第22話 終の住処

文字数 400文字

 長男に渡した住処。
 二男に渡した住処。
外輪のみか知らない人は、私が長男に追い出されたと言う。
内輪を知っている人でも、私が二男に追い出されたと。
やめてほしい。追い出されるほど、私は柔じゃないわ。
笑いながら、ご機嫌よろしく、おんでて行ったのよ。
 交通の便はよし、風はほしいままに通り、日当りは抜群。
改造したいとろがあるが、ちょと悲しいことに、ここは賃貸である。

二男の家の道路を隔てた先に小屋がある。
最初は庵として使っていたが、今や本も断捨離できない衣類や
ミシンも、居座っている。
 家からバスで4停留所目である。
 お茶だけ持って2時間、ミシンを踏んで来た。

小屋の周りは草と花で混沌としている。
 主が変わっても二年草や多年草は、季節が来たら、
花を咲かせている。自然の伸びる力の不思議さよ。
 
 今日も元気でよく動いて、よく食べた。

 あさ、これから江戸川乱歩、受賞作
 北緯43度のコールドケースを読み上げよう。



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