第42話 前世での出来事?
文字数 1,933文字
真彩、ベッドで寝ている。
夢を見ている真彩。
(真彩の夢 始まり)
悠か昔の時代。
真彩は悠斗の正室であるが、子どもが中々、出来ない。
悠斗の側室が、赤子を抱いている。
その横には、高貴な家柄の悠斗がいて、赤子の手を触り、嬉しそうな顔をしている。
真彩は近くに座り、作り笑顔で、その様子を見ている。
× × ×
悠斗、別の側室と楽しそうに会話している。
真彩、また作り笑顔で二人を見ている。
傷心の真彩。
(真彩の夢 終わり)
真彩、息がし難くなり、目が覚める。
コホコホと咳をする真彩。
真彩の目から涙が零れている。
悠斗、ベッドで寝ている。
夢を見ている悠斗。
(悠斗の夢 始まり)
悠か昔の時代。
身分の高い女性が赤子を抱いている。
その横には、高貴な家柄の悠斗がいて、赤子の手を触り、嬉しそうな顔をしている。
悠斗、近くに居る真彩をちらっと見る。
× × ×
悠斗、別の側室と楽しそうに会話している。
悠斗、近くに居る真彩をちらっと見る。
悠斗、複雑な心境。
(悠斗の夢 終わり)
悠斗に、とても辛い感情が襲って来る。
息苦しくなり、目が覚める。
悠斗、涙を流している。
真彩、仕事を早く切り上げ、実家に来ている。
晩御飯の用意をしながら、キッチンで話している亜希と真彩。
亜希「あぁ……」
亜希、苦笑いする。
真彩「悠斗って、ホント、女たらしなんだから!」
亜希「でも、その時代って、正室が居て、側室が何人もいる時代でしょ?」
真彩「まぁ、そうだけど……何か、許せない」
亜希「でも、逆の立場だったら? もし、真彩がその時代の男性で、高貴な立場だったら、子孫残さないとダメでしょ? 跡継ぎって重要だったから……」
真彩「何か、理不尽な世の中だよね……」
亜希「言ってるでしょ? この世は、理不尽なんだって。でも、全て意味のある事だからね」
真彩「分かってるけど……悠斗に対して腹が立つ」
亜希「まぁ、それは、真彩が悠斗の事、愛してるって事だから、ジェラシーはしょうがないね……」
真彩「あんな奴、愛してないもん。女たらし、大嫌いなだけだよ」
亜希「女たらし?」
真彩「うん。悠斗の周りには、悠斗の事、好きな女性が沢山いるもん」
亜希「うーん。悠斗の事を好きな女性は沢山いるかもしれないけど、悠斗が好きな人は、ずーっと一人だけだと思うけど?」
と、亜希、微笑みながら意味深な発言をする。
真彩「……?」
亜希「夢の答え、その内、解るんじゃない?」
真彩「えっ?……」
亜希「夢にも何らかの意味があるからね……時が来たら、答えを見せて貰えるかもね」
真彩「答えを見せて貰えるなんて、そんな事、あるのかねぇー? 夢って、脳が勝手に過去の記憶から作ってる訳だから……」
亜希「また、あーだこーだって考え過ぎない様にね! 真彩は理屈理論で考え過ぎるから頭が痛くなるんだからね!」
真彩「……」
真彩、口を尖らす。
亜希「でも、辛い時は、み仏様を祈るんだよ! あぁ、辛く無くても、日々、感謝で祈るんだよ。祈りを忘れない様にね!」
真彩「……はーい……」
亜希「で、悠斗に腹を立てない様にね! 真彩の惟いと悠斗の惟いはズレてるから」
真彩「ズレてる?」
亜希「まぁ、これも通らないといけない道なんだろうから、修行だね」
真彩(心の声)「ママ、何か、全てお見通しな感じがする。でも、教えてくれないんだ……未来の悠斗と私の事、きっと解ってるだろうに……」
真彩、亜希をじっと見る。
亜希(心の声)「未来の事は教えないよ! 教えたら修行にならないからね。それに、教えてはいけないってみ仏様に言われてるからね」
亜希、真彩をじっと見る。
すると真彩、亜希の背後に回り、甘える様に抱き着く。
亜希「真彩……真彩は挫折の因縁があるんだから、絶対に負けちゃーダメだよ!」
真彩「……うん……分かってる」
亜希、振り向いて、真彩を抱き締める。
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