第46話 俺は冒険者に襲われる
文字数 3,569文字
俺が一方的にイアナ嬢の口撃を浴びているとウェンディが声を上げた。
「あ、シロガネフクロウの生命力が完全回復してる」
「えっ」
「本当か」
イアナ嬢が間抜けな声を発し、俺の問いに重なる。
「これで一安心だな」
モスが腕組み姿勢で胸を張った。筋肉ムキムキである。
イアナ嬢の腕の中でシロガネフクロウがもぞもぞと動き出した。
ぱちくりと目を開けて「ポゥ」とやや低い声で鳴く。首を傾げ、もう一度「ポゥッ」と。こちらはちょい疑問形。
イアナ嬢の表情がぱあっと明るくなった。
彼女は現状を理解できていない様子のシロガネフクロウをぎゅっと抱き締める。ポゥポゥ泣くシロガネフクロウの鳴き声はちょい迷惑そうだ。
……と、突然、シロガネフクロウが青白く光った。
「ふむ」
モスがうなずいた。
「進化の祝福か。まさか聖鳥になるとはな」
「聖鳥?」
俺が尋ねるとモスが腕組みを解いてむんっと両腕を曲げながら力こぶを作った。はいはい、見事な筋肉ですね。
「このシロガネフクロウは精霊を祖先に持つ精霊鳥だ。それが祝福によって聖なる鳥、つまり聖鳥に進化した」
「……」
俺はイアナ嬢を見た。
彼女は目を合わせようとしない。
「だだだだって、変な声が訊いてきたんだから仕方ないでしょ?」
「変な声?」
「お、男か女かよくわからない声よ。あんたがレイクガーディアンを倒したときにクリアボーナスがどうのって言ってた声」
「……」
あの中性的な声か。
「何か質問されたのか?」
イアナ嬢は目を合わせようとしない。
小声で。
「め、女神の指輪のスペシャルパワーを解放して、せ、精霊鳥シロガネフクロウを祝福しますか? はい・いいえ」
「……」
あ、うん。
めっちゃ指輪のせいですね。
てか、ひょっとしてレイクガーディアン戦のときにイアナ嬢が中性的な声を聞いたのもその指輪のせいじゃね?
「で、何て答えたんだ?」
目眩を覚えつつそう尋ねるとイアナ嬢が早口になった。
「し、仕方ないでしょ。ポゥが死にそうだったのが助かって物凄く嬉しかったんだから。そ、そりゃ少しは戸惑ったけど」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
「こんなに可愛くて毛玉なのよ。助かって良かったって思うのは当然でしょ? すっごく柔らかいし滑らかな手触りなんだからねっ」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
「えっと、その」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
ポゥ? とシロガネフクロウが首を傾げた。すげぇ角度まで傾くんだな。
「……」
「……」
いや、もう答えなくてもいいや。
イアナ嬢、女神の指輪のスペシャルパワーを解放したんだな。
せっかくなのでもう一つイアナ嬢に訊いた。
「ポゥっていうのは?」
まあ訊くまでもないのだが一応。
「……」
イアナ嬢は目を合わせようとしない。
「名付けたな」
「名付けたね」
精霊王たちが揃ってうなずく。
俺はこめかみを押さえながら確認した。
「まさかとは思うがそのシロガネフクロウに名前をつけたのか?」
「……」
イアナ嬢は一瞬だけこちらを見て、また目を逸らした。
「だだだだって、声が名前を付けられますって言うのよ。こんなに可愛い生き物に自由に名前を付けられるなんて素敵だと思わない?」
「……」
くらっときて倒れそうになったのをグッと堪えた。誰か褒めてください。
イアナ嬢の腕に抱かれたシロガネフクロウのポゥがポゥポゥ鳴いた。声音が俺を憐れんでいるような気がするのはきっと気のせいだと自分に言い聞かせる。でないと辛い。
「あーよく見るとこのシロガネフクロウネームドになってるね」
ウェンディ。
「となると次代の聖女が名付け親ということか。ふむ」
モスが腕組みをし、顎を撫でた。
プスッ。
という音とともにモスの額に矢が突き刺さる。
え?
俺が唖然としているとさらに矢が飛んできた。
その矢が水の壁に阻まれる。
「ありゃ、誰か来ちゃったみたい」
ウェンディ。
彼女は面倒くさそうに手を振ってもう一枚水の壁を作り上げた。そこから一筋の水柱が立ち、飛沫が水球と化して四方に飛んで行く。
いくつかの悲鳴と呻き声がし、静かになった。
「こいつら弱すぎ、あとウザい」
心底嫌そうにウェンディがぼやく。
木々の陰から七人の武装した男たちが現れた。ほとんどが皮鎧もしくはローブといった軽装で金属鎧は一人しかいない。弓を持った者は見当たらなかった。おそらくウェンディが全員片づけたのだろう。
何人かの顔には見覚えがあった。森の中で見かけた疲れ果てていた冒険者たちだ。
イアナ嬢が叫ぶ。
「き、きゃあああああああああ」
モスの額には矢がまだ刺さっている。
彼は鼻毛でも抜くみたいに簡単に矢を引き抜いた。
「無粋な連中だな」
矢を握りながらモスがつぶやく。
瞬間、矢が青白い光になって消えた。
モスの額にはもう矢による傷はない。それどころか痕跡すらなかった。
まだ騒いでいるイアナ嬢の口をモスが手で塞ぐ。
「いささか刺激が強かったようだな。だが、静かに」
「こんなんじゃ役に立たなそうだね」
ウェンディがため息をつき、俺に向いた。
「てことで、後はよろしく」
水の壁が決壊に変化した。
キラキラとした水色の粒子が輝き、ウェンディとモス、そしてイアナ嬢を取り巻くように展開していく。
「……」
あ、あれ?
俺は?
「スリル満点♪」
ウェンディが満面の笑みを浮かべながら親指をグッと立てた。おい。
「て、てめぇ!」
俺がムカついている間にじりじりと武装した冒険者たちが近づいてくる。
ぶつぶつと聞こえてくる複数の声は呪文の詠唱か。ちょい待て、明らかに上級攻撃魔法の呪文が混じってるぞ。
「……」
理由はわからないが相手は俺たちを殺そうとしている。
でなければいきなり矢で額を狙ったりはしないだろう。威嚇だけならわざと外したりするはずだ。
それといくつか腑に落ちないことがある。
ここは聖域で常人には入れないんじゃないのか?
なぜ、こいつらは入れた?
そもそも迷いの魔法がかかった森をどうやって抜けてきた?
考えているうちに間近まで冒険者たちが迫ってくる。
俺は観念してダーティワークを発動した。身構える。
正面にいた金属鎧の戦士が片手剣の長剣を振り上げた。もう一方の手にはラージシールド。
踏み込みと同時に斬りかかってくる。それをサイドステップで躱して横降りの追撃もバックステップで避ける。
横から襲ってきた軽装の戦斧使いの腕を掴んで引き寄せ、その鳩尾に一撃食らわせた。戦斧使いが沈むのを気配で感じながら突いてきた槍使いの奇襲に対応する。視界の端には金属鎧の戦士。
はっとして後ろに飛び退くと目の前をナイフが飛んでいった。あ、危ねぇ。
もう一本飛んできたのを無詠唱で展開した小型の結界で防ぐ。すぐさまそれを解除して向かってきた槍使いの前に再展開。ガツッと衝撃音を響かせて槍使いが激突した。
ナイフを投げようとする盗賊風の男に一歩で距離を詰めてワンパン。おっと、こいつまだナイフを隠し持っていやがったぞ。早めに倒せてラッキー。
雄叫びを上げて金属鎧の戦士が突撃してきた。
俺は繰り出される斬撃を黒い光のグローブで受け流す。
反撃とばかりにゼロ距離発射のマジックパンチでラージシールドごと金属鎧の戦士を吹き飛ばした。威力は調整したから戦士自体に被害はない。
背中から倒れた金属鎧の戦士に走り寄り、身体強化された蹴りで頭を一蹴りして気絶させた。丈夫そうな兜を被っていたから死にはしないだろう。
「……っ!」
俺は大きく地を蹴って冒険者たちと距離をとり結界を張った。
凄まじい量の火炎が視界を覆う。マジか。
攻撃魔法を察したから良かったものの気づくのが遅かったらやばいなんてものではなかった。しかもこれ味方も巻き添えになってるぞ。前衛の奴らが全滅じゃないか。
結界の壁を数発の雷が走る。やや遅れて百発はある火炎球。それらを全て防ぐと俺は結界を解除して魔術師たちに肉迫した。次の呪文を唱えきる前に一人ぶちのめす。
二人残った。
俺は片面だけの結界で火炎魔法を凌ぎ、手加減したマジックパンチで一人を倒した。ゴキッと変な音を鳴らしていたけど……問答無用で襲ってきたのはそっちなんだから骨折で済むだけありがたく思って欲しい。
最後の一人は普通に殴って無力化した。
ふぅ、これで終わりか?
パチパチパチパチ。
拍手が鳴り、次いで男の声がした。
「いやぁ、凄いねぇ。おいら、吃驚だよぉ」
ゆっくりとそいつは姿を現した。
後ろには八体のゴートヘッド。
男は被っていたシルクハットを脱ぐと丁寧に腰を折った。
「どうも半日ぶり、おいらのこと憶えているかな?」
その格好は皮鎧にシルクハットと相変わらずのちぐはぐさ。
こ、こいつは……。
「ジェイ、悪いけどクースー草はこのサックがいただくよぉ」
「あ、シロガネフクロウの生命力が完全回復してる」
「えっ」
「本当か」
イアナ嬢が間抜けな声を発し、俺の問いに重なる。
「これで一安心だな」
モスが腕組み姿勢で胸を張った。筋肉ムキムキである。
イアナ嬢の腕の中でシロガネフクロウがもぞもぞと動き出した。
ぱちくりと目を開けて「ポゥ」とやや低い声で鳴く。首を傾げ、もう一度「ポゥッ」と。こちらはちょい疑問形。
イアナ嬢の表情がぱあっと明るくなった。
彼女は現状を理解できていない様子のシロガネフクロウをぎゅっと抱き締める。ポゥポゥ泣くシロガネフクロウの鳴き声はちょい迷惑そうだ。
……と、突然、シロガネフクロウが青白く光った。
「ふむ」
モスがうなずいた。
「進化の祝福か。まさか聖鳥になるとはな」
「聖鳥?」
俺が尋ねるとモスが腕組みを解いてむんっと両腕を曲げながら力こぶを作った。はいはい、見事な筋肉ですね。
「このシロガネフクロウは精霊を祖先に持つ精霊鳥だ。それが祝福によって聖なる鳥、つまり聖鳥に進化した」
「……」
俺はイアナ嬢を見た。
彼女は目を合わせようとしない。
「だだだだって、変な声が訊いてきたんだから仕方ないでしょ?」
「変な声?」
「お、男か女かよくわからない声よ。あんたがレイクガーディアンを倒したときにクリアボーナスがどうのって言ってた声」
「……」
あの中性的な声か。
「何か質問されたのか?」
イアナ嬢は目を合わせようとしない。
小声で。
「め、女神の指輪のスペシャルパワーを解放して、せ、精霊鳥シロガネフクロウを祝福しますか? はい・いいえ」
「……」
あ、うん。
めっちゃ指輪のせいですね。
てか、ひょっとしてレイクガーディアン戦のときにイアナ嬢が中性的な声を聞いたのもその指輪のせいじゃね?
「で、何て答えたんだ?」
目眩を覚えつつそう尋ねるとイアナ嬢が早口になった。
「し、仕方ないでしょ。ポゥが死にそうだったのが助かって物凄く嬉しかったんだから。そ、そりゃ少しは戸惑ったけど」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
「こんなに可愛くて毛玉なのよ。助かって良かったって思うのは当然でしょ? すっごく柔らかいし滑らかな手触りなんだからねっ」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
「えっと、その」
「……」
俺は真っ直ぐイアナ嬢を見つめる。
ポゥ? とシロガネフクロウが首を傾げた。すげぇ角度まで傾くんだな。
「……」
「……」
いや、もう答えなくてもいいや。
イアナ嬢、女神の指輪のスペシャルパワーを解放したんだな。
せっかくなのでもう一つイアナ嬢に訊いた。
「ポゥっていうのは?」
まあ訊くまでもないのだが一応。
「……」
イアナ嬢は目を合わせようとしない。
「名付けたな」
「名付けたね」
精霊王たちが揃ってうなずく。
俺はこめかみを押さえながら確認した。
「まさかとは思うがそのシロガネフクロウに名前をつけたのか?」
「……」
イアナ嬢は一瞬だけこちらを見て、また目を逸らした。
「だだだだって、声が名前を付けられますって言うのよ。こんなに可愛い生き物に自由に名前を付けられるなんて素敵だと思わない?」
「……」
くらっときて倒れそうになったのをグッと堪えた。誰か褒めてください。
イアナ嬢の腕に抱かれたシロガネフクロウのポゥがポゥポゥ鳴いた。声音が俺を憐れんでいるような気がするのはきっと気のせいだと自分に言い聞かせる。でないと辛い。
「あーよく見るとこのシロガネフクロウネームドになってるね」
ウェンディ。
「となると次代の聖女が名付け親ということか。ふむ」
モスが腕組みをし、顎を撫でた。
プスッ。
という音とともにモスの額に矢が突き刺さる。
え?
俺が唖然としているとさらに矢が飛んできた。
その矢が水の壁に阻まれる。
「ありゃ、誰か来ちゃったみたい」
ウェンディ。
彼女は面倒くさそうに手を振ってもう一枚水の壁を作り上げた。そこから一筋の水柱が立ち、飛沫が水球と化して四方に飛んで行く。
いくつかの悲鳴と呻き声がし、静かになった。
「こいつら弱すぎ、あとウザい」
心底嫌そうにウェンディがぼやく。
木々の陰から七人の武装した男たちが現れた。ほとんどが皮鎧もしくはローブといった軽装で金属鎧は一人しかいない。弓を持った者は見当たらなかった。おそらくウェンディが全員片づけたのだろう。
何人かの顔には見覚えがあった。森の中で見かけた疲れ果てていた冒険者たちだ。
イアナ嬢が叫ぶ。
「き、きゃあああああああああ」
モスの額には矢がまだ刺さっている。
彼は鼻毛でも抜くみたいに簡単に矢を引き抜いた。
「無粋な連中だな」
矢を握りながらモスがつぶやく。
瞬間、矢が青白い光になって消えた。
モスの額にはもう矢による傷はない。それどころか痕跡すらなかった。
まだ騒いでいるイアナ嬢の口をモスが手で塞ぐ。
「いささか刺激が強かったようだな。だが、静かに」
「こんなんじゃ役に立たなそうだね」
ウェンディがため息をつき、俺に向いた。
「てことで、後はよろしく」
水の壁が決壊に変化した。
キラキラとした水色の粒子が輝き、ウェンディとモス、そしてイアナ嬢を取り巻くように展開していく。
「……」
あ、あれ?
俺は?
「スリル満点♪」
ウェンディが満面の笑みを浮かべながら親指をグッと立てた。おい。
「て、てめぇ!」
俺がムカついている間にじりじりと武装した冒険者たちが近づいてくる。
ぶつぶつと聞こえてくる複数の声は呪文の詠唱か。ちょい待て、明らかに上級攻撃魔法の呪文が混じってるぞ。
「……」
理由はわからないが相手は俺たちを殺そうとしている。
でなければいきなり矢で額を狙ったりはしないだろう。威嚇だけならわざと外したりするはずだ。
それといくつか腑に落ちないことがある。
ここは聖域で常人には入れないんじゃないのか?
なぜ、こいつらは入れた?
そもそも迷いの魔法がかかった森をどうやって抜けてきた?
考えているうちに間近まで冒険者たちが迫ってくる。
俺は観念してダーティワークを発動した。身構える。
正面にいた金属鎧の戦士が片手剣の長剣を振り上げた。もう一方の手にはラージシールド。
踏み込みと同時に斬りかかってくる。それをサイドステップで躱して横降りの追撃もバックステップで避ける。
横から襲ってきた軽装の戦斧使いの腕を掴んで引き寄せ、その鳩尾に一撃食らわせた。戦斧使いが沈むのを気配で感じながら突いてきた槍使いの奇襲に対応する。視界の端には金属鎧の戦士。
はっとして後ろに飛び退くと目の前をナイフが飛んでいった。あ、危ねぇ。
もう一本飛んできたのを無詠唱で展開した小型の結界で防ぐ。すぐさまそれを解除して向かってきた槍使いの前に再展開。ガツッと衝撃音を響かせて槍使いが激突した。
ナイフを投げようとする盗賊風の男に一歩で距離を詰めてワンパン。おっと、こいつまだナイフを隠し持っていやがったぞ。早めに倒せてラッキー。
雄叫びを上げて金属鎧の戦士が突撃してきた。
俺は繰り出される斬撃を黒い光のグローブで受け流す。
反撃とばかりにゼロ距離発射のマジックパンチでラージシールドごと金属鎧の戦士を吹き飛ばした。威力は調整したから戦士自体に被害はない。
背中から倒れた金属鎧の戦士に走り寄り、身体強化された蹴りで頭を一蹴りして気絶させた。丈夫そうな兜を被っていたから死にはしないだろう。
「……っ!」
俺は大きく地を蹴って冒険者たちと距離をとり結界を張った。
凄まじい量の火炎が視界を覆う。マジか。
攻撃魔法を察したから良かったものの気づくのが遅かったらやばいなんてものではなかった。しかもこれ味方も巻き添えになってるぞ。前衛の奴らが全滅じゃないか。
結界の壁を数発の雷が走る。やや遅れて百発はある火炎球。それらを全て防ぐと俺は結界を解除して魔術師たちに肉迫した。次の呪文を唱えきる前に一人ぶちのめす。
二人残った。
俺は片面だけの結界で火炎魔法を凌ぎ、手加減したマジックパンチで一人を倒した。ゴキッと変な音を鳴らしていたけど……問答無用で襲ってきたのはそっちなんだから骨折で済むだけありがたく思って欲しい。
最後の一人は普通に殴って無力化した。
ふぅ、これで終わりか?
パチパチパチパチ。
拍手が鳴り、次いで男の声がした。
「いやぁ、凄いねぇ。おいら、吃驚だよぉ」
ゆっくりとそいつは姿を現した。
後ろには八体のゴートヘッド。
男は被っていたシルクハットを脱ぐと丁寧に腰を折った。
「どうも半日ぶり、おいらのこと憶えているかな?」
その格好は皮鎧にシルクハットと相変わらずのちぐはぐさ。
こ、こいつは……。
「ジェイ、悪いけどクースー草はこのサックがいただくよぉ」