第136話 悠斗と真彩のクリスマスイブ

文字数 6,458文字

【ハーモニー社・高槻店カフェ】

クリスマスイブの日、店内では楽しいイベントが行われている。

従業員は、サンタ帽子を被り、笑顔を振舞っている。

社長である真彩もサンタ帽子を被り、従業員と共に笑顔で販売促進に努めている。

楽しい音楽と共に、多くの人で賑わっている。



【高槻レオマンション・806号室】

真彩がドアの鍵を開けて、家に入る。
真彩「只今ー!」
ちょっと疲れた様子の真彩。

すると、エプロン姿の悠斗が、玄関に真彩を迎えに来る。
悠斗「お帰り!」
と言って、真彩に挨拶キスをする。

そして、直ぐに真彩に背を向け、中腰になる。

すると真彩、鞄を玄関に置き、悠斗の背中に乗り、悠斗におんぶして貰う。

悠斗「お疲れ」

真彩「疲れた。踊らされたし。でも、楽しかった。お客さんも喜んでくれてさぁー」

悠斗「それは良かったね」

悠斗、リビングの応接セットのソファに真彩を降ろす。

真彩、一息つくと洗面所に行き、手を洗い、うがいをする。

そして、玄関に置いていた鞄を持ち、自分の部屋に行って部屋着に着替え、リビングに戻って来る真彩。

真彩「お腹空いたー」
と、真彩、甘えた感じで悠斗に言う。

すると悠斗、テーブルに用意してあるホットプレートに、お好み焼きの生地を流す。
悠斗「ねぇ、ホントにお好み焼きで良かったの?」
真彩「うん?……何で?」
悠斗「いや、クリスマスイブだから、洒落たレストランとか、どこかキラキラした所に行きたかったんじゃないの?」

真彩「えぇ? 私、そんな所より、家で好きな人と二人でまったり過ごす方が良いもん」
と、ボソッという真彩。

悠斗、真彩の飾らない言葉に嬉しくなり、微笑む。

真彩「お好み焼きとビールで、充分、幸せだよ。つまみは悠斗」
と、冗談を言って笑う真彩。

悠斗「なら、良いけど……つーか、俺、メインじゃなくて、つまみ?」
と言って冗談で返す悠斗。

真彩「うん。つまみ。お酒飲む時、無くてはならないもの」
と言って微笑む真彩。

真彩「あれっ、という事は、悠斗は洒落たレストランとか、キラキラした所でクリスマスイブを過ごしたかったって事?」

悠斗「ううん。俺も真彩と同じだよ。家でゆったりまったりする方が良い。基本、真彩が傍に居てくれたら、それだけで幸せだから。それに……」

真彩「?……それに?」
悠斗「今日はたっぷり、真彩をしゃぶるから」
真彩「私、しゃぶられるの? 日干ししてないから、ビタミンD、吸収してないよ?」
と、冗談で返す真彩。

悠斗「ビタミンD無くても別に良いよ。真彩が参ったって言うまでしゃぶるもんね」
と、また悠斗、真彩の言葉遊びに即座に反応して返す。

真彩「ふふっ、それは嬉しいかな?」

悠斗と真彩、微笑み合う。

お好み焼きをひっくり返す悠斗。

真彩「でも、クリスマスって言っても、私たちは仏教徒だから、本来はクリスマスって関係ないんだけどね」
と言って笑う真彩。

悠斗「だよな。あぁ、そう言えば、成道会の法要の時、真彩の会社の人達、結構来てたよな」

真彩「あぁ、お釈迦さまがお悟りを開かれた日だから、沢山の人に知ってもらいたくてね。真正寺、近いから有難いよ。ちょっとでも仏教の素晴らしさを知って貰って、争いの無い平和な世の中になって欲しいからね」

悠斗「でも、皆んな、よく来てくれたよね」

真彩「うん。杉山さん、前田さん、秋元さん、石川さん、派遣の柴田さん、それに、平井課長、北川さん、山下店長、秋田店長、誘ったら皆んな来てくれたもんね。あぁ、平井課長は昔から精進してるから当然だけど。まさか本当に皆んな来てくれるなんて思ってなかったから、ビックリだったわ」

悠斗「凄いよな、真彩は」

真彩「あぁ、私、別に皆んなを暗示に掛けたり、強制したりした訳じゃないからね。只、前に何度か仏教の素晴らしさを熱弁した事があって、その時、素直に聞いてた人達だから」

悠斗「へーぇ、真彩の言葉が、八万四千の毛穴から入って、通じたんだな」

真彩「紀香も来たし、警察官のコンちゃんも来たし、井上親子は精進してるから勿論だし、MZCの受付の、りっちゃんも、カズくんもパパも来たから、皆んな優秀だよ。素晴らしいよ。まぁ、りっちゃんとカズ君も昔から精進してるから当然だけど」
悠斗「世の中がちょっとでも良くなるには、日々感謝して、他人様(ひとさま)の事を思い遣って、和合に努めて、お互いに合掌できる様になったら平和になるのにな」
真彩「うん。ホントそう思う。対立の無い世界も夢じゃないと思う。でもさぁー、正しい信仰してたら、絶対に争いとか戦争なんて起こらないのにね。皆んなが平和になる為の信仰が、本当の宗教だもんね」
悠斗「うん」

悠斗、また、お好み焼きをひっくり返す。

悠斗「あぁ、そうそう、前にさぁー、真彩のこと狙ってた池本、彼女が出来たみたいだよ」

真彩「えぇ、そうなんだ、それは良かったね」

悠斗「池本、未だ、真彩のパトロンが、自分が勤めてる会社の社長だって思い込んでるから、オモロイわ」

真彩「えぇ、未だ信じてるの? まぁ、パパは支援者には違いないから、別にパトロンって思っててくれても良いけどね」
と言って笑う真彩。

真彩「でも、パトロン、イコール、愛人って思われてるのはちょっとどうなんだろうね? ママに失礼だし」

悠斗「えぇ、じゃー、社長は真彩の父親で、俺は真彩の兄で、俺と真彩とは愛し合ってて、事実婚をしてるって、本当の事、言える?」

真彩「言える訳ないよね」
と言うと、悠斗と真彩、笑い合う。

悠斗「あぁ、でね、経理の女の子が、池本の事、前から好きだったみたいで、周りがお膳立てしたらしいわ」

真彩「へーぇ、それは良かったね」

悠斗「で、池本、その子を意識し始めて、付き合い出したって訳」

真彩「へーぇ。池本さん、面白い人だし、相手の懐に入るのが上手だから、女の子には人気ありそうだもんね。あぁ、池本さん、お姉さんがいるから、女性慣れしてて、女心掴むの上手だよね」
悠斗「えぇー、池本の事、よく知ってるんだな」
と、ちょっといじけた感じで言う悠斗。
真彩「あの人さぁー、自分の事、隠さず楽しく喋るし、自虐ネタも言うし、話題豊富なんだよね」
悠斗「ふーん。じゃー、話してて楽しかったんだ……」

真彩「うん。楽しかったよ。興味ある事が、類似しててさぁー」

悠斗「ふーん」
と言って、口を尖らす悠斗。

悠斗「ねぇ、前、タッくんの店であいつとどんな話したの?」

真彩「えぇ? あぁ、物理学が主かな? と言っても、私が好きな分野だけだよ。宇宙の事とか、光と音、振動、量子力学、素粒子、電磁波。あと、古代文明、月の裏側の実態、地球外生命体、オリオン座ってとこかな?」

悠斗「ふーん。絶対、面白いよな。俺もその場に居たら、話が止まらないと思うわ」

真彩「あぁ、あと、古代文明の話をした時、私はピラミッドが古代の発電施設だと思ってるって言ったら、池本さんもそう思うって言って、共感してくれた」

悠斗「へーぇ」

真彩「霊的な働きの事も話した。池本さん、怖がらなかったから。レオナルド・ダ・ヴィンチさんやニコラ・テスラさんの様な偉大な発明家って、絶対に霊的な存在と交信してたと思うって言ったら、池本さんも同感だって」

悠斗「ふーん」

真彩「あぁ、あと、空海さん、お釈迦様も勿論、そうだと思うって言ったら、これも同感だって言ってた」

悠斗「へーぇ。意外と分かってる奴なんだ」

真彩「私、実は、ニコラ・テスラさんって、女性に対して偏見あるから嫌いなんだよね。でも、池本さんが名前出すもんで仕方なく合わせてたけど」

悠斗「あぁ、確かに偏見凄いある人だもんな」
真彩「池本さんって、霊的な事象とか受け入れる人みたいだね。真正寺に連れてってあげたいね。実体験させてあげたいわ」
悠斗「あぁ、そうだな……本当は嫌だけど」

真彩「えっ? 何で嫌なの?」
悠斗「だって、あいつ、真彩のこと好きだったから」
と言って、口を尖らす悠斗。

真彩「もうー、彼女さんが出来たんだから大丈夫でしょ?」

悠斗「そうかな? でも、あんまり距離が近くなったら、真彩と俺の事、バレちゃうよ?」

真彩「あぁ……じゃぁ、その時は、兄妹だって事は白状しちゃおう?! 事実婚に関しては、悠斗も私も、会社の人達に海外の人と結婚したって思われてるから、大丈夫と思うんだけど。でも、バレたらバレたでしょうがないよ」

悠斗「ふーん……」

真彩、悠斗に微笑む。

悠斗「あぁ、そう言えば、あいつさぁ、小さい頃、アメリカに住んでて、一戸建ての家に住んでる時、知らない白人女性が階段を上がって二階に行こうとしてるのを見たり、日本の小学校でも、鍵が掛かって誰も居ない音楽教室で、ピアノ弾いてる女性をガラス越しに見たって言ってた。あいつ、霊が見えたんだって」

真彩「そうなんだ。池本さんって見える人だったんだ。同類だから引き寄せられたのかなぁ?」

悠斗「でも、見えたのは小さい時だけだったみたいだよ。中学生になってからは見てないって言ってた」

真彩「ふーん、そうなんだ」

悠斗「俺達と同類ではないな。でも、本人は気付いてないだけで、実は大勢の中に霊を見てるけど、それが霊だと認識出来てないだけの人が結構いるからね」

真彩「あぁ、そうだね。都会のスクランブル交差点で、見分けるのが大変な様にね」

悠斗「うん……」
真彩「でも、この世は不思議だよね。魂は永遠で、肉体だけ借りて過ごしてるんだから」
悠斗「あぁ、不思議だ。所詮、借り物なのに、その肉体に執着してるんだもんな。俺なんか、特に、真彩の肉体にめっちゃ執着してるもんな」
真彩「えぇ? 肉体だけ?」
と言って、口を尖らす真彩。

悠斗「んな訳ないだろ?! 真彩の魂、意識、心と共に執着してるに決まってるだろ。だって、前世でも一緒だったんだから」

真彩「良かった」
と言って微笑む真彩。

悠斗「真彩は?」

真彩「悠斗と一緒に決まってるでしょ?!」

悠斗と真彩、微笑み合う。



【バスルーム】

バスタブの湯船に浸かっている悠斗と真彩。

悠斗、真彩の背中を見ながら、真彩の肩を揉んでいる。

悠斗「また右が凄い凝ってるね」
真彩「あぁ、そこ、気持ち良いー。そこ、世界的に認められている三百六十一のツボの一つだわ。ホント、悠斗は上手だよね。整体師に直ぐ慣れるよ」
悠斗「じゃー、なろうかな? でも、ツボってさぁ、世間で言われてるその倍以上の数あるよね」
真彩「うん。ある。それに、人にもよるだろうしね」

悠斗「だよな」

真彩「あぁー、ダメだ。やっぱり悠斗、整体師にならないでね」

悠斗「えっ? なんで?」

真彩「だって、女の人の身体、触るから。悠斗が私以外の女性に触るの、嫌だ。もし整体師になるんだったら、私専属の整体師だよ?!」

悠斗「そっか、じゃー、真彩専属の整体師になろうかな?」
と、冗談を言う悠斗。

悠斗、今度は、真彩の乳房を掴み、揉む。

そして、真彩の首筋を愛撫する悠斗。

首に弱い真彩は、肩を上げ、くすぐったがる。



【悠斗の部屋】

悠斗の大きなベッドで、裸で抱き合っている悠斗と真彩。

悠斗「真彩……愛してるよ」
と言うと、
真彩「悠斗……愛してるよ」
と、真彩も悠斗に言う。

悠斗、真彩にキスをする。
そして、真彩を愛撫し始める悠斗。

大好きな真彩の乳首を口にくわえ、舌で転がして遊ぶ悠斗。

それが終わると、悠斗、今度は、いつもの様に真彩の乳房をしゃぶり、喜んでいる。

そして、愛撫が真彩の上半身から下半身まで行くと、口や手を使って、真彩の性感帯を刺激する悠斗。

悠斗、真彩のクリトリスを愛撫し、真彩に快感を与えている。

真彩「あぁ……感じる……」
と、素直に言う真彩。

悠斗、真彩を感じさせる事に喜びを得ている。

真彩の悩ましい声を聴きたいが故に、一生懸命になっている悠斗。

真彩は、悠斗が喜んでくれるのが嬉しいので、悠斗の行為によって快感を得ているという事を言葉に出している。

お互いの、喜びの相乗効果により、一層、幸せ度が増している悠斗と真彩。

真彩の性感帯を熟知している悠斗は、無駄な時間を掛ける事なく、真彩を快感に導いている。

真彩「……あぁ……んん……」
と、真彩の悩ましい声が漏れる。


今度は、体位が逆になり、悠斗が下になり、真彩が、馬乗り状態になる。

真彩、悠斗の男性器を片手で掴み、口や手を使って愛撫し、その後、上下に動かし勃起さす。

そして、真彩の女性器の腟が充分に潤ったので、真彩、騎乗位の体位となり、女性器の腟に悠斗の男性器を挿入する。

悠斗を刺激し、喜ばせている事に喜びを得ている真彩。

真彩は、悠斗が喜ぶ事が何よりも嬉しいのだ。


今度は、悠斗、体位を変え、真彩を下にする。

真彩が好む正常位の体勢になる様に、悠斗が真彩の脚の間に入り、覆い被さる様に重なり、真彩の女性器の腟に悠斗の男性器を挿入する。

そして、ピストンしながら、真彩にキスをしたり、乳房を揉んだり、愛撫したりする悠斗。
真彩「悠斗、ダメ、気持ち良すぎる……」
すると、悠斗、コンドームを直ぐに着け、また、ピストンする。

真彩も悠斗と同じ様に腰を動かし、刺激し合う。

真彩、頭がツーンとし出す。

そして、オーガズムを得た悠斗と真彩。

悠斗と真彩、力尽きる。

そして、真彩に覆い被さったまま、余韻を楽しむ悠斗と真彩。
悠斗「もっと時間掛けて違う体位したかったんだけどな……」
真彩「もう、充分だよ」
と言って、微笑む真彩。

悠斗「気持ち良かった」
と悠斗が言うと、
真彩も、
真彩「うん。気持ち良かった。悠斗、大好きだよ」
と、優しい笑顔で言う。

悠斗「真彩、大好き」
と言って、真彩に微笑む悠斗。

悠斗「何か、今、思ったんだけどさぁ、紳士、淑女って言われる人達も、皆んなこんな事してるんだって思ったら、可笑しいよね」
真彩「ホントだね。皆んな、裸と裸で交わる訳だからね。交わらないと子どもも出来ないし」
悠斗「前の夜にセックスして、皆んなすました顔して朝、会社に出勤してって、想像したら、何か、可笑しくなったよ」
真彩「ホント、そうだよね、いつも清楚な感じの人も、こんなエッチな事をしてる訳だ」

悠斗「まぁ、これは人の営みだからなぁー」

真彩「とは言え、皆んなが皆んなセックスする訳じゃないからね。経験しないで一生終える人もいるし。知らなければ知らないで、それで良いのかもしれないね」

悠斗「そう?」

真彩「だって、セックスに狂ってる人もいるから。男女問わず」

悠斗「あぁ、性犯罪する人間は、再犯する確率高いしな」

悠斗、起き上がり、サイドテーブルに置いてあるティシュを数枚取り、着けていたコンドームを外す。

そして、真彩にもティシュを数枚渡すと、真彩、自分の女性器を拭く。
悠斗「良い相手に巡り会う事が出来なかったら、性交渉なくこの世を終える人もいるだろうしな」
真彩「うん。だから、セックスの経験ない人、結構いると思う。だけど、セックスが苦痛になってる人も実際にいるからねぇー」
悠斗「あぁ、この前、何かの記事で見たけど、セックスレス夫婦の割合は年々増加してるって。で、色んな調査で、二十代から五十代対象で、セックスレスが五割から六割に達してるって結果らしいわ」

真彩「げっ、半分以上って凄いね。ビックリ。そりゃー、離婚率も上がるよね。三組に一組が離婚するっていうのも分かるわ」

悠斗「セックスがめんどくさいって言う人も結構いるみたいだからな」

真彩「あぁ……愛情が減っちゃうと面倒って思うかもね。仕方なく付き合ってあげてるって人も多いかも。恋愛中の時みたいに、お互いに愛を求め合ってたら、セックスしたくてしょうがないって感じになるけどね」
悠斗「俺、八十歳まで真彩を喜ばせる様に頑張るからな! セックスレスにならない様にしような!」
真彩「えぇ、八十歳まで頑張るの?」
と言って笑う真彩。

悠斗「やっぱ、無理かなぁー?」
真彩「悠斗なら大丈夫。私がパワー送るし、私が立たすから」
と言って、悠斗の顔を見て微笑む真彩。

悠斗「良かった。八十歳まで真彩とセックス出来るんだ。嬉しいなぁー」
真彩「八十歳と言わず、九十歳まで私を喜ばせてね!」
と言って微笑む真彩。
悠斗「よし、任せとけ!」
と言って、真彩の顔を見て微笑む悠斗。
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