第19話 真彩と野球
文字数 1,755文字
【ハーモニー社・社長室】
社長室で仕事をしている真彩と優衣。
真彩のスマホにメッセージ音が鳴る。
仕事関連からの返信かと思い、直ぐスマホを開き、チェックする真彩。
すると、
真彩「はぁ……」
と、溜め息をつき、電源を切る。
社長室で仕事をしている真彩と優衣。
真彩のスマホにメッセージ音が鳴る。
仕事関連からの返信かと思い、直ぐスマホを開き、チェックする真彩。
すると、
真彩「はぁ……」
と、溜め息をつき、電源を切る。
優衣「うーんと……どの元カレさんかな?」
真彩「私のヴァージンを奪った元カレ」
優衣「あぁ……あの元カレさんですか……」
真彩「日本に帰って来た途端……何なんだ?……あいつ……」
優衣「あぁ……」
真彩「こっちは、それどころじゃねぇーつーに……」
真彩、怒った感じで言う。
優衣「あぁ……」
優衣、顔が引き攣る。
【営業部1課】
夕方、仕事を終えた杉山。
椅子に座ったまま、両手を挙げて背筋を伸ばしながら秋元に喋りかける。
真彩「私のヴァージンを奪った元カレ」
優衣「あぁ……あの元カレさんですか……」
真彩「日本に帰って来た途端……何なんだ?……あいつ……」
優衣「あぁ……」
真彩「こっちは、それどころじゃねぇーつーに……」
真彩、怒った感じで言う。
優衣「あぁ……」
優衣、顔が引き攣る。
【営業部1課】
夕方、仕事を終えた杉山。
椅子に座ったまま、両手を挙げて背筋を伸ばしながら秋元に喋りかける。
杉山「あぁ。でも色々変わり過ぎだわ。社長のスピードに付いて行かれへん。今迄、普通電車の運転やったんが、新幹線のぞみに変わった感じや。早過ぎて景色ゆっくり見られへんわ」
秋元「杉山さん、上手いこと言いますね。何か、社長みたい……」
杉山「そっか? へへっ、社長の真似してん」
と言って、にやつく杉山。
すると、秋元、微笑む。
杉山「それに、朝の掃除なんて面倒やし……社長は命令するだけでええよなぁー……」
秋元「えっ? 社長、掃除されてますよ?!」
杉山「えっ? そうなん?」
秋元「はい。それに、月・水・金の朝は、会社の周りも掃除されてるんですよ?!」
杉山「えっ?……マジ?」
杉山、驚いた顔をする。
秋元「綺麗にすると、会社の印象が良くなるし、ご近所さんにも喜ばれるって。それに、綺麗な所には綺麗なものが寄って来て、悪いものが寄って来なくなるって仰ってました」
杉山「へーぇ……」
秋元「割れ窓理論だそうです」
杉山「割れ窓理論?」
秋元「はい。建物の窓が壊れたまま放置してると、誰もそこに注意払ってないから、犯罪を起こし易くなるって。近所の住民が犯罪に関する意識が薄いから、犯罪が増え易いそうです」
杉山「へーぇ」
秋元「いつも綺麗にしてたら、ゴミのポイ捨ても、し難いだろうからって……」
杉山と秋元の会話に、聞き耳を立てている前田と光。
秋元「俺、草野球やってるんで、朝走ってるんですけど、社長が就任された日から会社の周りを若い女の子が掃除してるんで、『ご苦労様です』って挨拶したんです。後で社長だって知って、ビックリしました」
杉山「えぇー?……マジか……」
秋元「なので、俺も掃除に参加させて貰ってます。社長は有言実行の人ですよ?!」
と言って、秋元、微笑む。
秋元「あぁ、それに、この前、試合、見に来てくれたんですよ?!」
杉山「えぇ? ほんまか?!」
秋元「はい」
と、嬉しそうな顔で返事する秋元。
秋元「それがですね、俺たちのチーム、一人、体調不良で欠けたもんで、急遽、ダメ元で社長にお願いして出て貰ったんです」
杉山「えぇ?……」
秋元「外野、守って貰ったんですけど、フライ、ちゃんと取ってくれて、盗塁も阻止したんですよ?!」
秋元「杉山さん、上手いこと言いますね。何か、社長みたい……」
杉山「そっか? へへっ、社長の真似してん」
と言って、にやつく杉山。
すると、秋元、微笑む。
杉山「それに、朝の掃除なんて面倒やし……社長は命令するだけでええよなぁー……」
秋元「えっ? 社長、掃除されてますよ?!」
杉山「えっ? そうなん?」
秋元「はい。それに、月・水・金の朝は、会社の周りも掃除されてるんですよ?!」
杉山「えっ?……マジ?」
杉山、驚いた顔をする。
秋元「綺麗にすると、会社の印象が良くなるし、ご近所さんにも喜ばれるって。それに、綺麗な所には綺麗なものが寄って来て、悪いものが寄って来なくなるって仰ってました」
杉山「へーぇ……」
秋元「割れ窓理論だそうです」
杉山「割れ窓理論?」
秋元「はい。建物の窓が壊れたまま放置してると、誰もそこに注意払ってないから、犯罪を起こし易くなるって。近所の住民が犯罪に関する意識が薄いから、犯罪が増え易いそうです」
杉山「へーぇ」
秋元「いつも綺麗にしてたら、ゴミのポイ捨ても、し難いだろうからって……」
杉山と秋元の会話に、聞き耳を立てている前田と光。
秋元「俺、草野球やってるんで、朝走ってるんですけど、社長が就任された日から会社の周りを若い女の子が掃除してるんで、『ご苦労様です』って挨拶したんです。後で社長だって知って、ビックリしました」
杉山「えぇー?……マジか……」
秋元「なので、俺も掃除に参加させて貰ってます。社長は有言実行の人ですよ?!」
と言って、秋元、微笑む。
秋元「あぁ、それに、この前、試合、見に来てくれたんですよ?!」
杉山「えぇ? ほんまか?!」
秋元「はい」
と、嬉しそうな顔で返事する秋元。
秋元「それがですね、俺たちのチーム、一人、体調不良で欠けたもんで、急遽、ダメ元で社長にお願いして出て貰ったんです」
杉山「えぇ?……」
秋元「外野、守って貰ったんですけど、フライ、ちゃんと取ってくれて、盗塁も阻止したんですよ?!」
と言って、光も話に加わる。
秋元「で、バッティングもビックリで、一打席目はヒット。二打席目はバントで出塁。三打席目は三遊間ヒットで、もう、皆んな『信じられん』って言ってました」
光「社長、野球やってたんですかね? 普通、バットになんてかすりもしないですもん。まして、バントなんて、怖くて無理ですよ」
秋元「社長が仰るには、小さい頃、朝一に、お兄さんと一緒にキャッチボールしたり、バッティング練習してたそうです。で、日本に居る時は、お兄さんが所属していたチームで一緒に練習したって仰ってました」
光「へーぇ……運動神経、良いんだね……」
秋元「あぁ、社長、運動神経、メチャ、良いですよ。体幹が違いますもん。打ち方で分かりますから。構えもカッコイイですし……」
秋元「で、バッティングもビックリで、一打席目はヒット。二打席目はバントで出塁。三打席目は三遊間ヒットで、もう、皆んな『信じられん』って言ってました」
光「社長、野球やってたんですかね? 普通、バットになんてかすりもしないですもん。まして、バントなんて、怖くて無理ですよ」
秋元「社長が仰るには、小さい頃、朝一に、お兄さんと一緒にキャッチボールしたり、バッティング練習してたそうです。で、日本に居る時は、お兄さんが所属していたチームで一緒に練習したって仰ってました」
光「へーぇ……運動神経、良いんだね……」
秋元「あぁ、社長、運動神経、メチャ、良いですよ。体幹が違いますもん。打ち方で分かりますから。構えもカッコイイですし……」
と言って、前田も話に加わる。
光「えっ? 空手と合気道もするの? スゴッ。文武両道を兼ね備えてるんですね……羨ましいー……」
杉山「凄いなぁ……」
光「えっ? 空手と合気道もするの? スゴッ。文武両道を兼ね備えてるんですね……羨ましいー……」
杉山「凄いなぁ……」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)
(ログインが必要です)