第九章 【レイカ】(2/3)

文字数 1,039文字

 エレベーター走んなくても普通に乗れたんだけど、何なの?
〈ゴリーン。8階です〉
え? ナニナニ。なんのモヨーシ? ドヤドヤドヤって、人がいっぱい。押すなって、潰れるっての。レディーが一人乗ってますよー(無声)。
 マジ? ホントにモー無理。またセーヘキ軍団と一緒になった。こいつらとエレベーターでギューギューって最悪。ショーンが言ってた変なのってのはこいつらのことか。分かってて避けやがったな、ショーンのやつ。
 押すな。いてーよ。無理して乗ろうとするなよ。諦めて階段使えや。だからさ、後ろのヤツ。人の髪、クンカクンカしてんなっつーの。ミラーに映ってるからな。わかるの。それから誰だ? ボタン押しまくった奴。
〈締まります。ゴリーン〉
「なんと、制服聖女エリ様がエレベーターホールでお見送りしてくれた」
「これはありえん現象のようだぞ」
「あー、そのようだな」
「しかし、エリ様はお美しかった」
「この世のものとは思えなかった」
〈7階です。ゴリーン〉「……」〈締まります。ゴリーン〉
「ラスボス倒してエリ様を助けたら、この記念にもらった制服、着てもらえるって言ってな」
「血の団結式前にゴリゴリカードのコンプしといてよかったということか」
「だが、すでに制服着ているエリ様がどうやって着るんだ」
〈6階です。ゴリーン〉「……」〈締まります。ゴリーン〉
「生着替え」
「重ね着はちょっとな」
「ないだろう、それは」
「待て。入り口のヒト、今なんと?」
「生着替え」
〈5階です。ゴリーン〉「「「ホントーか!」」」〈締まります。ゴリーン〉
「やばい、今ホールに声が駄々洩れだった」
「守秘義務、守秘義務」
「秘匿事項、秘匿事項」
「幹事の義務と責任、幹事の義務と責任」
「アカウント・バン、アカウント・バン」
「強制退会、強制退会」
「情報源は?」
「妓鬼討伐ステージの知り合いから」
「そんなハイパーレベルの知り合いがいるのか」
「一応」
〈3階です。ゴリーン〉「……」〈締まります。ゴリーン〉
「もしかして、ラストステージの『死霊の塔』の場所も知ってるとか?」
「おい、それは愚問だぞ」
「そうだ。なぜ、ここに新幹事を集めて団結式をした? なぜ、エリ様がここにいらっしゃった?」
「なるほど」
「だろ」
〈1階です。ゴリーン〉
4階と2階だけ停まんなかった。なんか縁起悪い。
やっと解放される。って、後ろのクンカクンカニキ。人の背後にへばりついてないではやく降りろ! めまいがしてきたんだつーの。
「髪、牛乳石ケンで洗ってる?」
「洗うか! シャンプーだわ」
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