第26話 どんより……

文字数 901文字

 父の状態が分からなくなりました。

 前回の投稿から数日経った今、私の気分は、その辺りからずっと

し続けている。とりあえず毎日のルーティンは身体が覚えているらしく、生活に支障はない。だが、思考はまるでダメだ。新しいこと、ちょっとした計画などを考える気力がない。こうして投稿出来ているのは
『前回の投稿から、数日経ったな……これ以上空けると書くとこを忘れそう……』

と身体が覚えていてくれるからだ。私は覚束ない頭で、今の姿をタラタラと書いている。

 父は少し持ち直した。もちろん喜ばしいことなのだが、釈然としない。毎日のように、電話をかけてご機嫌伺い。

①「調子はどう?」

「良くないわー。ほとんど食えん。今朝なんかゲェーっとなっちゃって」

②「調子はどう?」

「良くないわー。ほんでも、液体(飲み物)とお粥を三口くらいは食べたかな」

③「調子はどう?」

「あんまり食べれんから、明日Aさん(弟嫁)に頼んで、病院で点滴打ってもらおうかと思って」
(だが、翌日は回復したのか病院へは行かず)

④「調子はどう?」

「なんか、入れ歯の調子が悪くてさー。Aさんに歯医者へ連れて行ってもらおうかと思って」

 歯を使うような食事が出来ないのに歯医者へ行くと言う。さすがに突っ込みたくなったが、一時は逝ってしまうかもと思った父には言えなかった。とは言え、どのタイミングで父は入院することになるのか。こんなやり取りがいつまでも続くとは思えない。私は電話で様子を伺っているだけなので、同居している母や弟夫婦に比べたら、苦労などとは言えないが、

なのだ。

 両親が存命している私にとって、どちらかが逝った時が1番近しい肉親を初めて失った時になる。アラ還の私の周りは大方片親の人が多く、アラ還前に親を亡くした経験がある。皆、口を揃えて『あの時、ああすれば良かったと言う気になる』と言う。父を介護して少なくとも3年以上は経つ。母に至っては軽く10年を越える。私はやるだけのことはやった。少なくとも私の病を知らせないことで、負い目なく過ごせてもらえたことだけでも、良かったと思ってくれればと願う。

 とにかく今は、どんよりどんよりどんより……です。



 
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