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文字数 1,266文字
中間テストが終わり、燃え尽きているサクトにハルが声をかける。
身体は疲れてないが、大量の汗をかいていた。
歩きながらココナにLIMEを送る。
あるべきはずのものがそこにない。
慌てていたせいか、迂闊にもティッシュを詰め込んだカバンは教室に置き去りのままだった。
ここはただの女子トイレではない。
人が寄り付かない静かな旧校舎のトイレ。
諸事情により人目につかないこのトイレをいつも利用しているのだ。
ど、どうする?
大声で助けを呼ぶ? 却下。
電話で助けを求める? 友達居ない。
拭かない、手を使う、etc。人として終わってる。
神は……死んだ……。
きっとお漏らしイズミの噂が再び広まるキッカケに……!
払拭するために築き上げてきた名誉も……!
嫌だ! あの頃に戻りたくない!!
わざわざ知り合いが殆ど居ない遠くの学校に入学したのに!!
突然、トイレットペーパーが彼女の個室に降臨した。
しかし今日は少し状況が異なる。
二人きりのミーティングを遠くの窓から覗き見る影ひとつ。
全滅するまで手を出すつもりはなかったが……。
さぁ、足りないものを補うためにどう出る?
煌咲ココナ、影浦サクト。
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