第16話 怪談雑談体験談

エピソード文字数 2,117文字

よし、ろうそくを付けて、と…。
みどり、部屋の電気消してくれ。
はーい。
部屋の電気が消され、明かりは一本のろうそくの火だけとなった。
わあ、雰囲気でますわね。
さて、何をするかは…わかっているな?
怪談話をしようじゃないか…。
なんでわざわざ夜にやるんですかー。
昼にやっても面白くないだろぉ?
そりゃそうですけど…。
外も真っ暗なのでさらに怖いんですよぉ…。
まぁまぁ、そんなこと言わずに。
それで、誰からいきます?
ん~じゃあ、みどりから。
え、わたしですか?
そう。
えっと、じゃあ…
ある男の人が、夜に帰ろうと、人が少ない道を歩いていました。
すると、道の端で泣いている女の人がいました。
うん。
気になった男の人は、「どうしましたか」と、女の人に話しかけました。
振り返った女の人の顔を見ると…、なんと目や鼻がなかったのです!
うん?
驚いた男の人は慌てて逃げ出します。
すると、目の前にラーメンの屋台がありました。
男の人は屋台に駆け込み、店の人にさっきのことを話しました。
店の人は男の人を見て言いました、「その女の人、こ~んな顔でしたか?」って…
ちょっと待てちょっと待て。
すげーどっかで聞いたことある話なんだけど。
あっあの、それは…。
怖い話を話せって言ったから…。
確かに言ったけどよぉ、流石にその話は有名すぎないか?
ご、ごめんなさい…。
先輩、あまり責めないでくださいまし。
~~~っ。
じゃあ次エリーで。
申し訳ないのですが、間に合いませんでしたの。
あ?
考えていたんですけど、間に合いませんでしたわ。
お前…。
ま、まぁ待ってください。
だいたい一日で怖い話を考えろって無理ですわ。
中学生が大人を満足させる話を一日で考えられる方が、怖い話じゃありません?
そうですよ。
ん、そうか…。
ところで先輩はわたくしの家に来たことありますか?
あーそういえばないな。
そうですわよね…。
どうしてだ?
それはもちろん、いつかお越しになって欲しいからですわ。
内定貰ったら暇になるからその時行くよ。

あたしも行きたいし。

すんごい広いんですよ!
だろーな。
もう迷子になっちゃうくらい!
お前はもう住んで4ヶ月になるんだから覚えろよ…。
あ、でもな、
はい?
一回だけ、迎えに来ましたーって、ヘリが飛んできたことはあったぞ。
え?
いつだったかなー、たしか二週間くらい前。
わたくし、ヘリを飛ばせなんて指示したつもりはありませんわよ?
え?
というより、ヘリを動かせるのはお父様だけですわ。

わたくしにそんな指示出せませんわ。

お父さんはわたしも見たことないので、家にはいないですよ。
じゃ、じゃあ、あのヘリは何だったんだよ!?
もしかすると…
もしかすると?
わたくしの刺客かもしれませんわ。
なんだそりゃ!?
たまーに、わたくしを誘拐して、身代金を取ろうとする連中がいるんですの。
おおかた見破ってしまうのですが、まさかゆづ先輩の方にいくとは…。
おおお、恐ろしい…。
迎えに行くときは基本的にわたくしも乗りますので、間違えても乗らないでくださいね。
お、おう…。
いやいや、十分怖い話だったわ…。
さあ、最後はゆづ先輩ですよ!
あーあたしか。

じゃあ、あたしの体験談を。

怖い話じゃありませんの?
んにゃ、怖い体験談だよ。
本当にあった話なんですか!

楽しみ!

あれはたしか、12~3年前だったな。

パパが旅行から帰ってきた時だ。

魔法少女になる前ですわね。
どこから帰って来たのか知らないが、お土産でビンを買ってきたんだ。
ぱっと見中身は真っ黒なんだけど、よく見ると動くものがある。
中身、なんだったんですか?
……ムカデ。
ビンの中いっぱいに入ってたんだ。

そりゃもうパンパンに。

ひっ…!
その時はまだ大丈夫だったんだ。

こんな田舎にいりゃあ、いくらでも見るからな。

こんなもん買ってこなくても家の周りにいくらでもいるだろ、と思いながらパパにドン引きしてた時だ。

悲劇が起こった。

パパの肘がビンに当たって、テーブルから落ちて…。
あ…。
一瞬にして1階の居間が無数のムカデまみれになった。
一匹一匹が30㎝くらいあるヤツに囲まれたせいで、あたしは戦慄して動けなかったよ。

足に登ってきたのもいた。

一匹が首筋あたりまで登ってきた時にハッとして、悲鳴を上げて払いのけながら、2階に逃げたんだ。

急いでカギをかけて、そこのベッドの前でうずくまってた。
うわあ…。
しばらくして1階が静かになったから、顔を上げてみた。

そしたら目の前に…!

……その時から、あたしはムカデが大の苦手になったというわけさ。

はい、おしまい。

あら?おしまいですの?
うん、おわり。
怖いっちゃ怖い話でしたけど…、
お化けとか出てこないんですか?
でねーよ!

ってかお前らそういうの出ても怖く感じないだろ!?

でもそっちの方が面白いですわ。
面白いとかそーゆー話じゃないからこれ!
いいからこれで終わりだ!

帰った帰った!!

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……


結弦葉、どうしたのだ?

二人とも帰ったぞ?

あのな、こんなこと言いたくないんだけどな…
自分が話した事で腰ぬかしちゃって、動けねえんだ…。
結弦葉、お前…。
は、はやく助けてくれ~…。
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登場人物紹介

黒嶺 結弦葉 (くろみね ゆづは)

21歳

田舎生まれ田舎育ち

魔法少女歴10年のベテラン

跡継ぎ問題に悩まされている

シャウラ

マスコットと呼ばれる白くて丸い地球外生命体

結弦葉を魔法少女に引き込む

渋い声

爺さん

結弦葉の隣の家に住む老人
よく田んぼに落っこちる

黄更城 エリー  (きさらぎ エリー)

13歳

魔法少女歴4年

都会出身

超一流企業の社長の一人娘

リゲル

エリーと共にいるマスコット
若々しい男の人の声

立河 みどり  (たちかわ みどり)

8歳

魔法少女歴1ヶ月の新人

孤児

ポルックス

みどりと共にいるマスコット
落ち着いた女の人の声 

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