第30話:薫子が英会話教師、釧路旅行

文字数 1,695文字

 その後、15時頃、薫子が帰ってきた。今日、授業が終わり歓迎会をかねて昼食会に誘われて、みんなと昼食を取り、その後、喫茶店で歓談してきたと話した。男性教師は、大学の英文科の元教授だと語った。生徒達もアメリカ生活を送った人が3人、商社勤めた人が4人、理系出身者で畑違いの英語を学びたいという人が2人。

 金持ちの老人が6人で男女比は半々だと言った。そして、以前の女教師については、生徒の方も毛嫌いして自分から、退職してくれ、みな喜んでいたと語った。そして、今後も楽しく、英語を学んでいきましょうということになったらしい。生徒さんは、知的レベル、生活レベルも高く、人生経験豊かだと話した。

 雑談を聞いていても興味深いことばかりよと薫子も喜んでいた。
「それは、良かったねと言うと、これから退屈しないで楽しいと言った」
「それじゃー私と2人きりの生活は退屈で、つまんないみたいじゃないかと告げた」
「すると、そんな事ないわよと言い抱き付いてキスをした」

「まー、良かったよ、君が喜んでくれてと言うと何から何まで本当にありがとうと答えた」
「本当は、亭主が死んで、どうやって生きて行こうかと不安だったのよと言い涙を浮かべた」
「もう大丈夫だよと清水が薫子を強く抱きしめ、これからの人生を楽しもうと言うと、ありがとうと言いながら、大粒の涙を流した」

 少しして、落ちついた所で、みなとみらいのショッピングモールへ言って、旨い魚を買ってきて、料理を作ってくれと清水が薫子に言うと、任せておいてと言った。そして、2人で自転車に乗って、ショッピングモールへ出かけた。八百屋、肉屋、最後に魚屋に行くと、美味しそうなイカが入ってた。

 そこで、刺身にしましょうと良い、大きいイカを4つ買い、内臓を取り除いてもらい、買い込んだ。その後、栄に帰り、刺身を作り、あらの部分をイカとジャガイモの煮付けにした。少しして煮付けの良い匂いがして来ると、ビールを空けて、いかの刺身を待ちきれず、清水も薫子も、ビールで乾杯した。

 そして、イカの刺身とイカとジャガイモの煮付けを旨そうに、ほおばった。薫子の料理は、上手でうまいねというと、薫子が、恥ずかしそうに清水のほっぺにキスをした。その後、今日の英会話教室の生徒の話を続けた。生徒の1人が、横浜港から、東北のお祭りクルーズ旅行にいった話を聞いた。

 そして、是非、行きたいと思ったというと、そうか、クルーズかと言い、行って見ようかと清水が言った。翌週、ランドマークの中にあるクルーズ専門の旅行業者の所へ行き、ダイヤモンド・プリンセスの横浜港発着のクルーズ屋ハワイ4島クルーズ、アラスカクルーズなどの説明を聞いて、薫子が、夢を膨らませた。

 しかし、最低10万円で海外は40万円以上かかるので、私の資産では無理ねと話した。それを聞いて、清水が、大丈夫、もう62歳なのだから、夢を叶えようと薫子の耳元でささやいた。清水と薫子は、2013年8月3日、羽田から釧路に飛んだ。朝、6時に自宅を出て、羽田行きの高速バスで6時半に着いた。

 8時発の飛行機で、9時40分に釧路空港へ到着した。空港近くでレンタカーを借りて、厚岸へ行き、有名な牡蠣「かき」をたらふく食べてきた。その後、釧路Pホテルにチェックインして、1時間ほど仮眠して、釧路の名所である弊舞橋「ぬさまいばし」周辺を散歩した。

 弊舞橋「ぬさまいばし」は、札幌の豊平橋「とよひらばし」、旭川の旭橋「あさひばし」と共に北海道の三大名橋と呼ばれている。幣舞橋の欄干には「四季の像」が配置されています。四季の像はそれぞれ作者が異なり、「春の像」は舟越保武氏、「夏の像」は佐藤忠良氏、「秋の像」は柳原義達氏、「冬の像」は本郷新氏によるもの。

 夕陽の美しさを写真撮影をした。釧路駅側から歩いて行くとまず右手に現れるのが、舟越保武作「春の像」。この姿で、若葉を萌えいずる雪解けを表している。振り返って左をを見ると厳しい表情で迫りくる冬を見つめる「秋の像」がある。さらに、歩みを進めると今度は右手に「夏の像」が現れる。束ねた髪を持ち上げる姿が若々しくて、躍動感がある。
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