第3話 『上古神代』 (1995/07/13記) 

文字数 536文字


☆上古神代についての後代の記述

 後に語られる四界神話時代よりさらに遡るものとしての上古神代について、最も長い間、多くを語り伝えたのは大地世界である。

 そのかみ、光り輝く広大なる《聖内界》 − シンシャリティ − に数多の若い神々がより集い、さらなる高みを目指しての研鑽に互いに励んでいたと言う。神々の中でも更に高位なる上古神(ワ・マ)により、特に秀でたる四つ柱の高貴なる神々が選び出され、その神々のもとにそれぞれの界を司る下位神・精霊らがより集って、姉弟界である四界、すなわち内球界エルシャムリア、洞内界ボルドガスドム、大地界ダィレムアース、球地界ティカーセラスが、創造された。

 《上古神代》と呼ばれる世界について最も正確に把握していたのは、高度な精神文化を有していた内球世界エルシャムの住人たちであるが、彼らは他の三界に対して伝承を残すことなく滅亡した。従って、その詳細は残る三界の後代に知られることなく、誤伝と幻想とによる様々な物語=神話が生まれ、各種の芸術の素材となった。
 とりわけ、四界交流時代の史実と、その後の空想とが混同された結果として成立した、球地世界ティカスにおける複数の【唯一絶対の神】の創作などに、その例は顕著である。

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