第13話 お釣りの人生

文字数 362文字

 既にす述べている通り亡夫は特攻隊の生き残りで
彼は、私の小学生のある時期、担任の先生であった。
亡夫だけでなしにお釣りの人生を、生きている人がいた。
死に損なった命だから、どっちに転んでも大差ない。
それなら、ケセラセラ、短くてよい。好きに生きるんだ。
亡夫を間近に見てお釣りの人生とは、
そんなものと私は合点していた。

 ところがである。ある大賞を取ったKさんは、著書の中に
4度の手術と2度の命の危機から脱したことは生死感を変えた。
「幸せを感じた時にはその幸せのおつりを世の中に返したい」
花を愛でる人にはその種を、動くに不自由な人に出会えば、
そっと手を、幸せのおつりは何処にでもある。と述べている。

 心の持ちようでおつりも、千差万別あり、目から鱗だ。
 私も生かされた90年のおつりを、何に使おう。
 それは1日1善に通じるのではないか。

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