第24話 大富豪のおうち
文字数 1,873文字
まず、名前と年齢を教えてくれるかな？
く、黒嶺結弦葉、21歳です…。
結弦葉ちゃん、じゃあ早速、開いてみようか。
い、いきなりですか？
うん。
だって、アレが欲しいからここに来たんでしょ？
ええ…まあ…。
じゃあ、やるしかないでしょ。
ほら、広げて広げて。
はい…。
『お前内定。』
いぃぃぃぃぃぃよっっっっしゃああああああああああ！！！！！！！！！！！
来た！来た！！！来たあああああああ！！！！
26社目でやっと内定貰えたぜ！！！！！！！！！！！！
うおおおおおチョー嬉しい！！！
一人で会話していると思えば、今度は騒々しいな。
シャウラ！見てくれよ！！やっと採用だぜ！！！
当人が嬉しそうなら何よりだが…、
それとさっきの独り言とは何の関係があるのだ？
ああ、あれは…その…
？
な、な、なんでもいいんだよ！！
とりあえず内定を祝おうぜ！
それはいいが、祝う相手がいないな…。
それなんだよなぁ…。
ええい！こうなったら！
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……
まあっ！ついに就職先が決まったんですの！？
おう。やっとだ。
先輩！おめでとうございます！
おう、ありがとよ。
じゃあ、まずは一安心というわけですわね。
そうだな。というかもうずっと安心していい。
先輩もこれからは都会暮らしですか？
まあ、そうだな。
実家から会社まで遠いし。
でしたら、わたくしの家に来ませんか？
え！？それは流石に悪いよ！
ちゃんと自分で住むとこ探すから大丈夫！
そうですか…。
で、でしたら、三ヶ月くらいだけでもどうでしょうか！？
えっ？
折角ですので…都会に住んでみる…というのは…どうでしょう…か？
そんなにあたしに来てほしいの？
……はい…。
うーん…。
お部屋、いっぱいあるんですよ！
そうなの？
家事も使用人にさせますわ！
いや、それは自分でやる…。
……わかったよ。お世話になるよ。
やったー！
ありがとうございますわ！
その代わり、時たま実家に戻ることあると思うから。
全然構いませんわ！
そしたら、一回戻って荷物まとめてくるよ。
自宅の場所だけ教えますわね！
かくかくしかじか…
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……
どこで場所間違えたかな…。
エリー曰く確かに家はここだが？
いや、でもさあ！だってさあ！
こんな都会のど真ん中に家がある人があるかよ！！
あっ！先輩！
マジなのか…。
来てくれたんですね！案内しますわ！
ホントにここが家なのか…。
……
なんだこの開放感のある家は…。
まるでホテルのロビーじゃねえか…。
先輩の部屋は二階ですわ。
豪華絢爛な階段だ…。埃一つない…。
ここですわ。ちなみにみどりさんのお部屋は向こうですの。
この部屋か。お邪魔しまーす。
ひ、広いなぁ。
それじゃあ、何かあったら呼んでくださいましー！
うーい。
…ふう、まずは何しようかな。
やあ！
うわあっ！
僕はエリーと一緒にいるリゲルだよ！
うん、知ってる。
実は結弦葉さんに見てほしいものがあるんだ！
見てほしいもの…？
……
これだよ！
これって…ただのエレベーターじゃないか。
家の中にエレベーターがあること自体おかしいけど。
中に入って。
おう…。
全5階で…今いるのが2階だよな？
4階に行ってほしいんだ！
4階？ポチっと。
ちなみに3階がエリーとおじいちゃんおばあちゃんの部屋。
5階がお父さんとお母さんの部屋だよ。
ん？じゃあ4階には何があるんだ？
それは――――――――――
あ、着いた。
ってなんだこりゃあ！！！
ここは黄更城家の本棚だよ！
新書から漫画まで沢山あるんだ！
うおおおこいつぁすげえや！
これ、勝手に読んでいいのか？
もちろん！
やったぜーー！！
何から読もうかな～！
……
う～ん…。
ゆづ先輩、夕食の時間なのにどこに行ったのでしょう…。
ご飯が冷めちゃう…。
リゲル、どこにいるかわかりませんの？
4階じゃないかな？
え！？あの場所を教えたんですの！？
うん。
それを早く言ってください！
ゆづ先輩みたいな人が入りますと当分出てきませんの！
先輩！ご飯の時間ですの。
おう、ちょっとこれ読み終わってからな。
やっぱりこうなるのですね…。
……リゲル。
ん？
どうして先輩にここを教えたんですの！？
それは前にエリーが
「ここを先輩に見せたら喜びそうですわ」
って言ってたからだよ。
そしたらわたくしが教えましたわ！
エリーが言ったとしても結果は変わらないよ！
そういう問題じゃあありませんの！
ガヤガヤガヤ
ガヤガヤガヤガヤ
