第57話 悠斗と紗季の結婚
文字数 2,300文字
【中村家(悠斗と真彩の実家)・リビング】
実家に帰って来ている真彩。
真彩の父親・智之は、敢えて、原宿殺傷事件の話題は出さない。
只、可愛い娘の元気な姿が見たかっただけだ。
夕食後、亜希は食べた食器を洗い、真彩はダイニングテーブルの上を台ふきんで拭いている。
智之と悠斗は、ソファに座り、新聞、雑誌を読んでいる。
ふと、智之が悠斗を見て言う。
実家に帰って来ている真彩。
真彩の父親・智之は、敢えて、原宿殺傷事件の話題は出さない。
只、可愛い娘の元気な姿が見たかっただけだ。
夕食後、亜希は食べた食器を洗い、真彩はダイニングテーブルの上を台ふきんで拭いている。
智之と悠斗は、ソファに座り、新聞、雑誌を読んでいる。
ふと、智之が悠斗を見て言う。
突然の智之の言葉に、ドキッとする悠斗。
智之「紗季さん、もう、ずっと日本なんだろ? イギリスには戻らないんだろ?」
智之の唐突な言葉に戸惑う悠斗。
直ぐに言い返す言葉が見つからず、悠斗、ドギマギしている。
智之「紗季さん、もう、ずっと日本なんだろ? イギリスには戻らないんだろ?」
智之の唐突な言葉に戸惑う悠斗。
直ぐに言い返す言葉が見つからず、悠斗、ドギマギしている。
智之の言葉に、悠斗、焦っている。
そして、真彩をちらっと見る。
真彩に動揺は無い。
ひたすら、亜希の手伝いをしている真彩。
智之「照れるなよ。紗季さん、気立てが良くて綺麗で、悠斗の嫁に相応しいからなぁー。また家に招待したらどうだ? イギリスの話の続き、聞きたいって言っといてくれ」
アルコールを結構、飲んだのもあり、浮かれて、陽気な感じで話す智之。
すると亜希が、
そして、真彩をちらっと見る。
真彩に動揺は無い。
ひたすら、亜希の手伝いをしている真彩。
智之「照れるなよ。紗季さん、気立てが良くて綺麗で、悠斗の嫁に相応しいからなぁー。また家に招待したらどうだ? イギリスの話の続き、聞きたいって言っといてくれ」
アルコールを結構、飲んだのもあり、浮かれて、陽気な感じで話す智之。
すると亜希が、
と言って、話の腰を折る。
亜希、首を左右に振って、智之にアイコンタクトを送るが、智之、気付かず。
亜希、首を左右に振って、智之にアイコンタクトを送るが、智之、気付かず。
と言って、赤い顔をして上機嫌な智之。
亜希「パパ、ちょっと酔ってるね?」
呆れ顔の亜希、ちらっと悠斗の顔を見る。
真彩、キッチン台を綺麗に拭き終わると、タオルで手を拭き、亜希に、
真彩「じゃー、帰るね!」
と、笑顔で言う。
智之、真彩を見て、
智之「えぇ、もう帰るのか? もっとゆっくりして行ったらどうだ?」
と優しい口調で言う。
すると、真彩に、
智之「社長さんは忙しいですね!」
と、からかう様に言う智之。
真彩「もうー、パパも社長さんジャン!」
と、微笑んで言う真彩。
智之「あれっ? そうだったっけ?」
おどけた顔をして真彩を笑わす智之。
そして、
智之「無理するなよ! それと、今回みたいな危ない真似は絶対するなよ!」
と、真顔で真彩に念を押す智之。
真彩「はーい……」
真彩、智之に微笑む。
そして、智之にハグして、アメリカ流の挨拶をしてショルダーバッグを担ぐ真彩。
【中村家・駐車場】
亜希、真彩を見送る為に駐車場に居る。
真彩、バイクの鍵を刺し込み、そしてヘルメットを被り、手袋をはめる。
亜希、心配顔で真彩を見ている。
智之「社長さんは忙しいですね!」
と、からかう様に言う智之。
真彩「もうー、パパも社長さんジャン!」
と、微笑んで言う真彩。
智之「あれっ? そうだったっけ?」
おどけた顔をして真彩を笑わす智之。
そして、
智之「無理するなよ! それと、今回みたいな危ない真似は絶対するなよ!」
と、真顔で真彩に念を押す智之。
真彩「はーい……」
真彩、智之に微笑む。
そして、智之にハグして、アメリカ流の挨拶をしてショルダーバッグを担ぐ真彩。
【中村家・駐車場】
亜希、真彩を見送る為に駐車場に居る。
真彩、バイクの鍵を刺し込み、そしてヘルメットを被り、手袋をはめる。
亜希、心配顔で真彩を見ている。
真彩「うん?」
亜希「大丈夫???」
亜希「大丈夫???」
亜希「いや、そうじゃなくて……」
悠斗も、真彩を見送ろうと、玄関から出て来る。
真彩、ちらっと悠斗を見る。
真彩「じゃーね! お休み!」
と言って、笑顔で亜希に言う真彩。
亜希「気を付けてね!」
真彩、中型バイクに乗り、去って行く。
悠斗、真彩の後ろ姿をじっと見詰める。
亜希「ふぅ……」
溜め息をつく亜希。
悠斗、口を噤み、バイクに乗っている後ろ姿の真彩を、姿が見えなくなるまで見送っている。
亜希、悠斗の背中を優しくポンポンし、玄関へと向かう。
【イーストヒルズマンション・703号室】
悠斗が、リビングの窓から見える景色を眺めている。
悠斗の背後から、渡辺紗季(27歳)が、悠斗に抱きつく。
悠斗、抱きつかれたままじっと景色を見ている。
【高槻レオマンション・806号室】
真彩、リビングのソファに座り、テディベアに話し掛けている。
このテディベアは、真彩の誕生日に、悠斗がプレゼントした物だ。
悠斗も、真彩を見送ろうと、玄関から出て来る。
真彩、ちらっと悠斗を見る。
真彩「じゃーね! お休み!」
と言って、笑顔で亜希に言う真彩。
亜希「気を付けてね!」
真彩、中型バイクに乗り、去って行く。
悠斗、真彩の後ろ姿をじっと見詰める。
亜希「ふぅ……」
溜め息をつく亜希。
悠斗、口を噤み、バイクに乗っている後ろ姿の真彩を、姿が見えなくなるまで見送っている。
亜希、悠斗の背中を優しくポンポンし、玄関へと向かう。
【イーストヒルズマンション・703号室】
悠斗が、リビングの窓から見える景色を眺めている。
悠斗の背後から、渡辺紗季(27歳)が、悠斗に抱きつく。
悠斗、抱きつかれたままじっと景色を見ている。
【高槻レオマンション・806号室】
真彩、リビングのソファに座り、テディベアに話し掛けている。
このテディベアは、真彩の誕生日に、悠斗がプレゼントした物だ。
真彩「寂しいな……でも、しょうがないよね……これで良いんだよね。皆んなが幸せになるんだもんね。望まれて生まれた訳じゃない私が、こうやって生かされてるだけで感謝なんだから、自分の幸せを望むなんてもってのほかだよね……」
テディベアを抱き締め、自分に言い聞かす真彩。
真彩の目から涙が零れ落ちる。
真彩のスマホに着信音が鳴る。
画面に表示されている『悠斗』の文字。
真彩、テディベアを抱いたまま、電話に出ようとしない。
電話が切れる。
しかし、また掛かって来る。
それが何度か繰り返される。
しかし、真彩は一向に電話に出ようとしない。
【高槻駅周辺道路】
高槻駅近くの道路で、真彩と優衣は、横断歩道を渡るのに、信号が青になるのを待っている。
道路の右から、見覚え有る車が停車する。
目の前の信号が、青になったのを確認して横断する真彩と優衣。
真彩、横目でちらっと車の運転席と助手席を見る。
真彩(心の声)「悠斗と紗季さん、デートか……」
運転席には悠斗、助手席には悠斗の許嫁である紗季が座っている。
真彩の目から涙が零れ落ちる。
真彩のスマホに着信音が鳴る。
画面に表示されている『悠斗』の文字。
真彩、テディベアを抱いたまま、電話に出ようとしない。
電話が切れる。
しかし、また掛かって来る。
それが何度か繰り返される。
しかし、真彩は一向に電話に出ようとしない。
【高槻駅周辺道路】
高槻駅近くの道路で、真彩と優衣は、横断歩道を渡るのに、信号が青になるのを待っている。
道路の右から、見覚え有る車が停車する。
目の前の信号が、青になったのを確認して横断する真彩と優衣。
真彩、横目でちらっと車の運転席と助手席を見る。
真彩(心の声)「悠斗と紗季さん、デートか……」
運転席には悠斗、助手席には悠斗の許嫁である紗季が座っている。
独り心の中で笑う真彩。
優衣は、スマホで店を検索しながら歩いている。
悠斗と紗季、二人で顔を見合わせ会話している。
悠斗、真彩が目の前を通り過ぎたのに気付く。
優衣は、スマホで店を検索しながら歩いている。
悠斗と紗季、二人で顔を見合わせ会話している。
悠斗、真彩が目の前を通り過ぎたのに気付く。
悠斗、真彩の歩く姿を目で追う。
真彩(心の声)「紗季さんが、もうちょっとしたら義姉さんになるんだ……もっと喜ばないと……建前だけでも喜ばないとね……」
真彩、顔が曇る。
真彩(心の声)「紗季さんが、もうちょっとしたら義姉さんになるんだ……もっと喜ばないと……建前だけでも喜ばないとね……」
真彩、顔が曇る。
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