◆フェレンス・クラウゼヴィッツ・ウェルトリッヒ
故国・シャンテの生き残り。
《千ノ影》を宿す男。
錬金術、魔術、魂魄召喚、禁呪とされる魔導兵召喚術を扱う。
戦犯として裁かれるも、失われし禁断ノ翠玉碑(エメラルド・タブレット)のありかを突き止める事を条件に恩赦を受けた帝国魔導師。
アルシオン帝国軍管轄下、高等錬金術師団所属。特務士官。
訳あって薄情者と言われがち。感情に乏しい。自覚はしている。
交友関係にある者への誹謗中傷だけは論外。そうと知れば制裁を躊躇わない。
◆カーツェル・D・アード・ランゼルク
アルシオン帝国、公爵家子息(次男)。
幼きに母失踪。父、ハインリッツェ・A・ヴァート・ランゼルクは帝国軍大佐で婿養子。宗家、家長は存命していた祖父。そのために身内の権力闘争を見聞きし育ち、一族を嫌悪するようになった。
父を尊敬し、文武とも好成績。だが言行は粗暴で捻くれ者。しばしば父と作戦を共にしていた異端ノ魔導師に漢惚れし、『いつかは部下にしてやる』などと言って付きまとう。散々無視されるも諦めなかった。フェレンスの悪口等耳にすると黙ってはいられない。喧嘩の売り買い過剰で問題児リスト入り。
士官学校卒。
彼には救いたい人がいる。フェレンスが蔑まされながら孤独に生きる姿を見るのも嫌。しかし傍にいれば陰謀に巻き込まれ命が危うい。フェレンスに避けられ続けた彼が思い至った解決法は... 彼と禁断ノ契約を交わし、絶対服従の《魔導兵》となる事。
◆チェシャ
フェレンスとカーツェルの前に突如として現れた謎の少年。
訳あって上手く会話する事が出来ない。舌っ足らずの片言。
血に驚異的魔力を宿す。その等級は二等:紅玉(ルベウス)、もしくはそれ以上。
フェレンスの魔ノ香(マノカ)に惹かれ懐いた。
魔ノ香とは。特異血種とみなされた者の血に宿る魔力と、それに伴う瘴気の醸す香り。
魔物(キメラ)や、等しい存在にしか認識できないはずのもの。
◆アレセル
クロイツの実弟。だが腹違い。
実母は娼婦で霧ノ病を発症し討伐された。
義母を尊敬し、子として愛し愛されたが、またしても霧ノ病で失う。
人の心を失いかけた当時、闇魔術に手を染めるもフェレンスと出会い更生。
以来、彼の愛はフェレンスに向く。人脈の形成、諜報力に秀でる。
◆霧ノ病
心身が麻痺していく病。
発症し悪化すると身動きもせず、飲食すらしなくなり衰弱。
冥府ノ霧とは、悲しみ、怒り、妬み等、人を惑わす負ノ思念。
霧は欲を喰らい、無我ノ境地へ誘われた者は無垢なる狂気を発症。
やがて魔物(キメラ)化する。