2-6 SKD 松竹少女歌劇団

文字数 369文字

さて、松竹少女歌劇団がいつから国際劇場の花になったのかは知らないが、私も六区通いの中で時々行ったものである。

年を取るに従って、段々とその魅力に引かれ虜になっていった。その発端はあの東京踊りである。あの大舞台のどんちょうが暗転した客席と舞台の間を上っていく。

「・・東京踊りはぁヨオイヤサー・・」の踊り子全員の声。

そして、ありとあらゆる照明が一斉に灯る。

見事に着飾った踊り子が、中央・ソデ・花道・オーケストラボックス前のせり出しに並び、明るくなった場内は本当に夢の世界となる。

その頃から私の追っかけが始まり、数ヶ月続いた。小僧の分際で、新宿松竹迄行った。小月冴子の時代。特に好きだったのは星光子という踊り子だった。

倍賞姉妹は、ずっと後のスターだったと思う。

その舞台であった国際劇場は今は浅草ビューホテルである。
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登場人物紹介

時は昭和の始め。

貧乏ではあるが東京の下町で活き活きと生きている少年がいた。

名前はのぼると言う。

のぼるが駆け抜けた昭和という時代とはどんなものだったのだろうか。 

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