第42話:祖父母の過去とUBS口座発見

文字数 1,654文字

 大金を使いシベリア鉄道の列車の切符を買って満州へ、そこから日本に渡ってきたと聞いていると話した。へー、すごいねと清水が驚きの声をあげた。スイス銀行は、今はないが多分、UBSやクレディ・スイスが有名だから口座番号を照合してもらえるかもしれないと言った。良かったら、手伝ってあげようと言った。

 清水が、何だか、わくわくするねと言った。現在、インターネットと言う便利なものがあるからUBSやクレディ・スイスに直接、英語で書いて調べてもらえるはずだよと伝えた。すると、是非、調べてくださらないと薫子が言うので清水が了解と答えた。翌日、UBSとクレディ・スイスに、清水が、奥さんが日本語で書いた文章を英語にしてUBSに電話連絡。

 そして口座の確認調査をお願いする文章を送り、口座を作成した時期と、祖父母の氏名と母の名前を書き込んで送った。約1週間後、UBSから以前のスイス銀行のプライベートバンク部門に、該当する口座が見つかったと連絡が入った。それによると口座には、ゴールド・バーが200オンス「5670g」と100万スイス・フランが預けてあるとの回答。

 UBS東京支店に口座を作ってもらえれば、そちらに移す事ができると書いてあった、但し、 祖父母の所有物を持参するパスポートなどと、あなたが肉親だと証明するものを提示して欲しいと書いてあった。現在、1フランが117円であるから100万フランは、為替手数料抜いて、11600万円。

 金、200オンス「5670g」で手数料抜きで3800万円の合計で15400万円となる。これを聞いて薫子が驚いた。証明する資料はと、清水が、薫子に聞くと、裏にサインの書いてある祖父母の写真と母の写真があると言った。それに、昔、作った、祖父母のパスポートのコピーと自分の古いパスポートもあると言った。

 そして、翌週、UBS東京支店に訪問目的を伝えると2015年5月11日、11時に、大手町のUBS東京支店の受け付きに来て欲しいと言われた。言われた通りに清水と薫子が、UBS東京支店を訪ねた。そして受付で要件を話すと部屋に案内された。その後、担当の斎藤さんが、要件は承っておりますので口座名義人の関係資料を見せてくださいわれた。

 それに対して、薫子に聞くと裏にサインの書いてある祖父母の写真とパスポートのコピー。それに自分の古いパスポートのコピーも見せた。それを見ながら斎藤さんが、それにしても、こんなに古い預金の清算を東京で行うのは、珍しいと言った。また、最近、世界中で、スイスの銀行が、ナチスに協力したとか好ましくない情報も出ていると話した。

 そこで、基本的には、昔の特にユダヤ人の口座に関しては、極力、返還するように協力しておりますと述べた。しかし詐欺や偽りがない様にチェックは、厳格にしますと言った。最初に裏にサインの書いてある祖父母の写真と母の写真をじっくり見て、後ろのサインについてもルーペで点検。次に薫子さんの古いパスポートコピーを見て、隅々までルーペで確認した。

 改ざんした形跡はないと言うと安心した様子になり間違いなさそうですね語った。そして、古いパスポートの横文字のサインをもらいますと言い書類を持ってきた。書類1つずつ内容と目的まで詳しく説明した。合計、5ケ所にサインを終えた。時間は、13時過ぎ、斎藤さんが、長い間、UBS銀行に預けていただいてありがとございますと述べた。

 別室に昼食を用意しましたと話した。斉藤さんが、その部屋に案内してくれ、パンとチーズ、ステーキ、サラダ、珈琲を大きな2つのプレートが出て来た。斉藤さんが、食事が終わったら、電話で、お知らせくださいと言い、斉藤さんが、懇切丁寧に説明してくれた。

 清水と薫子さんが、驚きの表情で、こんな、豪華な昼食、良いのですかと聞きなおすと、えー、プライベートバンクの、お客様ですからと言った。清水と薫子さんは、昼食をしっかり食べ、1時間足らずで電話して斎藤さんにお礼を言い、握手してUBSを出て、帰路についた。
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