第23話 見慣れた駅の見慣れない顔

エピソード文字数 2,482文字

ん~~~~~~~!

おはよう!

いやぁ、清々しくて気持ちの良い朝だ!

こんな時はきっといい日に――――――――――――

!!!!
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……

やっっっっべーーーーー!!
今日は久々に学校があるんだった!

急がないと電車がいっちまう!!

はぁ…はぁ…はぁ…!
……もうすぐ駅だ!
ってもう電車来てるし!!
待って!ねえちょっと待ってってば!!
電車のドアが目の前で閉まった。
あーーーーーーーーーー!!!!
ちょっと駅員さん!

あの電車止めて!

そ、そんなこと言われましても…。
あの電車に乗らないと学校に間に合わなくなるんだよおおおおお!!
えぇ…。
嗚呼…あぁ…
次の電車は……1時間半後かぁ…。
仕方ねえや、駅で待ってよう…。
朝から騒々しいな、結弦葉。
あったりめえだお前!
久しぶりに大学行かなきゃいけないって時に電車に乗り遅れるんだから。
そうか。
てめえ聞いといてあんま興味ないな!?
ちょっと、君。
は、はいっ!
隣、座っていいかな?
あ、はい、どうぞ。
どうもありがとう。
……。(全身真っ黒で、コート着た人…つばの広い帽子も被ってる…)
(あたしとシャウラの話、聞かれてたかな?)
(いや、でも、アイツは普通の人間には見えないから、傍から見りゃあ独り言になってるのか…)
君は…
この村に住んでいるのかい?
えっ、あ、はい。

生まれてからずっとこの村です。

そうか。

でも、不便じゃないか?色々と。

まあ確かに不便っちゃ不便ですけど、その分思い入れもあるし…。
ふむ…。そうか…。
……。
(なんだこのおっさん、目立つ格好してる割には妙に存在感が薄いなぁ。それに見慣れない顔だ。)
(またオカルトマニアか?それにしては時間が早いか…。)
あの~。
ん?なんだい?
おじさんはどちらから来たんですか?
いやいや、ずっとこの村にいるよ。
えっ!?
見たことないかい?
まあ、はい…。
そうか…。ちょっとショックだ…。
あっ、ご、ごめんなさい…。
(20年以上いて一度も会わないなんてあるか?そんなに大きい村じゃないだろ、ここは。)
(な~んか怪しいなぁ…。)
……。
ちょっとすいません…。
おや?どこへ行くんだい?
あの、トイレに…。


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シャウラー。
どうした?
あのおっさん、見たことあるか?
いや、ないな。
だよなー。
お前は何か違和感感じる?
いや、そういうことは分からんのだ。
あー、そうだっけか。
なんかさー、こういうこと言うのもアレなんだけど、
あのおっさんの隣座ってるとさ、なんか肌寒くなるんだよね。

不気味というか何というか。

気温の問題ではないのか?
その線もないわけじゃないけどさ。うん、どうしよう。
電車が来るまで待つしかないだろう。
……冷たいのはお前だったわ。


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……


…あれ?
おっさんいない…。
どこ行っちゃったんだろ。まだ電車も来てないのに。
同じくトイレじゃないか?
あの駅は男女兼用トイレだからそれはありえん。
ん~…、ま、いいや。
お、やっと電車が来た。
どうせ遅刻だがな。
うるせえ!


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……


学校行ったけどやっぱり思ったことは……
家から遠い。
一番近い大学選んで行ったのに、片道二時間半とか遠すぎっしょ。
はあ~、もうすぐ駅だ~。
結弦葉。
なに?
プラットホームを見てみろ。
見てみろって、一体なにが―――――――――
!!!
なんでまた駅にいるんだよ…、おっさん…。
電車のドアが開いた。
……。テクテク
おや?君は…。
ど、どうも…。
今、帰りかい?
はい…。
外は暗くて危険だよ?
まあ、慣れてますんで…。
いや、家まで送ってあげよう。
結構です!スタスタ
(このおっさん、思ってたよりやべえかも!)
(全身黒だったから、遠くにいると景色と同化して分かんねえ…!)
とにかく、急いで家に帰ろう!
!!
カッカッカッ…(革靴の音)
なんで…前から来るの…?
遠回りして行こう!

どうにかしておっさんを撒く!


……

はあ…はあ…はあ…!
どこへ行ってもあの革靴の音が聞こえる…。
今度は右側からだ…。
おいシャウラ!
なんだ。
あのおっさんの場所、特定できないの!?
しようとはしているんだが…、
できない。原因は不明だ。
この野郎!無事に帰れたらぶん殴る!!
あああ、こんなことしてるうちにもおっさんが!

早く逃げないと!!

次は左から…。
このまままっすぐ進めば…!
!!!
……。
もう…嫌だ…。


……

もう…どれくらい経ったんだろ…。
この辺をずっとウロウロし始めてから…。
結弦葉、後ろ。
へ?
「」
うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
結弦葉は全速力で駆けた。
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
はあ…はあ…、あれ?
家の前だ…。
やっと…着いた…!
ただいま~!!


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あれ以来、おっさんと出会うことはなくなった。

ばあちゃんに聞いても、そんな奴は知らんと言われた。

なんだかスッキリしないで終わってしまったが、まあ、もう経験したくないね。


数日後


今日は余裕持って駅に着いたな。
流石に面接の時は早起きするさ。
ん~~!電車の中で思いっきり寝るかな!
ほら、電車が来たぞ。
わーってるよ!
……。
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登場人物紹介

黒嶺 結弦葉 (くろみね ゆづは)

21歳

田舎生まれ田舎育ち

魔法少女歴10年のベテラン

跡継ぎ問題に悩まされている

シャウラ

マスコットと呼ばれる白くて丸い地球外生命体

結弦葉を魔法少女に引き込む

渋い声

爺さん

結弦葉の隣の家に住む老人
よく田んぼに落っこちる

黄更城 エリー  (きさらぎ エリー)

13歳

魔法少女歴4年

都会出身

超一流企業の社長の一人娘

リゲル

エリーと共にいるマスコット
若々しい男の人の声

立河 みどり  (たちかわ みどり)

8歳

魔法少女歴1ヶ月の新人

孤児

ポルックス

みどりと共にいるマスコット
落ち着いた女の人の声 

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