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文字数 2,291文字
攻撃力は落ちたが簡単に捕まえられそうにない。
ステッキと化したスマホの先端に光の刃が形成される。
――ブォン!
設置場所を叩いてくださいというメッセージが表示される。
詠唱時間を表す導火線が表示され、その長さからタイミングを計る。
近付いてきたココナの腕を強引に引っ張り、もう片手で用意していた魔法を発動させる。
スタンクラッカー。いわゆる爆竹だ。
音と光で怯む黒猫。
覆いかぶさるように押し倒し、衝撃からココナを守る。
直後、ドラゴンマインの激しい炎が大地から噴出し黒猫を吹き飛ばした。
勇者ココナの攻撃
パラサイトデビルに12%のダメージ
パラサイトデビルは逃げ出した
その中から一匹、白い猫がゆっくりこっちに歩いてくる。
すぐさまスマホカメラでスキャンするサクト。
パラサイトデビル LV2 HP88%
いわゆる蛇玉だ。
体格差は明らかだが、その一言で決心が着いたのか素直に従うココナ。
クエスト名にもなってるイマジナリーフレンドってのは本来、本人にしか認識出来ない都合のいい空想の友達のことだ。
しかしこの世界では煌咲さんの空想の友達像が逆の感情を持ち、実在の人物に乗り移って襲って来てる。
どこか自分でも後ろめたい感情を伴っているのを自覚しているから、牙を剥くのかもしれないな。
一匹ずつしか来ないのはそういうことだと思う。
この辺に俺の知り合いは居ないからな、次に会う煌咲さんの知り合いは敵になってると思うぞ。
たぶんコイツは本人にしか倒せない。
俺が苦手とするめんどくせぇ心のクエストだな。