第14話:2007、8年の出来事

文字数 1,699文字

 7月16日午前10時13分、新潟県中越沖でマグニチュード6.8の地震が発生。柏崎市などで最大震度6強の揺れを記録し、計11人が死亡、2千人以上が重軽傷を負い、建物の全壊も約1200棟に上った。震源地から約16キロ離れた東京電力柏崎刈羽原発でも原子炉が緊急停止た。変圧器火災や微量の放射能漏れなどのトラブルが発生。

 原子炉本体に大きな異常はなかったが、事務系の建屋や消火配管、タービンなど広範囲に損傷が見られた。また自衛消防組織の不備や情報伝達の不手際、断層の過小評価などの問題も露呈。各電力会社も危機管理体制の整備や周辺地盤の再調査などに追われた。国際的な関心も高く、国際原子力機関「IAEA」の調査団も派遣された。

 その他、米国で低所得者向け高金利型「サブプライム」住宅ローンの焦げ付きが多発し、これをきっかけに世界の金融市場が大きく動揺した。リスクに対する警戒感が急速に高まり、8月以降、信用の収縮、株価急落、ドル安などが一気に加速した。ローン債権を証券化した金融商品に投資していたヘッジファンドや金融機関は相場の急落で巨額の損失を計上。

 資金繰りが困難になり、一部は、破たんに追い込まれた。米国や欧州の中央銀行は市場に巨額の資金を供給。米国は利下げ、英国は住宅ローン会社への緊急融資に踏み込み、事態の沈静化を図った。これまでのところ実体経済に大きな影響はないもののサブプライム問題を発端とした市場混乱を理由に2008年の景気見通しは米国、欧州、日本いずれも下方修正された。

 ニューヨーク商業取引所の原油先物相場が急騰し、1バレル・100ドルの大台に迫った。11月20日、一時99.29ドルと史上最高値を更新。その後も高止まりが続いた。中国などの需要増大も原油高の原因だが、むしろ、世界的な低金利を背景にしたカネ余りの結果、投機的な買いが相場を押し上げたとみられる。

 原油高は、日本でもガソリン価格の上昇を招き、レギュラーガソリン1リットル当たりの店頭価格「全国平均」は、11月中旬に初めて150円を突破した。地球温暖化問題に対する国際的な関心が高まった。ゴア前米副大統領の講演活動を記録した映画「不都合な真実」が、全世界で大ヒット。

 国連の「気候変動に関する政府間パネル『IPCC』」は、温暖化の主因が人為的な温室効果ガスの増加だと、ほぼ断定して環境への影響を予測する報告書をまとめ、ゴア氏とともにノーベル平和賞を受賞した。温暖化対策は、6月ハイリゲンダムサミットでも最重要議題で、各国が緊急に協調行動を取ることで一致。

 こうして2007年が終わり2008年を迎えた。2008年、冬は、日差しの良い日は、南側の部屋で日光浴し、ゆっくりして、たまに散歩を続けた。
「春は、桜の名所を数か所を見に行き、感激した」。
「大岡川の桜の花が川に落ちる姿を見て鞠子さんが涙を浮かべて可愛そうだと泣いた」

 その後、春は、車で、天然温泉を巡って回り夏を迎えた。今年も涼しい北海道に長期、行かないかと聞くと、そんなに長くなくて良いと言い8月11日から18日まで函館にある本格的コンドミニアム「男爵俱楽部」に1週間滞在。名所のトラピスチヌ教会や立待岬、五稜郭を散策した。少し遠出して、大沼、江差にドライブ旅行に出かけた。

 また、松前にも出かけた。しかし、あまり楽しそうな顔をしないのが気になった。事情を聴くと鞠子さんの体調が、今一つだと言うのだ。まず、脂っこい食事した後、胸やけや気持ち悪くなる事があり下痢する事もあると打ち明けた。そこで帰って近くの大きな病院の内科に行き診察してもらった。すると人によるが50歳を過ぎるると消化力が、落ちる人が多いと言われた。

「もし気になるなら内臓のガン検診を受けるのが一番速いと言われた」
 その話を鞠子さんに言うと、そこ迄の事は、ないと答えた。その後、11月、長女の百合から妊娠したと連絡が入り予定日は、2009年5月2日と教えられた。
「これを聞いた母の鞠子さんは、電話を替わり良かったわねと元気よい声で喜んだ」
「百合に、子供ができた、私たちの孫ができたのよと言うと泣きだした」
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