第三章 【ヒビキ】(1/4)

文字数 483文字

 お師匠さん、今日はご機嫌ですね。相談はなしでしょうか? その後の進展とか聞きたくありません?
「ヒビキさん。本当にありがとうございます。あの人に会って下すったようで」
 はい。三社祭のすり合わせの時、カワイがホントーにこれでいいんですかって念押ししてるのを、宮司さん、巫女さんと話に夢中で、いいよいいよ好きにやってって。ははーん、これがお師匠さんの言ってた悪い遊びだなって思って、宮司さんが席外したときに、巫女さんのこと睨みつけときました。お師匠さんの恨みって。
「いかがです。お仕置きしていただけそうな様子でしたか」
「とっちめることぐらいは」
「手ごわいですよ、あの人は」
 そうかな、お師匠さんが知ってること話せば、案外すぐに手を引きそうだけど。
「お師匠さんが絡んでることは言っては?」
「ダメです、絶対にいけません。それができるのであれば、疾うに私が懲らしめています」
 社長と言い、お師匠さんと言い、どうしてこの世代の人は男にこうも弱いのかね。男なんぞ切り捨てたって、こっち、びくともしなかろーのに。
「では、粛々と進めさせて頂きますので」
「どうぞ、よしなにお願いします」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み