第18話 闇冒険者ギルドの受付係
文字数 1,606文字
そういうわけでアラタは、魔道具屋の店主の紫スライムのおばさんから聞いた場所へ向かった。
魔道具屋からさほど遠くない場所である。
闇冒険者ギルドは増築を重ねた建物の二階にあった。
薄汚れたドアを開けると、受付に教育係のスライムさんがいた。
は? 教育係のスライムさん?
「げっ! アラタ! 何しに来たッスか?」
「いやいや、何しに来たっスか? じゃなくて教育係のスライムさんこそ、ここで何してるんですか!」
「何もしてないッス!」
教育係のスライムさん、嘘はいけないですよ! アラタは問い詰めて白状させた。
聞くと、教育係のスライムさんは休みの日に闇冒険者ギルドで受付係のアルバイトをしているということだった。
「アラタさん、お願いですからギルド長には言わないでくださいっス」
「それは、教育係のスライムさん次第ですね」
「ギルド長にばれたらクビになるっス。
わたしにはまだ幼い子供がいるっス。
アラタさん、何でもしますからギルド長には言わないでくださいっス」
(教育係のスライムさん、子供がいたんだ。
それはともかく、何でもしますと言いましたね。)
「教育係のスライムさん、僕は冒険者になりたいのです」
「昨日もそんなこと言ってましたね。しかし法律違反っスよ、やめておいた方がいいっス」
「教育係のスライムさん、僕は法律違反なんて構わないのです」
「そうっスか。どうなっても知りませんよ」
わたしは本当に知りませんからねと言いつつ、教育係のスライムさんは冒険者になる手続きをした。
これでアラタも晴れて冒険者だ。
「それでですね、僕は自分のステータスを見たいのです」
「そしたら、そこのステータス判定機の中に入ってくださいっス」
ステータス判定機? 見ると大きな壺がある。
「この大きな壺のことですか? コマンド魔法〔ステータス〕で見れないのですか?」
「コマンド魔法は正規の場所でしか使えないっス。ここで使うと闇営業がバレるっス」
そうなんだ。
アラタはステータス判定機なる大きな壺に入った。
すると大きな壺は一枚紙を吐き出した。
ああ、この紙に僕のステータスが書いてあるのだな。とアラタは紙を拾った。
〔 名前:アラタ・アル・シエルナ 冒険者ランク:E 備考:職人スキルがあるかも 〕
ええっ。アラタはちょっとガックリした。
(『備考:職人スキルがあるかも』というのが意味不明ですけど、正直、マルコ先輩より実は上なんじゃないかって期待していたんですが。さっきもクロノ鴉の矢をたやすく避けれましたし)
「冒険者ランクはEっスね」
「この壺、壊れてませんか?」
「壊れてないっス。最新式でスっし」
(マルコ先輩に言うのはやめとこ。絶対馬鹿にされるから)
「Cくらいあるんじゃないかって思ってたんですけど」
「それはよほど才能のある人の場合ですっスね。
たいていの人はEランクからっス」
「頑張ってランク上げてくださいッス」
「は、はい......」
教育係のスライムさんは「ああ、それから」と言って、アラタに小さな壺を渡した。
アラタは「この小さな壺は何ですか?」と聞いた。
「通信機っス」
「通信機?」
「そうっス。その壺を通してクエスト依頼がいくっス。
それからランクが上がるとその壺が教えてくれるっスよ」
(ちょっと待ってください。クエスト依頼って何ですか?)
「ここの冒険者ギルドは、ギルド員にその壺でクエスト依頼をしているっス」
「じゃあ、登録抹消してください」
「ダメっス。一度登録したら抹消はできないっス。
クエスト依頼は自分のペースでやればいいっスから大丈夫っス」
自分のペースでっていつやればいいんですか? とアラタは聞いたが、教育係のスライムさんは、ギルドの定休日にやればいいっスと言った。
魔道具屋からさほど遠くない場所である。
闇冒険者ギルドは増築を重ねた建物の二階にあった。
薄汚れたドアを開けると、受付に教育係のスライムさんがいた。
は? 教育係のスライムさん?
「げっ! アラタ! 何しに来たッスか?」
「いやいや、何しに来たっスか? じゃなくて教育係のスライムさんこそ、ここで何してるんですか!」
「何もしてないッス!」
教育係のスライムさん、嘘はいけないですよ! アラタは問い詰めて白状させた。
聞くと、教育係のスライムさんは休みの日に闇冒険者ギルドで受付係のアルバイトをしているということだった。
「アラタさん、お願いですからギルド長には言わないでくださいっス」
「それは、教育係のスライムさん次第ですね」
「ギルド長にばれたらクビになるっス。
わたしにはまだ幼い子供がいるっス。
アラタさん、何でもしますからギルド長には言わないでくださいっス」
(教育係のスライムさん、子供がいたんだ。
それはともかく、何でもしますと言いましたね。)
「教育係のスライムさん、僕は冒険者になりたいのです」
「昨日もそんなこと言ってましたね。しかし法律違反っスよ、やめておいた方がいいっス」
「教育係のスライムさん、僕は法律違反なんて構わないのです」
「そうっスか。どうなっても知りませんよ」
わたしは本当に知りませんからねと言いつつ、教育係のスライムさんは冒険者になる手続きをした。
これでアラタも晴れて冒険者だ。
「それでですね、僕は自分のステータスを見たいのです」
「そしたら、そこのステータス判定機の中に入ってくださいっス」
ステータス判定機? 見ると大きな壺がある。
「この大きな壺のことですか? コマンド魔法〔ステータス〕で見れないのですか?」
「コマンド魔法は正規の場所でしか使えないっス。ここで使うと闇営業がバレるっス」
そうなんだ。
アラタはステータス判定機なる大きな壺に入った。
すると大きな壺は一枚紙を吐き出した。
ああ、この紙に僕のステータスが書いてあるのだな。とアラタは紙を拾った。
〔 名前:アラタ・アル・シエルナ 冒険者ランク:E 備考:職人スキルがあるかも 〕
ええっ。アラタはちょっとガックリした。
(『備考:職人スキルがあるかも』というのが意味不明ですけど、正直、マルコ先輩より実は上なんじゃないかって期待していたんですが。さっきもクロノ鴉の矢をたやすく避けれましたし)
「冒険者ランクはEっスね」
「この壺、壊れてませんか?」
「壊れてないっス。最新式でスっし」
(マルコ先輩に言うのはやめとこ。絶対馬鹿にされるから)
「Cくらいあるんじゃないかって思ってたんですけど」
「それはよほど才能のある人の場合ですっスね。
たいていの人はEランクからっス」
「頑張ってランク上げてくださいッス」
「は、はい......」
教育係のスライムさんは「ああ、それから」と言って、アラタに小さな壺を渡した。
アラタは「この小さな壺は何ですか?」と聞いた。
「通信機っス」
「通信機?」
「そうっス。その壺を通してクエスト依頼がいくっス。
それからランクが上がるとその壺が教えてくれるっスよ」
(ちょっと待ってください。クエスト依頼って何ですか?)
「ここの冒険者ギルドは、ギルド員にその壺でクエスト依頼をしているっス」
「じゃあ、登録抹消してください」
「ダメっス。一度登録したら抹消はできないっス。
クエスト依頼は自分のペースでやればいいっスから大丈夫っス」
自分のペースでっていつやればいいんですか? とアラタは聞いたが、教育係のスライムさんは、ギルドの定休日にやればいいっスと言った。