第23話 タッくんと真彩

文字数 1,064文字

【松本家】

真彩の親友である、松本拓哉の家は、庭付き洋風建築の豪邸だ。
松本には姉が一人いて、その姉は、結婚して、他県に嫁いでいる。
故に、姉の部屋と松本の部屋を一つの部屋にして、防音を施し、楽器演奏が思う存分出来る、音楽スタジオにしたのだった。

壁には、音楽バンド Falcon のポスターがいくつも飾られてある。
額に入ったメンバーの写真も沢山飾られてある。

譜面台には、歌詞とギターコードが書かれた紙が置かれている。
PC画面は、曲作りの為の音楽ソフトの画面が出ている。

テーブルには、ビール、カクテルの空き缶や空き瓶、食べ物を食べた後の皿と箸がある。
真彩、ソファでウトウトし、寝落ちする。
松本「マーちゃん、寝ちゃった???」
真彩、目を瞑ったまま返事をしない。

松本「今日も沢山、頭使ったんだね……偉い、偉い」

松本、真彩をお姫様抱っこし、部屋の端に設置してある自分のベッドに寝かせる。
そして、松本、一緒にベッドに入り、真彩の寝顔をじっと見詰める。

松本(心の声)「マーちゃん、可愛いなぁ……僕の女神……」



     ×  ×  ×



三十分程して、真彩、目が覚める。
そして、横で寝ている松本を見る。

真彩(心の声)「タッくん、やっぱ、綺麗な顔してるなぁ……まつ毛、長っ……」

真彩、壁に掛かっている時計を見る。

真彩「あぁ……もうこんな時間……」
真彩の言葉で松本、目が覚める。

松本「あぁ……僕も寝ちゃった……泊まってったら?」

真彩「そうしたいけど……明日も仕事だから帰るわ……」

松本「えぇ? 日曜日なのに?」

真彩「うん。しゃーないわ」

松本「そっか……じゃー、送るよ」

真彩「んん? タッくん、アルコール、飲んでないの?」

松本「うん、飲んでないよ。ノンアルコールのビール飲んだだけだから。マーちゃんを家まで送るつもりだったから……」

真彩「あぁ……ゴメンね。いつも有難う……」

松本、起き上がり、ベッドから出る。
そして、真彩も起き上がり、両手を上にあげて背伸びをする。

真彩、松本の部屋を出る際、甘える様に松本とハグして、挨拶のキスをする。

真彩「有難うね、タッくん……御馳走様」

松本「どう致しまして!」

真彩「あぁ、片付けしなくて、ゴメン……」

松本「大丈夫だよ」
真彩「じゃー、編曲、宜しくね。あぁ、歌詞、おかしな箇所があったら言ってね。すぐ直すから!」
松本「大丈夫だよ。おかしな箇所は無かったよ!」
と言って、松本、真彩に微笑む。

階段を降りる真彩と松本。

真彩「おじさん、おばさん、お邪魔しましたー!」
と言って、リビングに居る松本の両親にひと声かけ、玄関を出て行く真彩。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色