第十七章 【レイカ】(5/11)

文字数 621文字

 かつーん。かつーん。(効果音サービス。以下略)
「ミワちゃんだよね」
「そうだよ。あたしはミワだよ」
「じゃなくて、ココロの家で、スムージー投げてくれたの」
「なんのこと?」
「あれミワちゃんのスムージーだった」
「あたしのスムージーは特製おっぱいスムージーだ」
 知ってるよ。それ。
「元気に育ってな」
 うん。
「ミワちゃん」
 ミワちゃん、心ここにあらず。
「なんでもない」

 やっと着いた、10階。もう足ガクガク。
「ナナミ、この扉締めないで。鍵掛かっちゃうから」
「わかった、この竹刀挟んどく」
 ギジドーの扉、少し開いてる。
「なんか、やってんね。中で」
 中をのぞいてみる。
「あの壇上にいるの、誰?」
 遠くてよく見えないけど、マダラハゲのメタボばらはどっかで見たような。
「誰か来るよ」
 エレベータが昇ってくる。
「ここにいたらやばいから、あの部屋隠れよう」
 ミワちゃん、そっちはもっとやばいよ。ミワちゃんってば。あーあ、入っちゃった。ナナミも行くの?
「何やってんの? 早くおいでっての。レイカ早く」
「大じょーぶなの? 誰もいない?」
「誰もいないよ」
 中、静かだね。あ、エレベータが開いた音した。誰が来たんだろう。隙間から。
「小島さん。あれ、小島さんだ」(小声)
「誰だって? 知り合いなの?」
「うん。ウチのお向かいのオジサンで、セーヘキ持ちなんだよね」
「セーヘキ持ちはお前の方だろうが。レイカ!」
 って、誰? 痛っつー。まーたアタマ殴られた。ほんと、誰なのよ。
……。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み