とがった乳首と潤んだ桃色の陰部が大写しになる。親指で赤い実をすりつぶすようにしてから、捻じり上げる。ビリビリとストッキングが引き裂かれる音とともに、柔らかい舌先が、性器の上にある突起の上をくるくるまわり、やわらかく吸いつけていく。二本のしなやかな指先が体の中で動きまわって、ぐちゅぐちゅという羞恥心を吸い取られるような淫靡な音が耳の中に木霊する。指に掻き出された白い粘液が流れ出し、濃紺のスカートにより深い染みを作っている。ブリッジをするように腰が浮き上がり、壊れた玩具のように、カクカク、カクカクと前後運動が止まらなくなる。
「安堂先生、やめて、お願い」
昨日、百貨店の地下売り場でズッキーニと黒光りした長なすを買った。正方形のテーブルの上に対角線上に仰向けになる。あの日の跳び箱のように。首をイヤイヤと左右に振り唇を細めるが、容赦なく押し入ってくる。首ががくんと後ろに倒され、喉の奥まで突き入れられると、「ウッ」と嘔吐反射が起きる。あのときと同じ胃液の酸っぱさとプーンとした青臭さが嗅覚を刺激する。オェッ、オェッとポロポロと涙を流しながら、喉奥を突かれる苦しみと快楽が交差している。
「お願い、やめて、ひどいことしないで」
そう喘ぎながら、唾液でしとどに濡れ青光りするものを膣の中に一気に突き入れる。
「あぁ~」
異物感に全身が強張り、ぎゅっと締まって思わず声が出る。それでもしばらくすると力が抜けてくる。そう…、ひざが震え、子宮が震え、それが全身に蔓延していくこの感じ。
「美奈先生、細身なのに、豊満な胸をお持ちなんですね」
「あそこもピンク色で、とろとろでとてもきれいですよ?」
安堂のボソボソと優しい、低い声が聞こえる。膝を立て、四つん這いでお尻を突き上げると、鏡台の鏡には赤江と安堂が上と下からと私を挟み込んでいる姿が見える。手探りでもう一本の黒光りする太い陰茎を手に取ると、赤ん坊のがに股に足をひろげ白濁した粘液が縁にまでまで溢れかかっている。それを塗り付けてもう一つの穴に突っ込んだ。
「ぐぁぁ~」
頭の中で何かがはじけ、目の中でチカチカと光が前後左右に飛び散る。
そう、はじめて知ったこの感覚。背中からニコニコと優しく笑う赤江の陰茎が肛門を貫き、連結して下から私を串刺しにしているのは安堂だ。二本の男根が私のからだの奥の奥、皮一枚で繋がっている。
あの日、仰向けに倒れ込んだアンティの、いつもの冴えない灰色のスラックスは、前面がくっきりと陰茎の形に膨らんでいた。アンティのって大きいのかな。いつもの温和な表情とは違う、どこか怒っているような冷たい目。もう一度、レイプされるなら安堂がいい。ドンドン、ガンガンと全身の骨に響くくらい強く打ち付けられ、その振動が身体の奥の奥にまで響いてくる。もっと強く、もっと激しく、アンティになら何度でも、何度でも無理やりに犯されたい。
背中に赤江を残したままで、安堂のペニスにしゃぶりつく。唇でしゃぶりまわし、横笛のように舐め上げながら、喉奥までいれて首を前後して抽挿を繰り返す。
「アンティ、気持ちいい? 美奈のどこが気持ちいい?」
ズボスボと音を立てて安堂の太い陰茎が抜き差しされる激しさが増していく。
そう言えば、昔、田舎のお婆ちゃんの家で、大きなカエルが仰向けのまま干からびていた。今のわたしによく似ている。そのままの姿勢で一番太い男根を握りしめ、歯を食いしばりながら抽出を繰り返す。陰部を突き上げながら、赤くなるまでお尻を叩き続ける。
「アンティ、嘘つきのわたしを許して~。もっと美奈をついてぇ。罰してぇ~」
男根が私の中で根元からポキリと折れるまで、快楽にもだえ続ける。
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