第6話 『宗教論 − 四国神物語 − 』 (たぶん高一時点でのメモ。)

文字数 1,617文字


 昔々、現時点(つまり、私がこの雑文を書いております、地球第4文明期も5000年にさしかかろうという時代)から、はるか時を遡り、地球の海にまだ最初の蛋白質が生まれていなかった頃の事ですが、現在我々が宇宙神(オーバーロード)と呼び慣わしている超越存在者【エル・クュルム・アステトラマ】=彼岸より来る者=は、その子らでもある、女神ラインシエネソラルト、その弟(おと)グアヒギルグ神、またこの二柱の双子の姉弟神、女神マリアヌドライム、男神アステロイティカ、以上四柱の神々に対して、それぞれの【国】を治め統べることを許されました。ただ、末のアスロイティカ神のみは未だにその資格の有る無しが明確ではありませんでしたので、彼には自分の【領地】である銀河系島宇宙の星々の一つ、《青い星》(ティカース)をお与えになり、姉・兄たち三神には、幾つかの並行世界とその星との接点に【国】を築き、出来上がった順に4つの国々の間に橋を架け渡すようにと命じました。これが我々の血統の大本を構成することとなりました四国の、ことの起こりとなります。

 さて、その四柱の神々のうちの長子、ラインシエネソラルト神、またの名を女神リーシェンソルト、彼女は丁度、地球の月の内奥に接する【閉じた球】内の《虹色の光彩》(エルーシャムーリア)に居を定め、絢なす雲の中に雲上人(エルシャマーリャ)の城を築き上げて、そこを極究殿と致しました。
 また逆に次子グアヒギルグ、またの名を男神ガルギンは、地球の奥部につながる【閉じた球】を《岩洞》(ボルドガスドム)と名付け、思いつくままの様々な人型を造って生命を吹き込み、その者たちは不毛の暗い地に石の城塞を築き上げました。
 そうして次なるマリアヌドライム神、またの名を女神マリアンドリームは、地球の面へとそのままつながる【平面】《大地の国》(ダレムアス)に小王国を営み、残るはその双子の弟アスロイティカ、またの名を男神アスールの【開いた球】《テイカース》のみとなったのです。

 しかしアスール神は【国】の基(もとい)である人間を作ろうとはせず、ぶらぶらと山を造ったり川を埋めたりして過ごしているうちに、ある日うっかり流した血の一滴を受けて、海の娘アリティクティカの涙から生命がひとりで誕生し、なおもアスールが泥遊びに耽っている間に、《それ》は成長を遂げて、遂にヒトの姿をしたものとなりました。
 まだ神たるに資格の足りない海の娘が、陸に上がってしまった子どもらの面倒を見切れずに夜な夜な泣きくれている姿に気がついた二柱の姉神がアスールをたしなめても効果は無く、むしろ彼は兄神ガルギンの唆すままにますます悦楽に耽るようになりました。

 その頃に《地球》(ティカース)の人々が住んでいた土地の名前を《ム》と言います。これは大陸の名前が《ム》で、人々の都の名前もまた同じものでしたので、女神リーシェンソルトとマリアンドリームは、それぞれに在地球神殿を建て、海母アリティクティカの願いを聞き入れて、弟の民人たちにそれぞれが科学と魔法を教えるよう、自分の手足でもある他の神々や、精霊・妖精、その他の《力ある者たち》を大勢、《地球》の国へ送り込みました。

 異変が起こり始めたのは、兄神ガルギンが道を外れて姉神リーシェンソルトを恋慕するようになってからの事で、またガルギンは同時に、もっとも激しくリーシェンソルトを憎んだのでした。

 求愛をはねのけられて傷ついたガルギンは、ために自分の兵達を繰り込ませて、戦いを知らな過ぎたエルシャムリアの民を、一夜のうちに攻め滅ぼしてしまい(※)、最愛の姉を奪われた怒りから、女神マリアンが兄神を撃ち倒し、その後、アスール神の圧政に耐えかねた《地球》の民が集結して《神》を殺した事により、四国神の時代は終わりを告げました。

(※ この事は後に語り継がれて、今日ではこの話はレムリア大陸として我々(地球)の民の記憶に留められております。)

  

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