耳元のささやき、真実はまどろみに溶ける 2ー①

文字数 257文字

「ん~……」

 肩口で、もぞりと彩那の頭が動く。

「……はれ? ミーシャ?」

 まだ頭が寝ているのか、ぼんやりした目でミハイルを見つめている。

「おはよう、アヤ」

「おはよー……ってあれっ? わたし寝てた?」

 彼の肩にもたれかかっていたことに気づき、彩那は、ばっと体を起こした。

「よくお休みでしたよ」
「げっ」

 ハインリヒの冷ややかなひとことで一瞬にして目が覚める。

「そろそろ部屋に戻ろうか」
「今何時?」
「十三時です」

 腕時計を見ながらハインリヒが口をはさむ。

「昼食は部屋に運ばせてありますので、そちらで召しあがってください」
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