第90話 智之の不倫?
文字数 1,630文字
【梅田北・ホテルグランヴィア大阪・出入口】
悠斗と真彩、父親の智之がホテルから出て来るのを待っている。
悠斗と真彩、父親の智之がホテルから出て来るのを待っている。
真彩、ちょっと不安になる。
悠斗「まさか。父さん、母さんにラブラブなのに? お揃いの服、着たがるのに?」
真彩「うーん、でも、悪く考えると、それってカモフラージュ―なのかも?」
悠斗「またー、悪く考え過ぎだよ」
真彩「でも、コソコソしてない? 変装して、ママには『ちょっと出て来る』としか言わなかったみたいだし……怪し過ぎるよ。ホテルに入って何分経つ?」
悠斗「まさか。父さん、母さんにラブラブなのに? お揃いの服、着たがるのに?」
真彩「うーん、でも、悪く考えると、それってカモフラージュ―なのかも?」
悠斗「またー、悪く考え過ぎだよ」
真彩「でも、コソコソしてない? 変装して、ママには『ちょっと出て来る』としか言わなかったみたいだし……怪し過ぎるよ。ホテルに入って何分経つ?」
真彩「言えない事情ねぇー……」
悠斗「うん……」
真彩「あー嫌だ! 今、前頭葉に、パパと女の人がくっついてる光景が映ってる」
悠斗「おいおい、想像し過ぎだよ! 俺は、父さんを信じるから!」
真彩「ふーん。やっぱり男は男を擁護するね」
悠斗「おいおい、父さんをもっと信じようよ?!」
悠斗「うん……」
真彩「あー嫌だ! 今、前頭葉に、パパと女の人がくっついてる光景が映ってる」
悠斗「おいおい、想像し過ぎだよ! 俺は、父さんを信じるから!」
真彩「ふーん。やっぱり男は男を擁護するね」
悠斗「おいおい、父さんをもっと信じようよ?!」
真彩「えぇ? ホントのこと言っただけだけど? 別に喧嘩なんて売ってないし、喧嘩したらパワー使うから、嫌だもん」
悠斗「もうー! もう二度と美紀っていう名前、出さないでくれる?!」
真彩「あぁ、ゴメン。私、きっと心の奥底で、情に弱い悠斗に腹立ってるんだわ。パパも同じだから、パパに対しても腹が立ってるんだわ……」
悠斗「?……」
真彩の言葉で、悠斗、口を尖らす。
すると真彩、急に笑顔で、
真彩「何か私達、探偵とか刑事みたいだね。まさかパパを尾行するなんてね!」
と、言い出す。
すると悠斗、
悠斗「あのねー、何か楽しんでない? 俺、事実知るの、怖いんですけど……」
と、苦笑いの悠斗。
しばらくすると、キャシャな中年女性が、智之と腕を組んでホテルから出て来る。
真彩「あっ、出て来た! 腕組んでるジャン! もうー、パパ、何やってんの?! 警戒心ないのかねー? 誰か知ってる人に見られたらどうするんだろう。完璧、不倫ジャン!」
真彩、頬を膨らます。
悠斗「一応、社長なんだから、もっと警戒して欲しいんだけど……それこそ、週刊誌の記者に写真撮られたら終わりだぞ?」
嬉しそうな顔をして、智之と腕を組んでいる中年女性を、真彩、じっと見詰める。
すると、
悠斗「もうー! もう二度と美紀っていう名前、出さないでくれる?!」
真彩「あぁ、ゴメン。私、きっと心の奥底で、情に弱い悠斗に腹立ってるんだわ。パパも同じだから、パパに対しても腹が立ってるんだわ……」
悠斗「?……」
真彩の言葉で、悠斗、口を尖らす。
すると真彩、急に笑顔で、
真彩「何か私達、探偵とか刑事みたいだね。まさかパパを尾行するなんてね!」
と、言い出す。
すると悠斗、
悠斗「あのねー、何か楽しんでない? 俺、事実知るの、怖いんですけど……」
と、苦笑いの悠斗。
しばらくすると、キャシャな中年女性が、智之と腕を組んでホテルから出て来る。
真彩「あっ、出て来た! 腕組んでるジャン! もうー、パパ、何やってんの?! 警戒心ないのかねー? 誰か知ってる人に見られたらどうするんだろう。完璧、不倫ジャン!」
真彩、頬を膨らます。
悠斗「一応、社長なんだから、もっと警戒して欲しいんだけど……それこそ、週刊誌の記者に写真撮られたら終わりだぞ?」
嬉しそうな顔をして、智之と腕を組んでいる中年女性を、真彩、じっと見詰める。
すると、
と、驚く真彩。
悠斗も、真彩と同じ様に、中年女性をじっと見詰めている。
悠斗も、真彩と同じ様に、中年女性をじっと見詰めている。
悠斗も驚く。
真彩「あの女性、黒い翳、凄いね。多分、癌だね。寿命、一年位かな? パパ、多分、知ってるんだろうね。労りながら歩いてるから……」
悠斗「膵臓辺りじゃないか? 寿命、もっと短いかもしれないな。だから付き合ってあげてるんだろうな、きっと……」
真彩「そういう事か。はぁ……何か、切ないね」
真彩、悲しそうな顔になる。
【神戸ハーバーランド・レストラン】
レストランで、食事を楽しんでいる智之と中年女性。
真彩、二人の姿を、こっそりスマホで隠し撮りしている。
紅茶を飲む真彩。
悠斗は珈琲を飲んでいる。
悠斗「紅茶、美味しい?」
と、真彩に聞く悠斗。
真彩「うん。美味しいよ」
と言うと、真彩、直ぐに自分の飲んでいる紅茶を、悠斗に差し出す。
すると悠斗、洒落たティーカップに入っている真彩の紅茶を飲む。
悠斗「うん。美味しいね。真彩、ダージリン、好きだよな」
真彩「うん。好きだね」
悠斗「コーヒーも美味しいよ」
と言って、真彩の前に悠斗が飲んでいるコーヒーカップを差し出す。
真彩、それを飲むと、
真彩「あぁ、美味しい。飲み易い。このブレンド、良いなぁー」
と言いながら、洒落たコーヒーカップを見る。
悠斗「ここの店、良いね」
真彩「うん……」
悠斗、テーブルに両肘ついて指を組み、真彩を見詰める。
真彩「あの女性、黒い翳、凄いね。多分、癌だね。寿命、一年位かな? パパ、多分、知ってるんだろうね。労りながら歩いてるから……」
悠斗「膵臓辺りじゃないか? 寿命、もっと短いかもしれないな。だから付き合ってあげてるんだろうな、きっと……」
真彩「そういう事か。はぁ……何か、切ないね」
真彩、悲しそうな顔になる。
【神戸ハーバーランド・レストラン】
レストランで、食事を楽しんでいる智之と中年女性。
真彩、二人の姿を、こっそりスマホで隠し撮りしている。
紅茶を飲む真彩。
悠斗は珈琲を飲んでいる。
悠斗「紅茶、美味しい?」
と、真彩に聞く悠斗。
真彩「うん。美味しいよ」
と言うと、真彩、直ぐに自分の飲んでいる紅茶を、悠斗に差し出す。
すると悠斗、洒落たティーカップに入っている真彩の紅茶を飲む。
悠斗「うん。美味しいね。真彩、ダージリン、好きだよな」
真彩「うん。好きだね」
悠斗「コーヒーも美味しいよ」
と言って、真彩の前に悠斗が飲んでいるコーヒーカップを差し出す。
真彩、それを飲むと、
真彩「あぁ、美味しい。飲み易い。このブレンド、良いなぁー」
と言いながら、洒落たコーヒーカップを見る。
悠斗「ここの店、良いね」
真彩「うん……」
悠斗、テーブルに両肘ついて指を組み、真彩を見詰める。
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