第45話:同窓会と薫子の秘密の過去

文字数 1,618文字

 樋口さんも、うちも同じ様なものよと話した。久石が、それでも大きな農家の家で、住む所、食べるものにも不自由しないだけ、まだましだよと言った。同窓生の小泉秀夫なんか、市営住宅に住んでいたが老朽化のためマンションに改築されて家賃が2倍以上になって、10キロ離れた木造の築50年の木造の市営住宅に移動。

 そして生活保護を受けて、友人達が、米をあげたりして助けているよと言った。その点、清水君は、高給取りだったわよね、うらやましいと言われた。それに対し、50才で、激務がたたって、重度の自律神経失調症で3年間も廃人同様の生活を強いられた。子供達が、大学生で、当時は、本当に大変だったと言った。

 さらに、その後、女房が、ガンが見つかり3ヶ月して急逝したと話した。それを聞き、そうだったの、それは大変だったわね。知らないでこめんなさいねと雨木さんが、清水に謝った。樋口さんが、じゃー、清水君は、独身なのねと言い、ちょうど、中本さんも、ご主人を亡くした未亡人で、お似合いのカップルよねと言った。

 女性達が、そうよねと口を、そろえてえ話した。今市さんが、中学の時も、随分仲良かったしねと昔を思い出した。すると、そうだったねと全員が納得。その話を聞いて、中本は、色白の顔を赤らめて、隠しているが、嫌だらか、言うけど、一緒に住んでると打ち明けた。これを聞いたら仲間達は、すげー、格好良いなーと言った。

 中本は、続けて、清水君が、奥さんを亡くして寂寥感から金沢旅行に来て、私が、金沢の金物屋に嫁いだことを思い出して金沢市内で聞いて周り、探し当てと説明。その後、泊まっていた日航ホテルへ行き、一緒に飲んで、昔話をして、最近、奥さん亡くした話を聞き、自分も育った横浜が、懐かしくなったと語った。

 その後、私が、清水さんの所へ、押しかけたと言う訳ですと言うと、女性達が、まるで、ロミオとジュリエットみたい、素敵ーと叫んだ。中本は、酒が入っていて、饒舌で、実は、私の祖父母は、ユダヤ人で、ロシアからオランダに移動して生活していたが、第二次大戦の時、ヒットラーに迫害を受け資産家だった。

 そこでオランダからロシアへ。さらにシベリヤ鉄道に乗って満州に移動。満州から日本の神戸にたどり着き、心優しい日本人に保護されたのと言い、その娘が神戸の貿易商の日本人と結婚して生まれたと語った。

 みんなは、まるで大河小説ねと驚いていた。その後、祖父母が亡くなると、神戸から横浜に移り住んだと言う訳だと説明。それで、中学1年の時、やってきたのねと雨木さんが納得し、栗毛色の髪の毛でありハーフだと思っていたと話した。

 そして祖父母の写真と母の写真を持っていたが、その中にスイス銀行に残した資産があると書いてあった。それを清水君見せると、彼が、東京のUBS銀行に一緒に行ってくれて、交渉してくれ大金を手にしたと話した。

すると凄い話ね驚いたというと、周りは、シーンとした。清水が、まー身の上話は、それ位で、もう良いだろうと言った。すると、富岡が、いやー感動的だと2人を祝福しようと言った。そして2人の前途に幸あらんことを祈念して乾杯と言うと酒が入っていたせいか、今市節子、雨木久子、樋口清実の3人の女性は、涙を流した。

 素敵な話ねと、口々に言い、そんな凄い秘話があったなんて、ちっとも知らなかったわと言った。中でも、今市節子が清水と薫子の2人の肩を抱き、幸せになってねと言い泣いた。それを見ていた薫子は、祝福してくれて、ありがとうと言い、本当は、私、清水さんが、本当に好きと言い濃厚なキスをした。

 これを見て、大きな拍手の渦となった。その後も酒が入りエスカレートしていった。薫子が、でも、残念だけれど、清水さんの亡くなった奥さんに、絶対にかなわないわとポツリと言うと気持ちわかると女性達が話した。そりゃ仕方ないわよと言う人が、多かった。また中には、贅沢、言わないのと言う人もいて意見が割れた。
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