第35話:同窓会の2次会2

文字数 1,604文字

 また、薬価の高い商品を売っている製薬企業では、年に3回のボーナスが支給されたと聞いてたと言い1千万円越えのプロパーも多かったと知らせた。清水が、オーバーだよと言い、でも接待合戦が、大変で、あまりの激務で体や精神に変調をきたして退職した人も多いと語った。加藤が、そうだった。そんな話も数多く聞いたと言い商売がでかい分だけ競争も激しい、

 まさに食い合い営業合戦だったねと懐かしそうに話を続けた。数多くの優秀なプロパーさんに会ったよと言い思い出話が始まった。1人は、気が利いて、面倒見が良くて、ハンサムで、先生方の接待でも好評だった。高級料亭で夕食を食べ、2次会は、高級クラブで、美人をはべらしていた。接待が終わると、そのできるプロパーは、美人の女性から耳打ちされた。

 接待が終了すると、卸セールスは、駅まで歩き、家へ帰る。プロパーさんは、美人さんと近くのカフェで待ち合わせて、その後、しっぽりと1夜のアバンチュールを楽しんだ。しかし、プレイボーイ型のプロパーは、多くの美人に手を出して、かみつかれたりして、手切れ金を要求されたりしている人もいた。また、女で身を持ち崩した人もいた。

 仲には、ヤクザの女をものにして、袋だたきになった奴もいたっけと言い、思い出し笑いしていた。また、彼らに共通しているのは、記憶力が良く、直ぐ覚え、また、きちんと情報はメモしていた。できるプロパーは、とにかく、一芸に秀でていた、ゴルフ、テニス、株投資、釣り、麻雀、スキーの先生になれる程の達人ばかりだったと話し続けた。

 その特技を生かし、ポイントとなる先生を1本釣りして効率的に売上を上げていたと話した。交際費も年間100万円どころか1回100万円という話も聞き、仲には、自分の年収と同じくらいの交際費をもらう会社もあったようだと言った。その加藤の話を聞いていた女性達の一人、今市が、清水さんは、どんなタイプのプロパーだったの質問した。

 これに対して、私は、ちょっとプロパーと言っても、営業のセンスはないので、特技で先生方に入り込もうとしたと言った。それは、昔、日本初の本格的パソコン、富士通マイクロ・エイトを使い始めていたので、パソコンオタクとして、先生に入り込んだと言った。プロパーになりたての頃、NEC9800が、日本で出たばかりで医療の統計の勉強をした。

 そしてマルチプランとか、ロータス1.2.3など表集計計算ソフトの使い方を勉強した。その後、医者の世界では、アップルのマッキントッシュと言うパソコンが流行り学会発表のスライド作りに活用されるようになった。親しくなった先生にマックの使い方を教えてもらい知識を利用させてもらったと語った。

 その後、転勤で地方に移動し、その県の大学病院を担当した。その大学の整形外科では、1人、東京から来た、パソコン大好き先生がいた。すぐに親しくなり、彼と二人三脚で、医療のデータベース化を研究した。その応用としてカルテの電子化、手術記録のデータベース化、医局の患者さんの記録のデータベース化とデータベースのひな形作りを勉強した。

 ちょうど、良い事に清水の横浜時代にKO大学医学部の先生にパソコンをいじっている珍しいプロパーがいると紹介された。データベースの構想と、医療に生かすとしたらどのようなデータベースが良いかと、検討するようになった時、これは、公表してはいけないよと言われて、アメリカの会社のデータベースと言うソフトをもらって、使い方の勉強をした。

 さらに、数年後、改良版のデータベースもソフトのコピーもいただいた。そのデータベースが、医療用に応用しやすく、次に、ひな形の原案が数種類、完成した。その中から、先生方にとって使い易く、見やすいデータベースのひな形を決めてもらい膝、手、腰の手術データベースを最初に作成。そのうち学会のスライド作成用のマッキントッシュがアメリカから入った。
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