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文字数 2,608文字
星見先生はイケメンではないが不細工でもない。
顔が全く似てないので言われなければ気付かなかっただろう。
確かにウララは運動をしているせいかスタイルがいい。
しかもシースルーな踊り子衣装に身を包んでることもありエロさが引き立つ。
相変わらず委員長はツンツンしてる。
嫉妬からくる発言であれば可愛げもあるだろうが、彼女に限ってそれはないだろう。
潔癖な性格から心底軽蔑してるのだ。
大人の余裕を見せつけるウララ。
これは色気を抜きにしてもウララに目移りしても仕方ないだろう。
参加プレイヤーが多いせいで緩み切っていたのは言うまでもない。
このゲームの最大レベルは5。
サクトとココナはレベル3、委員長ですらあの1回の戦闘でレベル2になった。
対するウララは知識の割にレベルは2。
もしかしたらデメリットはそこにあるのかもしれない。
こちらのパーティーは私以外レベル3、古参の山田さん達のパーティーでもみんなレベル3です。
正直頭打ちで困ってるんですよね。
今までにレベル4の人なんて一人しか見たことないです。
そういえば彼も神須賀高校の生徒だったのかしら?
サクトさんと同じ制服だったし……。
顔を見合わせるサクトとココナ。
間違いない、例のもう一人の勇者だ。
こんなところで情報を得ることが出来るとは。
ログチェックをしていたウララが電話をかける。
彼女の武器は大きな鉄扇のようだ。
スマホが変化した鉄扇を耳に当て、パーティーメンバーとコンタクトを取る。
まだ他にもモンスターが居る可能性があるからだ。
余計な戦闘は避けたい。
電話していたウララが突然足を止めたせいで、背後から抱き着くような形で衝突してしまうサクト。
反射的に突き倒さないようにしっかりと抱き留める。
……思ってるより事態は深刻かもしれません。
見学させるとかお手並み拝見とか悠長なことを言ってられなくなりました。
山田さんも転勤した二人を召喚して交渉するようです。
どれくらい修羅場を超えてきたのか分かりませんが、戦力として協力いただいでもよろしいですか?
それまで笑顔を絶やさなかったウララが初めて鋭い眼光を放つ戦士の顔になる。
その顔を見てサクト達3人の心は戦闘モードにスイッチした。