2-22 青春(その3)

文字数 272文字

終戦、転職、祖父の死、大火事、複数の女性との恋愛、こうした俺の青年期の終着点が近づいてきた。

それは、祖父の葬儀の時に愛知から出て来た、今は亡き父の妹で私の大切な肉親である叔母が帰り際に残した言葉にあった。

「身体がちょっと弱いけど、いい娘がいるんだけど。のぼるがもらってくれると、東京へ来ても気を使わずにすむんだけれど。」

その時には何とも思わなかったのだが、先の大火事によって現実のものとなるのである。

俺の青春の血をたぎらせた娘達との恋愛ゲームもいよいよ終止符を打ち、生涯の伴侶となる女性とのロマン一筋になっていくのである。
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登場人物紹介

時は昭和の始め。

貧乏ではあるが東京の下町で活き活きと生きている少年がいた。

名前はのぼると言う。

のぼるが駆け抜けた昭和という時代とはどんなものだったのだろうか。 

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