第109話 俺はイアナ嬢へと走り彼女を抱える
文字数 3,578文字
「……」
気がつくと俺はポゥの背中に寝転んでいた。
どうやら今は飛んでいないようだ。ほっとしながらあたりを見回す。
景色は変わっており大森林の中には違いないのだろうがもう石塚は無くその代わりに古ぼけた教会が建っていた。
所々に穴や痛みのある壁。窓は乱雑に板が打ちつけられ扉は閉ざされていた。
屋根の上にある聖印はウィル教のものではない。ただ俺のおぼろげな記憶によれば異世界の魔神を信奉する教団がこんな聖印を掲げていたような気もした。
あくまでも「気もした」ってレベルだけど。
かなり前に親父から聞いたような……いや、お嬢様からだったかな?
「ラキアさん」
先にポゥから降りていたらしいイアナ嬢が教会を見ながら、同じくポゥから降りて両手を腰に当てて背伸びしているラキアに尋ねた。
「あの教会に次の増幅装置があるの?」
「たぶんね」
腰のあたりをとんとんと叩くラキア。年寄りくさいぞ。
あーそっか、こいつ古代紫竜だもんな。何千年も生きているウルトラ級のご長寿だもんな。見た目は若くて綺麗でも中身は……うん、歩く年齢詐称だよな。
とか思っていたら睨まれた。何故バレた。
「ジェイ、お目覚め?」
「いろいろつっこみたいがとりあえず一つ」
俺は少しよろけつつポゥから降りた。起き抜けだしちょいよろけてしまうのはしょうがない。
「どうやって俺を眠らせた? 俺は致死以外の状態異常を無効にできるんだが」
ポゥに乗って移動することに拒否反応を示した俺はラキアによって強制連行されてしまった。これ酷くね?
つーか、俺眠らされたんだよね?
おやすみ、とかラキアも言ってたし。
「ジェイ、これでもアタシ一応古代紫竜なのよぉ」
ラキアがフフンと鼻を高くした。何かムカつく。
「状態異常無効を持つ相手への対抗手段くらい持ってるわよん」
「え」
何それ凄い。
でも、口に出して言うと増長しそうだから黙っておこうっと。
「わぁ、ラキアさんって商人だけじゃなくて学者でもあるんだ。通りで物知りな訳ね」
「ふふっ、もっと褒めていいのよん♪」
「……」
イアナ嬢。
またご都合主義とか認識阻害とかが働いたのか?
どうして古代紫竜が商人とか学者になるんだよ。
それに話がいまいち噛み合ってないぞ。
ああもう、これはあんまり深掘りしない方がいいな。
何だか面倒になってきて俺は話題を変えた。
「で、俺たちはこれからあの中に入るんだな?」
視線の先には廃れた教会。
扉が閉まっているがこじ開ければどうとでもなるだろう。
とか思ってたらゆっくりと開き始めた。ゴゴゴ……とか不穏な擬音が聞こえてくるよ。扉の開く音自体は何もしなかったのに。
「……」
ちょい待て。
あんな見るからに古そうな教会の扉が無音で開くか?
それっておかしくないか?
新築の教会だって音がしそうじゃないか?
じゃなくて!
廃教会だってのに誰かいるのか?
ま、まあ増幅装置の守護者(ガーディアン)がいるかもしれないんだよな。つーことは誰かしらはいるかもしれない訳で
その「誰かしら」が人間じゃないかもってのがアレだよなあ。
戦えというなら戦うけどさ。
「あたしたち誘われてる?」
「誘われてるわねぇ」
イアナ嬢とラキア。
ポゥが身体のサイズを元に戻してイアナ嬢の肩へと飛んだ。
教会から注意を逸らさぬままイアナ嬢がポゥを肩から自分の片腕の中へと移して抱っこする。ポゥポゥ鳴くポゥのお腹を撫で、表情がちょっと緩んだ。
あ、もふもふいいなぁ。
じゃなくて!
それどころじゃないよな。気を引き締めないと。
扉の奥は暗くなっていて中を窺い知ることができない。建物の規模はそんなに大きくないが妙に奥行きがあるような気がした。中が見えないのに何故そう思えたのかは謎だ。
「中から誰か出て来るわよん」
ラキアが指差す。
その言葉通り紺色の法衣を着た痩せた男が滑るように中から現れた。不健康そうな青白い肌の男だ。
髪の色は濃い緑色で髪の毛というより植物のようでもある。
て、あれうねうねとうねってないか?
身体も地面からちょい浮いてるし。
「これはこれは、当教会に訪問者とは」
男がにこやかに話してくる。
すうっと男の右肩に三角形の何かが出現した。
きらきらと水色に光る三角形だ。お嬢様が以前教えてくれた正三角錐って形だろうか。ちょい自信が無い。
一辺の長さがどれも同じで四つの面がある。水色に煌めいていて時々くるりと面の位置を変えているのだが……あれは何なんだ?
正三角錐がチカチカと点滅した。
「ヒップホップ、そういう下品なことを言ってはいけませんよ」
男が正三角錐をたしなめるが俺には正三角錐の声が聞こえなかった。つーか、あれって喋ってたのか?
「あの」
イアナ嬢が一歩前に出た。
「こちらは何を信仰する教会ですか? あたしたち他所から来たもので」
「……」
イアナ嬢。
お前、何でそんなこと訊いてるんだよ。
あいつ絶対に怪しいぞ。
「こちらは偉大なるジグ様を深く信仰する場所です。為すべきことを為せ、為したいことを為せ。それがジグ様の御教義です」
「ジグ様?」
イアナ嬢の頭に疑問符が浮かんだ。
「あたし初めて聞く名です。邪教ですか? そのジグ様ってクソみたいな邪神ですか?」
「……」
イアナ嬢。
お前、あの人にケンカ売ってるのか?
男の顔から笑みが消えた。
ゴゴゴ……という擬音がまたしているような錯覚。錯覚だよな?
「ポゥちゃん」
ラキアが俺たちにだけ聞こえる小声で言った。
「いざとなったらあなたは逃げちゃっていいわよん」
「そうね。でもその前に魔力増幅をお願い」
「ポゥ」
ポゥが片翼で器用に敬礼した。こいつこういうこともできるのか。
正三角錐が男の肩の上でくるくると回る。
男が告げた。
「我らが主ジグ様を侮辱するとは……生きて帰れると思わないでください」
「あ、そういうのはいいから」
ひらひらと片手を振ってイアナ嬢がつまらなそうに返す。
「もしかしたらウィル教の分派かなとか思ったから確かめただけだし。そうじゃないならもうあんたらに用はないわよ。だ・か・ら」
ポゥが空を舞い、光の粒子を散布する。
相変わらず光の粒子の消える早さがシビアだ。この森の影響はなかなかきついな。
「クイックアンドデッド!」
両手を腰から前に突き出す動作をし、イアナ嬢が能力を発動させる。
一瞬で光りが男の首を捉えた。おおっ、まぐれかもだがやったぞ。
切れ味抜群の光に切り落とされた男の首がコロリと本人の足元に転がる。
正三角錐がチカチカと点滅した。それが何かを言っているのか何の意味もないものなのか俺には判別できない。
ただ……。
「天の声は聞こえないな」
「そうねぇ」
「ポ、ポゥ」
俺、ラキア、そしてポゥ。
あってもおかしくない天の声によるお知らせが聞こえてこない。
俺たちの反応が期待通りでなかったからかイアナ嬢が目を吊り上げた。
「ちょっと何よ、あたしが敵を倒したんだから少しは讃えなさいよ」
「いや、そうかもしれんが」
俺。
「一撃なのは良いけどなーんか盛り上がりに欠けるわよねぇ」
ラキア。
「ポゥ」
ポゥは明後日の方に向いてしまっている。あ、こいつ逃げたな。
わはははは。
突然、男の笑い声がした。
やけにエコーがかかっている。ちょい不気味だ。
声の主は切断された男の頭だった。あれ、そういやこいつ首を斬られたのに出血してないぞ。
もしかして、こいつやばい?
「偉大なる主ジグ様に使える闇司教(ダークビショップ)のモダンとは私のこと」
頭を斬られたのに倒れなかったモダンの身体が偉そうに自己紹介した頭を拾う。
そして、何事も無かったかのように首に載せた。
正三角錐がチカチカと点滅する。
「ヒップホップ、そういう卑猥な言葉を発してはいけませんよ」
「……」
えっ、あいつ何て言ったの?
気になる。
ザクッ!
モダンの顔面に円盤が食い込んだ。
イアナ嬢が投擲したようだ。
おや? オールレンジ攻撃よりコントロールがいいんじゃないか?
ま、まあポゥの魔力増幅がなければそもそもオールレンジ攻撃もできないものな。
せっかくポゥが光の粒子を撒いてもすぐに消えちゃうし。
難儀だなぁ。
とか俺が思っている間にもう一枚の円盤がモダンの首の根元に刺さった。クリティカルヒット。
……のはずなんだが。
「それでお終いですかな?」
モダンが目を鋭くさせながら笑んだ。
ゆっくりと右手を伸ばしてイアナ嬢を指差す。
「では、死になさい」
俺は咄嗟にダーティワークを発動させた。
その身体強化を活かしてイアナ嬢へと走り、彼女を抱えてその場を離脱する。
一瞬遅れてからイアナ嬢のいた位置に地面から巨大な刺が突き出た。もしあのままイアナ嬢がいたら串刺しにされていただろう。
「……」
「……ジェイ、ありがと」
イアナ嬢の顔が引きつっていた。やむなし。
気がつくと俺はポゥの背中に寝転んでいた。
どうやら今は飛んでいないようだ。ほっとしながらあたりを見回す。
景色は変わっており大森林の中には違いないのだろうがもう石塚は無くその代わりに古ぼけた教会が建っていた。
所々に穴や痛みのある壁。窓は乱雑に板が打ちつけられ扉は閉ざされていた。
屋根の上にある聖印はウィル教のものではない。ただ俺のおぼろげな記憶によれば異世界の魔神を信奉する教団がこんな聖印を掲げていたような気もした。
あくまでも「気もした」ってレベルだけど。
かなり前に親父から聞いたような……いや、お嬢様からだったかな?
「ラキアさん」
先にポゥから降りていたらしいイアナ嬢が教会を見ながら、同じくポゥから降りて両手を腰に当てて背伸びしているラキアに尋ねた。
「あの教会に次の増幅装置があるの?」
「たぶんね」
腰のあたりをとんとんと叩くラキア。年寄りくさいぞ。
あーそっか、こいつ古代紫竜だもんな。何千年も生きているウルトラ級のご長寿だもんな。見た目は若くて綺麗でも中身は……うん、歩く年齢詐称だよな。
とか思っていたら睨まれた。何故バレた。
「ジェイ、お目覚め?」
「いろいろつっこみたいがとりあえず一つ」
俺は少しよろけつつポゥから降りた。起き抜けだしちょいよろけてしまうのはしょうがない。
「どうやって俺を眠らせた? 俺は致死以外の状態異常を無効にできるんだが」
ポゥに乗って移動することに拒否反応を示した俺はラキアによって強制連行されてしまった。これ酷くね?
つーか、俺眠らされたんだよね?
おやすみ、とかラキアも言ってたし。
「ジェイ、これでもアタシ一応古代紫竜なのよぉ」
ラキアがフフンと鼻を高くした。何かムカつく。
「状態異常無効を持つ相手への対抗手段くらい持ってるわよん」
「え」
何それ凄い。
でも、口に出して言うと増長しそうだから黙っておこうっと。
「わぁ、ラキアさんって商人だけじゃなくて学者でもあるんだ。通りで物知りな訳ね」
「ふふっ、もっと褒めていいのよん♪」
「……」
イアナ嬢。
またご都合主義とか認識阻害とかが働いたのか?
どうして古代紫竜が商人とか学者になるんだよ。
それに話がいまいち噛み合ってないぞ。
ああもう、これはあんまり深掘りしない方がいいな。
何だか面倒になってきて俺は話題を変えた。
「で、俺たちはこれからあの中に入るんだな?」
視線の先には廃れた教会。
扉が閉まっているがこじ開ければどうとでもなるだろう。
とか思ってたらゆっくりと開き始めた。ゴゴゴ……とか不穏な擬音が聞こえてくるよ。扉の開く音自体は何もしなかったのに。
「……」
ちょい待て。
あんな見るからに古そうな教会の扉が無音で開くか?
それっておかしくないか?
新築の教会だって音がしそうじゃないか?
じゃなくて!
廃教会だってのに誰かいるのか?
ま、まあ増幅装置の守護者(ガーディアン)がいるかもしれないんだよな。つーことは誰かしらはいるかもしれない訳で
その「誰かしら」が人間じゃないかもってのがアレだよなあ。
戦えというなら戦うけどさ。
「あたしたち誘われてる?」
「誘われてるわねぇ」
イアナ嬢とラキア。
ポゥが身体のサイズを元に戻してイアナ嬢の肩へと飛んだ。
教会から注意を逸らさぬままイアナ嬢がポゥを肩から自分の片腕の中へと移して抱っこする。ポゥポゥ鳴くポゥのお腹を撫で、表情がちょっと緩んだ。
あ、もふもふいいなぁ。
じゃなくて!
それどころじゃないよな。気を引き締めないと。
扉の奥は暗くなっていて中を窺い知ることができない。建物の規模はそんなに大きくないが妙に奥行きがあるような気がした。中が見えないのに何故そう思えたのかは謎だ。
「中から誰か出て来るわよん」
ラキアが指差す。
その言葉通り紺色の法衣を着た痩せた男が滑るように中から現れた。不健康そうな青白い肌の男だ。
髪の色は濃い緑色で髪の毛というより植物のようでもある。
て、あれうねうねとうねってないか?
身体も地面からちょい浮いてるし。
「これはこれは、当教会に訪問者とは」
男がにこやかに話してくる。
すうっと男の右肩に三角形の何かが出現した。
きらきらと水色に光る三角形だ。お嬢様が以前教えてくれた正三角錐って形だろうか。ちょい自信が無い。
一辺の長さがどれも同じで四つの面がある。水色に煌めいていて時々くるりと面の位置を変えているのだが……あれは何なんだ?
正三角錐がチカチカと点滅した。
「ヒップホップ、そういう下品なことを言ってはいけませんよ」
男が正三角錐をたしなめるが俺には正三角錐の声が聞こえなかった。つーか、あれって喋ってたのか?
「あの」
イアナ嬢が一歩前に出た。
「こちらは何を信仰する教会ですか? あたしたち他所から来たもので」
「……」
イアナ嬢。
お前、何でそんなこと訊いてるんだよ。
あいつ絶対に怪しいぞ。
「こちらは偉大なるジグ様を深く信仰する場所です。為すべきことを為せ、為したいことを為せ。それがジグ様の御教義です」
「ジグ様?」
イアナ嬢の頭に疑問符が浮かんだ。
「あたし初めて聞く名です。邪教ですか? そのジグ様ってクソみたいな邪神ですか?」
「……」
イアナ嬢。
お前、あの人にケンカ売ってるのか?
男の顔から笑みが消えた。
ゴゴゴ……という擬音がまたしているような錯覚。錯覚だよな?
「ポゥちゃん」
ラキアが俺たちにだけ聞こえる小声で言った。
「いざとなったらあなたは逃げちゃっていいわよん」
「そうね。でもその前に魔力増幅をお願い」
「ポゥ」
ポゥが片翼で器用に敬礼した。こいつこういうこともできるのか。
正三角錐が男の肩の上でくるくると回る。
男が告げた。
「我らが主ジグ様を侮辱するとは……生きて帰れると思わないでください」
「あ、そういうのはいいから」
ひらひらと片手を振ってイアナ嬢がつまらなそうに返す。
「もしかしたらウィル教の分派かなとか思ったから確かめただけだし。そうじゃないならもうあんたらに用はないわよ。だ・か・ら」
ポゥが空を舞い、光の粒子を散布する。
相変わらず光の粒子の消える早さがシビアだ。この森の影響はなかなかきついな。
「クイックアンドデッド!」
両手を腰から前に突き出す動作をし、イアナ嬢が能力を発動させる。
一瞬で光りが男の首を捉えた。おおっ、まぐれかもだがやったぞ。
切れ味抜群の光に切り落とされた男の首がコロリと本人の足元に転がる。
正三角錐がチカチカと点滅した。それが何かを言っているのか何の意味もないものなのか俺には判別できない。
ただ……。
「天の声は聞こえないな」
「そうねぇ」
「ポ、ポゥ」
俺、ラキア、そしてポゥ。
あってもおかしくない天の声によるお知らせが聞こえてこない。
俺たちの反応が期待通りでなかったからかイアナ嬢が目を吊り上げた。
「ちょっと何よ、あたしが敵を倒したんだから少しは讃えなさいよ」
「いや、そうかもしれんが」
俺。
「一撃なのは良いけどなーんか盛り上がりに欠けるわよねぇ」
ラキア。
「ポゥ」
ポゥは明後日の方に向いてしまっている。あ、こいつ逃げたな。
わはははは。
突然、男の笑い声がした。
やけにエコーがかかっている。ちょい不気味だ。
声の主は切断された男の頭だった。あれ、そういやこいつ首を斬られたのに出血してないぞ。
もしかして、こいつやばい?
「偉大なる主ジグ様に使える闇司教(ダークビショップ)のモダンとは私のこと」
頭を斬られたのに倒れなかったモダンの身体が偉そうに自己紹介した頭を拾う。
そして、何事も無かったかのように首に載せた。
正三角錐がチカチカと点滅する。
「ヒップホップ、そういう卑猥な言葉を発してはいけませんよ」
「……」
えっ、あいつ何て言ったの?
気になる。
ザクッ!
モダンの顔面に円盤が食い込んだ。
イアナ嬢が投擲したようだ。
おや? オールレンジ攻撃よりコントロールがいいんじゃないか?
ま、まあポゥの魔力増幅がなければそもそもオールレンジ攻撃もできないものな。
せっかくポゥが光の粒子を撒いてもすぐに消えちゃうし。
難儀だなぁ。
とか俺が思っている間にもう一枚の円盤がモダンの首の根元に刺さった。クリティカルヒット。
……のはずなんだが。
「それでお終いですかな?」
モダンが目を鋭くさせながら笑んだ。
ゆっくりと右手を伸ばしてイアナ嬢を指差す。
「では、死になさい」
俺は咄嗟にダーティワークを発動させた。
その身体強化を活かしてイアナ嬢へと走り、彼女を抱えてその場を離脱する。
一瞬遅れてからイアナ嬢のいた位置に地面から巨大な刺が突き出た。もしあのままイアナ嬢がいたら串刺しにされていただろう。
「……」
「……ジェイ、ありがと」
イアナ嬢の顔が引きつっていた。やむなし。