第9話 夫の誕生日

文字数 851文字

 全国的な雪景色。喜んでばかりはいられません。ご自愛ください。

 ホワイトクリスマスで、土曜日で。いつもよりテンションが上がる人が多いのでは?私は……夫と結婚してから12月24日をクリスマスイブとして捉えたことがない。勘のいい方ならお分かりだと思うが、この日は夫の誕生日。毎回頭を悩ませるのが、ケーキのこと。この日、まともな誕生日ケーキを置いている店があったら教えてほしいものだ。

 すでに投稿で散々書いてきた冷戦。私の投稿を読んでくださっている人なら説明するまでもないが、とにかく私は長きに渡り夫と冗談を言い合えない夫婦として結婚生活を送ってきた。が、今年に入り、その状況が少しずつ変わってきたことも折々で書いてきた。とは言え、今も冗談を交わすことなどは無いが。

 そんな夫婦でも結婚当初から続けてきたのが、お互いの誕生日と結婚記念日のお祝いだ。今年の結婚記念日は北海道へ行ったが、旅行は初めてのことで、いつもは少し華やかな夕食(自宅で)にワインを付けるくらいのもの。そして誕生日のお祝いは少し華やかな夕食(自宅)にケーキを付ける。子どもたちが社会人になってからは、ケーキは子どもたちが買ってきてくれることが増えた。

 私たち夫婦は、お互いの意志を短い会話で読む術を身に付けてきた。そうなったのは夫の性格に由来するところが大きい。男の人にありがちかもしれないが、夫はダラダラと説明されるのを嫌う。何をどうする。だからこうする。修飾語や形容詞が入ると話が長くなるから、要点だけをポンポンと伝える。長いか短いかは夫の顔色で判断出来る。コミニュケーションとは無縁の会話。用件のみを伝え合う。子どもたちにはどう捉えられていたかと思うと胸が痛い。数年も経つと短い会話でもその奥に潜む感情を理解出来るようになった。

 だからお互いの誕生日には、暗黙の了解で、邪魔せず、心地いい時間を過ごしてもらう為の配慮をする。平たく言えば、今日の夫は王様で私は家来。いつものことか!

 今年のケーキは冷凍可能な物を前もって購入しました。

 
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