第31話:釧路旅行2

文字数 1,623文字

 その向かい側には、「冬の像」。両手を掲げて冬の寒さをしのぎ、春へ近づこうとする力強さが伝わってくる。橋を渡りながら、贅沢に芸術鑑賞ができる幣前橋。実はこれらのオブジェの設置も地元の人たちのアイデアと資金によって実現したもの。これだけ市民が協力して造られた橋は、全国でも、稀だといわれてる。

 優雅な弊舞橋「ぬさまいばし」の全体像を眺めたいなら、河岸の広場へ降りると良い。釧路川の雄大な流れを間近に感じられる公園は、北側の岸が「ぬさまい広場」、南側には「おおかわ広場」とそれぞれ名前が付いている。橋を下から眺めるとその大きさと力強さ、そして端正なフォルムを感じることができる。

 絵になる橋だけに、唄に歌われたり、映画のロケ地になることもある。ぬさまい広場には、歌詞に幣舞橋が、登場する美川憲一さんの「釧路の夜」の石碑が立っていて、近くを通ると、その歌を聞ける。その後、夕食を撮って帰り、風呂に入って、ビールを飲みながら、今日、撮った写真を眺めた。
 
 弊舞橋の4つの像の印象や釧路川の雄大な流れ、「釧路の夜」の石碑の近くで、美川憲一の歌が聞こえた事などを話していた。明日は、摩周湖、屈斜路湖に行きたいと話した。その他では、根室から北方領土を眺め中標津空港へ行きたいと言った。できれば網走刑務所と周辺の能取湖「のとろこ」、網走湖、涛沸湖「とうふつこ」まで足を伸ばしたいと薫子が言った。

 それがダメなら羅臼町から斜里町を抜ける知床半島周遊のドライブでも良いと言いながら笑ってた。一応、私も免許を持っているし金物屋時代に配達に言っていたので運転を代われますよと告げた。翌日は、摩周湖へ向かい車を飛ばして、摩周湖第一展望台からの対岸の山を眺め、多くの写真を撮り、レストハウスで、ひと休みした。

 その後、更に先に進んで、摩周湖第三展望台へ行き摩周湖を眺めるとカムイアンヌプリの姿が真正面に見えて、その姿をはっきりと見ることができた。じっくり、あたりの景色を眺めているとき、近くにいた観光客が、裏摩周湖展望台も面白いから、是非、行ってると良いと、奨めてくれ、出かける事を決めた。

 そして、さっき見て来た摩周湖第一展望台近くの摩周湖レストハウスの御主人が摩周湖に伝わるいくつかの伝説を知っているから聞いて見ると気軽に教えてくれるよと伝えた。そこで、まだ時間が早いので、国道391号線を北上して空いていたので飛ばして裏摩周湖展望台に行くとカムイアンヌプリの反対側から見ることができ湖に突き出た大きな島の様に見えた。

 また、駐車場からも多くの周りの北海道の山がいくつも見え壮観であり多くの写真を撮った。次に気になった摩周湖レストハウスに向かい、そこで昼食をして摩周湖にまつわるアイヌの伝説を聞こうと考えた。45分ほどで到着し昼のランチ定食を頼んた。そしてマスターに手が空いたら摩周湖にまつわるアイヌの伝説を聞かせて欲しいと言うと了解しましたと言ってくれた。

 30分後、食事を終えて、食器も下げてもらった後、マスターが来て、摩周湖は神秘的な湖で数多くの言い伝えやこの景色の神秘性から創作民話、他の民話を少し変えたものや祭りを盛り上げるために宣伝効果を狙った話もあると言い、有名な昔話を3つ選んで話をすると言った。

 1つ目が「ポンヌプリと雄阿寒」雄阿寒岳と雌阿寒岳は夫婦の山であったが、雄阿寒には北見留辺蘂の裏にあるポンヌプリという妾山があった。あるとき魔神のニッネカムイが現れて山のくせに妾を持つとは生意気だと持っていた槍で雄阿寒を突き刺し、何の罪の無い雌阿寒の頭をも突きとばしてしまった。

 雌阿寒の噴火口はその時の槍痕「やりのあと」であるという。二つの山を痛めつけた魔神は、続いてポンヌプリまで突き飛ばしたが、その槍先が、それて七曲がりに止まり、その槍跡は深い沢になってしまった。この魔神の暴虐に恐れた、ポンヌプリは、留辺蘂から逃げ出して、屈斜路湖畔に移ってしまった。
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