第68話 『 皇白都 ルア・マルライン について。 』 

文字数 1,199文字

(@高校授業中?)


 
 東西分裂期後、東(正統 =ミア・スメル= )皇朝によって建てられた新興の皇都(ルアーイン)である。《美(うるわ)しの白き都》として知られ、《平和》また《無欲》を象徴する知神(セトライム)ヨーリャの色、白色(マリル)を基調とした、簡素な洗練された街市の景観を特徴としている。
 《美しの》を意味する接頭美辞が古代魔術語( =マリカルロク= 源言語)の《マノル》ではなしに、仙族語(エルフェリロク)系の単語(ルワ)が用いられていることからも解る通り、従来の、遷都を重ねるにつれて人族同士のみで寄り固まってしまった皇朝達とは異り、大分、上代の本来あるべき大地人(ダレムアト)の姿に近い社会形態と意識・文化とを持つ。神々や精霊族に対する自然な崇敬や畏れへの、回帰願望を持つ皇朝なのである。ある意味で文明復興期(るねっさんす)と言える。
 街道を整備・再編して《白き皇の道(ミア・マリルテオダ)》を定め、次第に分散しつつある国同士の交流をはかり、大地の民としての失なわれつつある家族意識を掘りおこそうとつとめた。広域簡での商業活動を奨励し、ティクタース領邦国人の便宜をはかり、定期的隊商や飛脚制度をおこした。また、各宮廷が必ず1人2人のホットライン的伝令の役割をつとめる翼人族や飛仙を住まわせる慣例が一般的になったのも、この皇朝に入ってからであった。
 
 白都(マルライン)そのものは随分小規模で質素な京(みやこ)である。大地の背骨山脈から派生した丘陵地帯の末端がぽつんとひとつ平原部に飛び地したような形の、名も無い双丘を中心として築かれ、土台及び沿道施設には白石と白沙が、建材には白木が主として使われている。白亜大理石や金銀装飾はほとんど見かけられない。
 2部に大別され、丘をとりまく平野部に広がる町並では商業と手工業が主な産業である。沿海・ティクト・北方諸国と西方や森林国家群との接点として常設市や加工業種が賑わい、文化交流につれて当然歌舞音曲、芸術の類にたずさわる人種も多い。各国の王太子たちが若さにまかせて遊学しに来てはハメをはずす。芸術系の学問と商いと外交……はっきり言ってここはコミュニケーションの都市なのである。人々は皆開放的で明るい。太っ腹で、物に動じず、非常に視野が広い。喧嘩っ早くはあるが戦士では決してなかった。
 白都の庶民達および周囲に広がる皇家直轄領を統べるのは、代々の皇の従兄弟である聖白都公の役割である。 →
 
 
 
 

炎色(マトル)>オレンジ系赤色。/紅。黄金、(銀)、黄。
聖色(マリル)>白。/青、水色、炎銀色、(銀)、紫、光。
森色(メアル)>緑。/茶、黒、灰、etc.。

☆養蚕と絹について資料集めること。
 
 
 
美 マノル>豊壌。女性美の豊かさ。(大地的母性の発現として)。
  ルワ >崇高。気高さ。女性美(しばしば無性)の気品。
      (精神的理知の発現として)。


 

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