第34話 休みボケ

エピソード文字数 2,420文字

ぼーーっ
だ…大丈夫ですか?
んー、だーじょーぶー。
みどりさーん。

ちょっとお願いが――――

…。
……?
みどりさん!
…はーい。
聞いていますの!?
聞いていますよぉ~。
…もうっ!
年が明けてからずっとこんな感じですわ!

一体どうしちゃったんでしょう…?

お邪魔しまーす。
!!
先輩!来てくれたんですね!
お、エリー、あけおめ。
明けましておめでとうございますわ!
正月はゆっくりできたか?
はい!ただ…、
ただ?
みどりさんが…ちょっと…。
正月ボケとか?
あー、そんな感じですわ…。
正月ボケで先週サボった作者の被害者がここにもいたか…。
魂が抜けちゃったみたいになっちゃいまして…、どうにかなりませんの?
…ちょっと見てくるわ。


……


おーい、みどりー。
ぼーっ
ありゃー、これはこれは…。
おい、大丈夫かー?
はーい…。


―――――って、ゆづ先輩!?

おおおおおお久しぶりです!
おう、あけおめ。
あけおめです…。
正月ボケがやばいらしいな。
んー、すごい頭がボーっとするんですよね~…。
うん、休みすぎだ。
でも、冬休みってそんなにないですよね?
お正月にすごいダラダラしてたからですわ…。
だって…。
依頼とか来なかったのか?
少しはあったんですけど…年末ほどじゃなかったですわ。
なるほどなぁ…。
ゆづ先輩。
ん?
お年玉…ないんですか?
んぐっ
エリー先輩はくれましたよ。
えーとだな、あたしは…その…
結弦葉、依頼だ。
ナイスタイミング!
エリー、依頼だよ!
え、わたくしもですの?
みどりさんにも来てますよ、依頼。
えっ!?
三人同時とは、珍しいもんだな。
あたしの行く場所は?
駅の南口だな。
こっちもだよ!
こちらもです。
ってことは、三人に同じ依頼が来たってことか?
そう…だな。
そんなことあるんですわね。

あたしも初めてだ。

とにかく二人ともいこうぜ。

ほら、はやく支度しな。

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……

ふああ~あ。
真っ昼間から大きなあくびをするなんて、みっともないですわ。
眠たいんですよー…。
エリーはならなかったのか?
わたくしは常に規則正しい生活を心がけておりますの!

だからこのような怠惰とは無縁ですわ!

お、おう…。
結弦葉、あの人だ。
え?
……ボソボソボソ
…ボソボソ
うおお…なかなか貫禄ある人達だ…。
やあ、やっと来たか。

君らが運び屋の三人だね?

え!?
しかし思っていたよりずっと幼いな…。
子供に運ばせればバレにくいってことだろ。
なるほど、ボスも考えたものだな。
君たち、早速だがこれを運んでほしい。

そこまで重くないから、三人で分担してくれ。

は、はい。
(2、3㎏くらいでカバンに入るくらいの大きさの箱が3つだ)
隣街にある神社の裏に受取人がいる。そこまで頼む。
あの…これ、何が入っているんですか?
…知らない方がいいんじゃないかな。
そろそろ出発してくれ。

三人とも、よろしく頼むよ。

い、いってきまーす…。


……


おいシャウラ!
む?
てめえなんでこんな危ない仕事を選んだんだ!
普通の女子小学生でも安全にこなせるレベルしか依頼として来ない、って言ったよな!?

じゃあこれはなんだ!度が過ぎるぞ!?

…結弦葉。
恐らく、上層部にお前の存在がバレたのだろう。

だから少しレベルの高いものでも、なんとかこなせるだろうと踏んだのだ。

あたしは構わん!だがこの巻き込まれた二人はどうなんだ!?

みどりなんてまだ8歳じゃないか!

……。
へっ!てめえらの上層部とやらも自分らの都合しか考えてねえな!
せ、先輩…。
エリー、みどり、この依頼が怖かったらすぐに帰っていいぞ。
わ、わたしは大丈夫です。
わたくしも…。
……。
あっ!待ってください!
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……


隣街ってぇのは、ここから先だ。
神社の裏…ですわよね。
先輩!スーツ着たすごい胡散臭い二人がこっちに向かってます!
なにぃ!?どうしよう…隠れるところもないし…。
よし、お前ら、透明化してやり過ごすんだ!
懐かしいですわね、その能力。
静かに!姿は見えないが声は聞こえているんだ…!
スーツを着た二人の男が横を通っていった。
ふう~。
なんとか助かりましたね。
安心するのはまだ早い。

これから刺客がどんどん増えていくと思うから、透明化しながら進もう。


……


…着いた。
これが…その神社ですの?
恐らくな。

さて、後ろに回るぞー。

思ったより道のりは危険じゃありませんでしたわね。
うん。そこは良かった。
本当はこの依頼、あまりレベル高くないのではありませんの?
どうだろうな。

そうだったらこの箱の中身を教えてくれてもいいはずだろ?

たしかに…。
先輩、人がいます。
多分この人だ。

よし、透明化解除!

すみませ~ん。
はい?


あっ、もしかして…

物を届けに来ました~。
おお!

重たいのにわざわざありがとう!

やっぱり、中身は教えてくれませんか?
ごめんね。これの中身は極秘になっているんだ。
そうですか…。
その代わり!

差出人の二人からね、運び屋の三人にこれを渡して欲しいっていわれているんだ!

これは…?
…お年玉!?
うん。

長い距離を運んでくれたお礼だ。

おじさん、ありがとうございます!
ありがとうございますわ!
一件落着…で、いいのかな?
そうだな。
今回はいい形で終わったが、もう二度とこういう依頼は来させないで欲しい。
ああ。わかっている。
-----------------------------------------------------------------------------


……


ふ~、戻ってこれた~。
疲れましたわ~。
お正月ボケもこれで治りそう―――――――――――


あっ!

ゆづ先輩、お年玉!
!!
覚えていやがったか…。
…?
……。
逃げるが勝ちだあああああああああ!!!
先輩!!待ってくださーーーーい!!!!
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登場人物紹介

黒嶺 結弦葉 (くろみね ゆづは)

21歳

田舎生まれ田舎育ち

魔法少女歴10年のベテラン

跡継ぎ問題に悩まされている

シャウラ

マスコットと呼ばれる白くて丸い地球外生命体

結弦葉を魔法少女に引き込む

渋い声

爺さん

結弦葉の隣の家に住む老人
よく田んぼに落っこちる

黄更城 エリー  (きさらぎ エリー)

13歳

魔法少女歴4年

都会出身

超一流企業の社長の一人娘

リゲル

エリーと共にいるマスコット
若々しい男の人の声

立河 みどり  (たちかわ みどり)

8歳

魔法少女歴1ヶ月の新人

孤児

ポルックス

みどりと共にいるマスコット
落ち着いた女の人の声 

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