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文字数 2,359文字
肩までゆっくり浸かり今日の出来事を反芻する。
勇者アプリか……。
他にもプレイヤーが居るみたいだし、もしかして公になってないだけでシンクタンクみたいなところは認知してるかもしれないな。
いや、むしろ人の手で作られたのか?
超常的な力が働いているように思えるが、現実では何も変わったところがないのだ。
もしかしたら違法な集団催眠臨床試験なのかもしれない。
そうなると物騒なルールも情報をイタズラに拡散されないための施策とも考えられる。
ただ今はこの刺激的なゲームをもっとプレイしてみたい。
通報するにしてもそれは今じゃない。
危険な考え方かもしれないが、サクトはこういうシチュエーションを待ち望んでいたのだ。
特に煌咲さんの胡散臭さは半端ない。
あれは絶対何か隠してる。
よく考えたら何もかも怪しく感じてきたぞ。
主導権はあっちにあるし、美少女だし、これ見よがしのサービスシーン……
……いいおっぱいだったな
上体を起こすと同時に目に飛び込んできたのは、顔を真っ赤に染めながらこちらを見つめる魔法少女の姿だった。
クエスト:イマジナリーフレンド
タイムリミット:02:54:17
参加プレイヤー:2/2
ココナ LV1 HP100%
サクト LV2 HP100%
古ぼけた部屋だが、所々女の子らしいファンシーなグッズが並べられてる。
少々幼い感じもするが……
一段飛ばしで階段を駆け下りるサクト。
その後ろをゆっくり下りてくるココナ。
すっかり日は落ち、街灯の光が届かない闇があちこちに点在する。
見通しが悪いと攻略も難しくなりそうだ。
ここはクエストエリアの端。
エリアオーバーギリギリのラインだ。