第十一章 【レイカとヒビキ】(1/8)

文字数 1,469文字

 第2回女子会のお知らせ。場所、ひさご。時間、6時から。参加者、ミワちゃん、ナナミ、セイラ、ウチ。カリンは行けたらいくって、99パー来ないセオリー。
ナナミがゴリゴリゴリ。(ゴリゴリ以下、略)。
「レイカ、ココロに会ったんだって?」
「ホント? セイラしばらく会ってない」
「夏の制服着てたよ」
「「「それみんな知ってるから」」」
 ってどぃうこと?
「シオネはみんな会ってる。ココロは会ったり会わなかったり」
「ココロは人を見るからさ」
 ココロは前は誰とも仲良かったはずだけど。
「シオネなんかユニフォーム姿だもん。感じてないんだろーけど、やっぱ寒そーなときある」
 バスケのユニフォームは基本ノースリーブに短パンだからね。冬は堪らんね。ん? セイラの金髪って。
「いなくなったの夏前だったからね」
「セイラ、先週シオネに会った」
「どこでよ?」
「役場の駐車場」
 やっぱりあのカップル……。
「シオネって青墓周辺じゃなかった?」
「役場と青墓とじゃ、かなりの距離だしょ」
「シオネなら」
「「ありえるか」」
「ウチはいつココロに会えるだろ」
 ミワちゃんが、
「あたしはヒマワリに会いたい」
 なんかやばい。あの子たち、みんなのところにショッチュー来てるって。んで、返事すっと襲って来るとか、マジ怖い。カリンが今日来てないの襲われたかもだって。マジで?
「カリン、ハズすから」
「それなー」
「しかも、カンジンなとき」
「それー」
「4ピリ残り三秒、逆転のスリーポイントとか」
「そうだったー」
「あれは誰でもシビレるよ」
 なんでか、楽しそーだな。
「レイカ、さっきから何やってるの? セイラの髪の毛束ねて」
「うん、ちょっと」
 やっぱ、こうやってポニーテールにすると、あの時の彼氏さんだよね。金髪男くん。

 酔った。ワル酔いした。ミワちゃんが勧めるからってカルーアミルクなんて飲むんじゃなかった。へんな味だったし。それに途中でショーチューのビール割りとかまわされてた。吐くカモです。ちょちょちょっと待って、せめておトイレま(ーーエチケット違反ーーー)。
 ようやく収まったみたいだけど、席を汚した手前、ひさごにいられなくなってウチら行き場なし。てか、ビョーニンを公園のベンチに放置プレーして、なんでアイツらエア・3オン3してんの? いない子まで参加してる体で。
「そりゃ! ダンク・シュート」
「シオネのまねしても、ナナミにはムリ」
「うっさいよ、セイラ。チット黙れ!」
「ミワ! こっちパス、ココロの足もと」
「逆サイ。来てる!」
「セイラ、横! ヒマワリ寄せてるヨ」
「見よ。華麗なバックビハインド」
「ソんなの、ヒマワリなら一発スチールだ!」
「たんま。PK、PK」 
「PK? なにそれ」
(P)ンツ(K)いこんだ」
「バッカじゃねーの笑」
「おっかしー。ナナミ」
 でも、ミワちゃん、おかーさん忘れて楽しんでる。みんなも楽しそー。あのころもこんなだったら、今もみんなでバスケ出来てたかな。ヒマワリ、シオネ、ココロ、ミワちゃん、ナナミ、セイラ、……カリン?
「レイカ。カリンだよ」
(うっわ。でたでたでた。てか、なんであんたまで制服?)
「ウチら、友だちだよね」
(やばい。みんなってば! ねーこっちこっち。カリン来ちゃったよ)
「あ、カリン。よく分かったね、ここ」
「カイシャのカエリ道ってだけ」
「どこがよ。そんな格好して」
「ヤオマンで売ってた。『血塗られたJK』コス」
「当事者がするか笑」
「キチクすぎ。することが笑」
「友だちだよね、ウチら」
「スクナクとも、カリンはちがう笑」
 みんな楽しそうに笑ってるけど、カリンの首、血がついてる。
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